2030年の世界エネルギー覇権図

著者 : 上念司
  • 飛鳥新社 (2016年9月30日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864105132

2030年の世界エネルギー覇権図の感想・レビュー・書評

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  • 世界はエネルギーの奪い合いで動く。それを意識しないでは今後の未来は語れない。
    海中原子力発電は、反対強すぎて実現できないだろうが、面白い。

  • 日本の安全保障とは、エネルギーの輸入ルートの確保とほぼ同義。石油の確保について、危機管理的な観点で検討すべき。世界の警察官を辞めたアメリカ、中東地域の不安定化。

    エネルギーをめぐって、国家や様々な勢力が争奪戦を繰り広げている、ということを再認識しました。持たない日本であるということも。

  • これは現代進行形の歴史副読本だ!
    読むべし!

  • 米国大統領の選挙の去就が明らかになる前(2016.10)に書かれた、上念氏によって書かれた本で、世界エネルギーに関する解説がなされた本です。

    日本では東日本大震災(2011.3)の後に、エネルギー政策の転換(見直し)がなされて、原子力に頼ることは難しい状態が続いているような雰囲気です。それまで15%程度の発電を担っていたので、その代替えとして、主に天然ガス火力発電が使われているようですが、今後どうすべきなのでしょうか。最近はエネルギー価格が一時期より下がってきた様ですが、日本はその恩恵を受けているのでしょうか。

    アメリカはトランプ大統領になろうがなるまいが、この5年間でシェールガス・オイルの生産を増加させて、久しぶりにエネルギー大国へ復活しています。その影響が、将来的には日米安保にまで影響するかどうかは不明ですが、この本に書かれている内容は、エネルギー業界をお客さんに持つ業界に身を置くものとしては参考になる点が多かったです。

    以下は気になったポイントです。

    ・2015.11にIS(イスラミック・ステート)の犯行によるパリ同時多発テロ事件を、ローマ法王フランシスコ一世が、これは第三次世界大戦の一環であると述べたことは衝撃的であった(p14)

    ・ISの混乱を生み出した元凶は、2003年にアメリカがフセイン政権を打倒するために起こしたイラク戦争とその戦後処理の失敗である(p20)

    ・ブッシュの石油会社に資本参加した人物の中に、911を主導したウサマビンラディンの兄がいたことは知られている。ラディン家とブッシュ家はその時まで30年間も持ちつ持たれつであった。(p22)

    ・イラクは石油輸出の決済をドルからユーロへ移行することを決定していた、これが実現するとアメリカドルの基軸通貨としての地位が揺るぎかねなかったので早めに潰した(p24)

    ・今日のアメリカを支えるパワーは、1)軍需産業、2)ウォール街の巨大金融資本、3)移民労働者(p28)

    ・2016年7月16日、ノルウェーの調査会社の試算により、石油の埋蔵量はアメリカが2640億バレルと、ロシア(2560)、サウジ(2120)を抜いて世界一であると報道された、10年前には想像できなかった(p31)

    ・2015年に米国上院は、原油輸出解禁を盛り込んだ2016会計年度歳出法案を可決した、40年ぶり(p35)

    ・2016年1月16日に、IAEAはイラン側が合意を守っていることを確認し、アメリカとEUがイランに対して行ってきた経済制裁を解除すると発表した。これは、アメリカがサウジを見捨ててイランに乗り換えることを意味する(p53、55)

    ・2010年にはイラン制裁を強化するアメリカの圧力で日本は撤退を余儀なくされ、その穴を埋めたのは中国。日本が援助して作ったコントロールルーム(アデカザン油田)で指揮をとるのは全員中国人(p67)

    ・エクソンモービルに次ぐ全米第二位の天然ガス生産企業、チェサピークエナジーも苦境に立っている(p106)

    ・採算分岐点が80ドルといわれるシェール業界も、今や40ドルでも経営がなりたつシェール業者が生まれつつある(p111)

    ・サウジアラビアの原油生産は2030年から徐々に減っていくことは誰もが知っている。イランはまだ大丈夫(p116)

    ・アメリカは1979年にスリーマイル原発事故後、新設原発はなkったが、2011年に初めて原発推進を打ち出した(p127)

    ・米海軍が所有する288の艦船は、核燃料で推進する航空母艦と72の潜水艦を除き、石油に頼っている。これが液化炭化水素燃料の開発により、海上で燃料補給することが不要になる(p136)

    ・ロシアにとって2016年早々、原油安と同じくらい頭が痛い話は、イランの国際社会復帰である。イランは2030年にはEU向け天然ガスの主要国になる可能性がある(p150)

    ・グリーンランド領域内には、サウジの約42%にあたる油田、北海油田の3分の1にあたる油田があるといわれている(p167)

    ・長江の三峡発電所は世界最大級の水力発電施設であり、2250万キロワットである、日本最大の奥只見(56万)と桁違い(p172)

    ・なぜ日本は戦争をしたのか、つまり対米参戦と太平洋戦争の原因として、エネルギー資源の確保があるから。アメリカのイラク戦争、湾岸戦争も同じ(p182)

    ・核燃料サイクルとは、1)軽水炉サイクル:プルトニウムとウランを混ぜた燃料を、既設の原子力発電の軽水炉で燃やす「プルサーマル」、2)高速炉サイクル:もんじゅの実験炉で、放射性廃棄物の消滅処理を行う、高速炉燃料製造工場(p184)

    ・MOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物)を通常の燃料の代わりに利用することをプルサーマル発電、ウランの利用効率を既存原発で26%、高速増殖炉で100倍以上向上できるのが、核燃料サイクルの最大のメリット(p184)

    ・マラッカ海峡は、世界のシーレーンの中でも重要で、スエズ運河・パナマ運河・ホルムズ海峡と並ぶ、四大航路の一つ(p207)

    ・自動運転は、2050年には一部運輸業務以外は、ほとんどが自動運転に取って代わられる(p234)

    ・2040年になっても化石燃料が依然としてエネルギー供給量の4分の3を占める見通しである。その中でも天然ガスの成長が速く、石炭を越えて世界第二位の供給量にあんる(p261)

    2017年2月19日作成

  • エネルギーが国益の根幹という前提を
    改めて記していて 読み易い。

    国家/政府のゴール≒国益
    で、
    対する絶対要件がエネルギー資源の確保であると。

    という当たり前すぎる当然の前提をふまえると、
    日本にとっての生命線が
    シーレーンの担保である!と腹に落ちる。

    で、このシーレーンに対する脅威は、
    中国の覇権主義と ISを中心にするテロ。

    ソリューションは、
    脅威への直接対策

    シーレーンに依存しない代替エネルギー

    ロジカルに
    小気味よく文章が展開されていて、
    読みやすくスッキリする良質な解説本でした

  • アメリカのシェールガス革命を中心に中東、東アジア、ヨーロッパのエネルギー政策と資源争奪、戦争・紛争の裏について判り易く書かれています。”超大国アメリカ”、この言葉が意味が凄く理解出来る本です。その点、日本は。。。

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2030年の世界エネルギー覇権図はこんな本です

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