「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本

著者 :
  • 飛鳥新社
3.99
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本棚登録 : 824
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864106269

感想・レビュー・書評

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  • ネット記事で知り、購入。

    目から鱗の連続、非常にいい本だった。
    様々なことに気が回って辛い思いをする「繊細さん」ことHSP(Highly Sensitive Person)。多くの「繊細さん」はその概念を知らず、自分を責めている。
    この本の様々なエピソードを目にして、自分が「繊細さん」として苦しんだことも、自分が「繊細さん」を苦しめたこともあったなぁと思い返した。

    本の根幹にあるのは、繊細さんは非・繊細さんの考え方が理解できず、逆に非・繊細さんは繊細さんのことが理解できないということ。そのように、「自身の考え方と異なる考え方がある」ということを認識できないから、齟齬や軋轢が生まれる。
    その結果、繊細さんはあらゆることに必要以上に気がついてしまうが故に、自身を責めることに繋がってしまう。

    HSPに関する理解が深まったのがまず大きな収穫。
    この本、繊細さんに読んでもらいたいのはもちろんだが、身近な人に「気にしすぎだよ」「考えすぎだよ」と言ったことがある人にもぜひ読んでもらいたい。
    それらの言葉は、あくまで自分の見方を一般化して、相手にも当てはめようとした意見だ。それを言った相手は繊細さんだったかもしれない。

    また、繊細さん云々から飛躍するが、これが「違いを認める」ということなんだと改めて実感した。
    人種差別の根絶や障がい者への配慮などから更に進み、ダイバーシティ、多様な価値観の尊重という話が広まって久しい。しかし、その意味はどれだけ浸透しているだろうか。
    このHSPもそうだが、ADHDの人、精神疾患の人などを「自分と同じ価値観を持っているはずなのに、そうしない人」と見なして、存在を否定してしまってはいなかっただろうか。
    目に見える周囲のことだけでなく、ネット上も、自分の価値観に合わないことは条件反射的に否定してしまうような世の中だ。それは、全く多様性を受け入れていない。
    この本は、改めて「多様性を認める」ということの重要さに気付かせてくれた。

    もうひとつ、この本の全ての文章から発せられるメッセージは、限りなく優しい。
    繊細さんを認める立場はもちろん、繊細さんと相容れないはずの非・繊細さんについても否定やバッシングをしていない。
    自身もHSPであるという筆者の人柄が滲み出ているようである。


    以上、なるべく多くの人に読んでもらいたいと思える1冊だった。

  • 自分は典型的な繊細さんだ。アーロン博士のHSPの診断項目でも9割近くが該当する。
    一方、妻は、自身の母親にも「〇〇ちゃんはガサツ」と言われる程の典型的な非繊細さん(鈍感さん)だ。色々と苦労は多い。

    仕事や生活上の相談をしても、口調は常に喧嘩腰ですぐに逆ギレ、最終的には「お前が神経質!」「お前の頭がおかしい!」というオチで終わる。

    リビングに自分の物は一切置いてもらえず、インテリアには口出し出来ない。たまに粘って交渉し、1個だけ置かして貰っても、数日するとリビングから片付けられている。
    これでは自己肯定感など持ちようが無い。

    会社にも鈍感さんは多数存在する。
    部下を威圧する鈍感な上司、無神経に咳など繰り返す鈍感なオヤジ、部下の仕事の相談を受けているのにいつの間にか自分の身の上話をする鈍感部長など、世界は鈍感に満ちている。

    これまで自分自身、辛いが故に繊細な感覚を殺して生きてきた様に思う。
    でもこの本で対応方法が少し分かった気がする。
    繊細な感覚を解き放ち、自然な自分で生きて行きたいと思う。

    最後に本書より。
    「自分の中に、自分の居場所を作ること。自分の味方でいること」

  • HSP=「敏感すぎる人」「とても敏感な人」。人よりいろいろなことに気づきすぎてしまう、これが高じて世間の声や周りの目を気にしていつしか自分のことがわからなくなってしまうことも。
    HSPでない人でも多かれ少なかれこういったことは日常的に生じることがあるのでは? 振り返ると自分自身でもシチュエーションによって、あるいは時期によって似たような感覚に陥ってしまいストレスを感じたことがあります。相手の気持ちを先回りし過ぎたり、慮り過ぎたり、といった”やり過ぎ”が生じ自分自身を大事にできなくなるんですよね。ここから自信喪失、ネガティブ思考が始まり、、、という悪循環に。
    自分の声(=本音)に耳を傾ける、人を頼る、「苦手なこと」は「向いていない」ので「得意なこと」をがんばる、毎日の小さな「こうしたい」から叶えてゆく、など簡単に取り組むことができる方法が紹介されており、HSPではない、生きることや仕事にツラさを抱えている人にもぜひ手に取ってもらいたい一冊です。

  • 【No.208】「繊細な人が持つ”繊細さ”は、性格上の問題ではなく、生まれ持った気質の可能性が高い」「繊細な人は、むしろ自分の繊細な感性をとことん大切にすることでラクになり、元気に生きていける」「自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。そこが出発点」「繊細さんに必要なのは、”気にしない”という言葉ではなく、気づいたことにどう対処したらいいのかという、具体的な対処法」「繊細さんに必要なのは、痛みやストレスに耐えられるよう自分を作り変えることではありません。平気なフリをすることでもありません。繊細な感覚をコンパスに自分にとっていいもの・悪いものを見分け、自分に合う人間関係や職場環境に身をおく。”私はこれが好き””こうしたい”という自分の本音をどれだけ大切にできるかが勝負どころ」「繊細さんは、決して人嫌いなわけではありません。心を許せる相手と深く話すのは好きだし、家族を大切にしていたりと、人そのものは好きなのです。人と一緒に穏やかな時間を過ごしたい、もっと仲良くなりたいと思う一方で、長時間誰かと一緒の空間にいると疲れてしまい、みんなのいる場所から離れてひとりになりたいと思うのです」「人と一緒の時間が長いと苦しくなるのは、ただ、神経システムがそういうふうにできているのです。感じる力が強く、刺激量が許容量を超えるということ。誰にでも最適な刺激レベルがあり、他の人にとって何でもない刺激が、繊細さんにとっては強すぎるのです」「繊細さんが元気に生きるには、自分の”こうしたい”という思いを大切にし、”こんなにわがままでいいのかな”と思うぐらい積極的に自分を優先していく必要がある」「人は自分に負い目があるとき、負い目に注目しがちです。負い目があると、相手が怒っていたり不機嫌だったりする理由を”自分のせいだ”と思いがちなのです。自分のせいではない可能性があるのに、”私のせい?”と思い悩むのはもったいない!」「”人に頼る”という発想を持ってほしいのです。それは、いわば洗濯機を使うイメージです。自分で手洗いできるからって洋服を全部、手で洗う人は今どきいませんよね。それと同じです。自分でできるからって全部自分でやろうとせず、人に頼る」「どれだけ物事を深く考えるか、どれだけ相手の気持ちを深く受けとれるか、といった”心の深さ”には、個人差がある。繊細さんは、相対的に心が深い傾向にあります。言葉が伝わらなくて孤独だと感じたら、自分と同じ深さを持つ人を探しに出かけてほしい」「ごはん屋さん、バー、カフェ、雑貨屋さんなど、”なんだか、いいな”と思うお店があったら通ってみてください。自分がいいなと思う場所には、似た感性の人が集まります」

  • アメリカの心理学者アーロン博士が提唱したHSP(とても敏感な人)を「繊細さん」と呼んで、その人たちがどんな感覚を持っていて、それをどう生かしていけばいいかを書いた本。作者自身もHSPであり、その体験も生かして具体的な行動や考え方も提示されていてとても参考になった。

    読むほどに「あるある!」の連続で、まるで自分を見て書いているかのようだった。「気がつきすぎて疲れる」人はぜひ一度読んでみてほしい。

    参考になった点はたくさんあるけど、まず「繊細に生まれついた」という気質だと知ることができただけでも大きかった。それは変えるべき性格などではなく、自分や周りのために生かせる気質なんだということ。

    気づくことをコップの例えで表現していたのもわかりやすかった。
    「目の前のコップを視界から消すのが難しいように、誰かの気持ちに気づかないこと-気づかないフリをするのではなくて、そもそも気づかずにいること-が、繊細さんにはできません」

    そして、その反対にも気づかせてくれてありがたかった。
    「繊細さんにとって最大の罠は『相手の“わからない”という感覚が、わからない』こと」
    コップが見えてるのは当たり前じゃなく、見えないのが当たり前の人がいること。それは感覚を持っているかどうかの問題であって、努力して見えるようになるものではないこと。ただ、持って生まれた感覚がみんな違うだけ。そう考えるとだいぶ楽になった。

    相手の話を聞いていて疲れを感じたら、テレビ画面の向こうの人とイメージしたり、相手との間に透明なアクリル板があると想像するっていいアイデアだなって思った。
    「繊細さんは手を貸すタイミングが早い」もわかりすぎる。先のことを考え過ぎて、見つけた問題の穴を全部埋めようとしちゃうんだよね。

    書いていけばキリがないぐらい勉強になった。
    これからは気づくことと対応することを分け、自分のしたいと思ってる本音を大切にして生きていきたい。
    まさにこのタイトルで自分のことかなと感じた方はぜひ。

  • 共感しかない

  • HSP(敏感すぎる・繊細すぎる人)の診断テスト9割以上当てはまってしまった、たぶんワタシは繊細さん(笑)

    ワタクシ事ですが、幼稚園入園時に、二人で一つの長机を教室で使っていたんですが、どうしても横の席の子と密接するのが嫌で、グズったり泣いたり、挙句の果てには机にヘアピンで境界線を描いて「ここから入っちゃイヤ」と(先生方本当にスミマセンでした)宣言したり。今思うと本当に嫌な子供でしたね、申し訳ありません。
    小学生になったあたりかり、「このままでは生きづらいのではないか」とふと気づき、あえて大雑把、ズボラ、大胆を演じる「隠れ繊細さん」になりました(笑)

    そのままなんとなく大人になってしまったのですが、この本はその自分の気質である「繊細さん」を抑えるのではなく、それを理解した上での処世術がいろいろと書かれています。

    この本に限らず、最近は、「嫌だと思ったことは嫌と言い、自分を偽らず、人目をそこまで気にしないで好きなように生きればいいんだよ」的なハウツー本が多く出版されています。
    でも、一冊の本の内容すべてが自分の人生のバイブルになりうるかというと、けしてそうではなく(そんなことがあれば非常にラッキーです)、一冊の中から自分に響くフレーズが2つ3つあればそれを心に留めておく、そんな読み方を最近はしています。

    この本の中でちょっと心に自分的に響いたのは、
    「自分を出さないで『殻』をかぶっていると、その『殻』に合う人が集まってきてしまう」
    「素の自分を出せば出すほど、自分に合う人が集まってラクになれる」
    というフレーズ。
    あと、これは共感心をコントロールする方法だろうと思うのですが、
    「相手の話を聞いて疲れたら、その人はテレビの向こう側にいる人だとイメージする」
    「相手の感情が強いときは、自分と相手の間に分厚くて透明なアクリル板があることをイメージする」
    このあたりでしょうか。

    マンガの「凪のお暇」の主人公の凪が同僚の女子会ランチで「わかる~」(空気読んでこ)っていうのをし過ぎて、ドッと疲れて生きづらいシーンがあるのですが、これをなんとなく思い出しました。

    まぁ、別に自分の人生、自分が主人公だから、好きなことやって、別にどうでもいい人にまでは好かれる必要もないし、嫌われたらそれはそれまでだよね。
    ワタシなどはもう今まで生きてきた人生よりも残りの人生のほうが短いお年頃なので、なんかこの本のいくつか(全部ではありません(笑))のフレーズを読んで少し開き直ることができました。

    もしあなたの周りに、図々しいオバサンがいたら、たぶんその中にワタシがいるかもしれません。そしてもしお気に召さなければ、どうかシャッターをおろしていただいて構いません(笑)
    そんな感じで生きていこ(笑)

  • 周りの空気に振り回される…例えば休憩時間終わってないのに他の方が仕事してたら自分だけゆっくりしていることに罪悪感を感じたり…。バタバタしていたら自分も焦ってしまったり…。できるだけ気持ちを落ち着けて、空気感に飲まれないようにしようとはしていても、やはりソワソワするし、精神的にストレスを感じてしまう。昔から気配を消すのに全力を注いできた。気のおけない友人がいるのでない限り、できれば1人でいたい…。

    以前から抱えていた悩みについて、本著はアドバイスをしてくれている。人間関係であったり、人以上に疲れる理由など共感できる部分をまた読み返して参考にしたい。個人的にはグサッと刺さる程ではなく。

    【読了時間:2時間9分 / 6日】

  •  よかった。自分も半分以上あてはまる。毎日疲れてしょうがない。
     書いてある具体的な対処方法に効果があるかはわからないが、基本的な姿勢というか、こういう心持ちで毎日生きていけばいいという指針みたいなものを得ることができた。

  • 自分はHSPなのではないかと思い、購入。
    とても読みやすくて本としてのレイアウトも◎。
    ほとんどの内容に納得できたので、やっぱり自分はHSPなんだろうなあと思う。
    それでも、読み終わっても「ありのままの自分で生きていこう!」と前向きな気持ちにはなれず、どうして私は5分の1の人間として生まれてきたんだろうっていう悲しみにとらわれてクヨクヨしているめんどくさいHSPです…。
    対策法は会社で働く社会人にとっては具体的なものが多いけど、意外とサラッと書かれていてこんなものかなという印象。
    参考資料として載っていた本も読み始めているが、こちらの方が対策法としてはより丁寧に書かれているかも。
    でも、HSPの存在をわかりやすく世間に広める一助になる一冊だと思います。

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著者プロフィール

HSP専門カウンセラー。自身もHSPである。九州大学工学部卒。大手メーカーで研究開発に従事後、カウンセラーとして独立。日本でHSPの認知度が低かった2015年にHP「繊細の森」を立ち上げ、HSPからの実際の相談をもとに、HSPならではの人間関係や仕事の選び方を発信。HSP気質を大切にしたカウンセリングと適職診断が評判を呼び、日本全国から700名以上のHSPが相談に訪れる。
 HSPがラクに生きるノウハウをまとめた著書『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)が反響を呼び、ラジオやテレビ等に出演、HSPの認知度向上に努める。HSPに関する執筆の他、講演会やトークイベントなども行う。

「2019年 『繊細さんが「自分のまま」で生きる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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