目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画

制作 : 山岡 鉄秀 監訳 
  • 飛鳥新社
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感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864107471

作品紹介・あらすじ

オーストラリアの現在を描いた1冊

感想・レビュー・書評

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  • ツイッターで評判になっているのを見て手に取った。オーストラリア政治や経済に中国共産党が影響を及ぼしているというのはニュースで見ていたが、ここまでか、と思うほどだった。

    ファーウェイやハイクビジョンのシェア拡大や、元首相らと共産党との関係はもちろんだが、個人的には大学など学問の場への影響が印象深かった。授業での教授の発言に中国人留学生が怒る、ある新聞が売店で売られていることに中国人留学生が抗議して撤廃させるなどの事例が挙げられている。

    ピルズベリーを読んだ人にはこの本も興味深く読めるのでは。

  • オーストラリアの中国共産党の影響結果が見える本。
    多用民族の受け入れなグローバリズムな社会脆弱性をつくナショナリズム+共産党国家の新たな脅威。
    もはや侵略。
    何を言ってもヘイト扱いされそうな環境整えたという意味ではしたたか。
    これが世界中でおきている。
    よくぞこれだけの事例をそろえたと見る。証拠がないものは推論するしかないが流れは把握できる。

    ハニートラップに賄賂に新しい形の共産主義+中華思想と考えると目新しく見えて始皇帝時代まで遡っても根っこになるほど感がある。
    史記に通じるものがあり歴史は繰り返すが今おきているのだろう。
    オーストラリアを西洋国家最弱見なして利用された歴史の長さが自国に当てはめて人ごとでないと感じる。

    コロナもあって世界が対中国包囲網となる未来が見えるし
    アメリカは徹底的にこの状況を対応しようよしているが
    キーマンが地政学視点で案外日本だろうなーと今後の対中政策で今後10年の在り方がかわりそう。
    そんなことまで思わせる濃い内容だった。

    中盤は少しインタビューや一人の人間のルポ視点でだるくなるが
    全般を通して読んでおきたい考え。

  •  豪国内で、議員など要人への献金、貿易やインフラ買収、ヒューミント、文化・学術交流の中での工作など、個人と組織の実名入りでこれでもかというほど実例が挙げられている。豪での中国や中国系住民の存在感がどれほどか肌感覚では分からないが、相当なものなのだろうと思わされる。
     外国からの投資は中国からだけではないことは著者も認識している。しかし日米などと異なり、中国からの投資は、企業のものであっても、自国の戦略的利益に沿うよう体制に操作されているというのだ。留学生含む中国系住民が当局の意向に沿う言動をするのは、愛国心、実益、自国に残した家族を守る、など様々な理由がある模様。
     豪が狙われるのは、「西洋諸国の最弱の鎖」であるという地政学的位置、大規模な中国人コミュニティ、多文化政策の故だという。
     献金、貿易、投資、様々な交流、これら自体が直ちに違法ではないだろうし、グローバル志向の観点からはプラスとも捉えることも可能。また、豪国内で中国によるこれらの活動を批判すると、人種差別主義者や外国人恐怖症と言われかねないという。すなわち、リベラルで開かれた社会ほど、外部からのこれら「侵略」には脆弱なのだろう。

  •  日本におけるチャイナの浸透工作は深刻なものだと思うが、オーストラリアも中々だということがよくわかる。中学か高校の時にオーストラリアは白豪主義から多文化主義へ、みたいなことを習ったが、この多文化主義のようなボーダーレスな考え方はチャイナの格好の餌食なのだと思う。

  • オーストラリアが中国共産党に侵食されている様子を克明に記載した本。オーストラリアのオープンな民主主義体制に、資金力と人の数の多さでつけ込み、国全体を「親中派」にしようとしていることが書かれています。

    そもそも、レーニン式社会主義がいまだに跋扈している中国において、人々が豊かになるにはコネを使うしかなく、他国に行ってもその態度を改めない(多分改めなければいけないことすら自覚できていない)ので、オーストラリアでも政治献金などを通じて、コネの形成を行う。その裏側で中国領事館が中国共産党に批判的な動きを在オーストラリアの中国人を利用して行う。一方のオーストラリア人は①排外主義者だと思われることを恐れ、②特に大学関係者は中国人留学生がいなくなることによる経済的な損失を恐れて中国に都合の悪い事項の自己検閲を行う。という状況が数々の事例をもとに紹介されています。

    中国共産党のやり方は狡猾としか言いようがなく、また彼らは時間をかけることを厭わず、かつ資金力が豊富であり、そのくびきから逃れるには多くの時間と経済的な損失があるだろうと思われました。

    しかし、自由と民主主義を大切に思うのであれば、避けて通れないのではないかと考えます。

    翻って日本はどうなのか?改めて考えさせられました。

  • 実名が、次々と出てくる!
    チャイナの侵略は、ファンタジーではない!
    他国の出来事と軽く見てはならない!日本の放送局もかなり侵略されている可能性があるからだ!

  • 人名を含めて固有名詞が多すぎて、なかなか読み進まない。現在のオーストラリアが対中国において、アメリカと同調して強行路線になっているのもなるほどと思わせる一冊。

  • 中国によるオーストラリアへの見えない侵略についてよくまとまっている。日本語版の前書きには日本でも数千人にのぼる中国共産党のエージェントが活動しているとあり、オーストラリアでなされていることは決して他人事ではないと思わされる。
    中国は、華僑の動員やオーストラリア史捏造、移民にしても大使館や領事館を通じての宣伝や脅迫によって中国系オーストラリア人に影響を与えたり、様々な手段でオーストラリアの主権を脅かそうとしている。まぁこの本の著者のように現実を見据えて主張するオーストラリア人もいるし、コビッド絡みで豪中関係も複雑になり、ただ中国べったりでなくなったのは安心材料ではあるんだろう。

  • 中国がオーストラリアに対して目に見える形で圧力をかけているのは、鉄鉱石やワインの貿易等でよく聞く。しかし、見えない部分でこれほどまでに侵略を進めているとは思わなかった。
    オーストラリアの政府・官僚・大学・研究機関など、どうしてこれほど緩やかでのんきに構えているのかと思うが、日本も大差はないだろう。
    電力や港湾などインフラを中国企業(中国に限らず外国企業ではあるが、信頼度という点では中国が筆頭でつぎがロシアか)の手に渡すというのは、頭に銃を突きつけられているのと同じ位だと思う。

    オーストラリア人であっても、お金の前には個人は簡単に中国になびいてしまう。それが閣僚や政府高官であっても。実際にその立場になったら、そうなってしまうのかなあ。
    もしくは、「大丈夫、制御できる、心配し過ぎだ」と本気で思っていたら、それは慢心であり危険だ。過去のドイツがヒトラーを制御できると思って利用し、台頭させてしまったのと同様。
    「相手のことはなんでもわかる」と思ったら、それは自分が相手にとってカモだと思ったほうがよい。

    中国がオーストラリア等の西洋諸国を注意の対象にするのは問題なくても、オーストラリアが中国についての注意喚起をすると、それは人種差別と非難できてしまう。そのためにおおっぴらに注意喚起できない。非常にしたたかだ。

    中国は、持っていないものは盗めばよいという方針がはっきりしている。盗むためにお金をつぎ込んでも、元が取れるなら躊躇なくつぎ込む。品格とか徳とかまったく考えないのだなあ。

    対抗する方法も最後の方に書いてある。地道であるが、そういうところからやっていくしか思いつかない。

  • 中国がいかにしてオーストラリアに対し工作を行っていたかが詳細に書かれている。詳細すぎて全部読み切れなかったが、日本も同様の工作を仕掛けられていると思うと他人事ではないと危機感を抱いた。

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著者プロフィール

オーストラリアの作家・批評家。著作に『目に見えぬ侵略:中国のオーストラリア支配計画』(Silent Invasion: China’s Influence in Australia)『成長への固執』(Growth Fetish)、『反論への抑圧』(Silencing Dissent:サラ・マディソンとの共著)、そして『我々は何を求めているのか:オーストラリアにおけるデモの歴史』(What Do We Want: The Story of Protest in Australia)などがある。14年間にわたって自身の創設したオーストラリア研究所の所長を務め、キャンベラのチャールズ・スタート大学で公共倫理学部の教授を務めている。

「2020年 『見えない手』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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