- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864108591
作品紹介・あらすじ
禁断のベストセラーが復活!
現役作家100人(エンタメ50人、純文学50人)の主要509作品を、
気鋭の文芸評論家がかつに100点満点で採点!
あなたの心を震わせる「最高の1冊」に出会えます。
年末年始、読書のお供にぜひどうぞ。
【エンターテイメント(50人)】
朝井まかて/朝井リョウ/安倍龍太郎/有川浩/浅田次郎/有栖川有栖/池井戸潤/伊坂幸太郎/石田衣良/伊集院静/上橋菜穂子/冲方丁/大沢在昌/荻原浩/奥田英朗/小野不由美/恩田陸/角田光代/北方謙三/北村薫/京極夏彦/桐野夏生/小池真理子/佐々木譲/佐藤亜紀/重松清/篠田節子/島田荘司/島本理生/白石一文/住野よる/高村薫/辻村深月/天童荒太/中島京子/西加奈子/乃南アサ/馳星周/原田マハ/東野圭吾/東山彰良/姫野カオルコ/百田尚樹/宮城谷昌光/宮部みゆき/三浦しをん/湊かなえ/森見登美彦/山本一力/横山秀夫
【純文学(50人)】
青山七恵/阿部和重/池澤夏樹/石原慎太郎/絲山秋子/今村夏子/江國香織/大江健三郎/小川洋子/奥泉光/鹿島田真希/カズオ・イシグロ/金井美恵子/金原ひとみ/川上弘美/川上未映子/佐伯一麦/島田雅彦/笙野頼子/髙樹のぶ子/高橋源一郎/田中慎弥/多和田葉子/辻仁成/辻原登/筒井康隆/中沢けい/長嶋有/中村文則/西村賢太/羽田圭介/平野啓一郎/古井由吉/保坂和志/堀江敏幸/又吉直樹/町田康/松浦寿輝/松浦理英子/水村美苗/宮本輝/村上春樹/村上龍/村田沙耶香/本谷有希子/山田詠美/柳美里/吉田修一/リービ英雄/綿矢りさ
感想・レビュー・書評
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2000年に刊行された福田和也氏による『作家の値打ち』の現代版だそうです。
エンターテイメント、純文学からそれぞれ現在活躍中の50人、計100人の作家を論じて点数をつけています。
(刊行後、古井由吉・石原慎太郎・西村賢太の三氏は物故作家に)
著者の評価が正しいのかどうかはわかりませんが、これだけの数の作品を読了し、コメント・評価していることは労力的には凄いと思います。
小説を点数によって評価してしまうというのはやってもよいことなのかわかりませんが、読むなら評価の高い本を読みたいので小説のブックガイドとして手に取りました。
ブクログで人気の作品も評価されていますが、人気作=高得点ではなくその作家のファンの方ならあまりの酷評に怒り出すかもしれません。
90点以上:世界文学の水準に達している作品
80点以上:近代文学に銘記されるべき作品
70点以上:現代文学として優れた作品
60点以上:読んでも損はない作品
50点以上:小説として成立している作品
49点以下:通読が困難な作品
39点以下:人に読ませる水準に達していない作品
29点以下:公刊すべきではない水準の作品
一番評価が高いのは作家ではカズオ・イシグロ。「掛け値なしに偉大な作家と呼んでいい」と記されています。点数も90点以上か80点以上。大江健三郎さんは、作品による落差が大きくマイナス90点の作品もありました。
次に評価が高いのは古井由吉。宮本輝。意外にも(失礼)又吉直樹さんも評価が高いです。
村上春樹より村上龍を天才と評しています。
エンタメ系では東野圭吾さん、石田衣良さん、伊集院静さんあたりが評価が高いです。
作品別では『忘れられた巨人』カズオ・イシグロが最高得点99点です。
私もこの本を読んでカズオ・イシグロや宮本輝を読まないのは損だと思い遅ればせながら未読作(がほとんどですが)を読み始めました。
中堅の作家代表として私の大好きな伊坂幸太郎さんだとこんな具合です。
『オーデュボンの祈り』56点。
『重力ピエロ』84点。
『グラスホッパー』77点。
『ゴールデンスランバー』49点。
『逆ソクラテス』64点。など点数が付き、各作品十数行程度の論評があります。
伊坂さんは平均点以上とっていらっしゃいますが、『ゴールデンスランバー』49点で「通読困難」って「それってどういうこと?!」と思いました。
他にも原田マハさん『本日はお日柄もよく』18点とか「えっ!なんで!!」という評価が特にエンタメ系に結構あります。
これからまた、私が今までと違う傾向の作品を読んでいたらたぶんこの本の影響です。 -
現役作家の書いた面白い小説とは何かを、著者の目線で評価したガイドブック。
主眼は、素人レペルの作家や仕事と、プロのそれを、まずは弁別すること。
普通の読者として面白いと感じられる作品を面白いとはっきり認定すること。
そう言い切った上で取り上げられた作品は100人の作家の505作品。
評価対象は、作家としての実績がある現役の作家に限定し、エンターテイメント、純文学からそれぞれ50人。
作品の評価の合間には、結構辛辣な内容のコラムが挟まれる。
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『著者からみて、そもそも小説としての水準に達していない作品が軒並権威ある賞を受賞していることである。
作家、編集者らは、近過去の文学作品をきちんと読んでいるのだろうか。』云々。
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エンタメ系の作家は全部知っていたが、純文学系は初見の作家も2割ほどあり自分の読書傾向が、エンタメ重視というのが露呈。
近代文学の文学的良さを理解出来ないワタシには、本書の評価は正直合わなかった。論評にて頻繁に比較対象とされた吉田健一や古井由吉自体を知らないし。
如何せん、自分の好きな作品が、結構な確率で、歯に衣着せぬ物言いで酷評されているので正直悲しい。読了後の感動は自分的には嘘ではない。いくら文芸的に低俗であろうと、読んで結果として面白い!と思えたのならヨシとしたいのだが。
とか言いながら怖いもの見たさ的に、本書で評価対象に入ってなかった自分の好きな作家だったら、著者にどのように語られるのだろうかというのも気になる。例えばエンタメ系なら、逢坂剛、高橋克彦、皆川博子、原尞、純文系なら、五木寛之、乙一、桜木紫乃あたり。
折角なので、本書にて高評価だった未読の作品には何作かは試してみたい。その上で本書の評価をあらためてしてみたい。 -
自分の好きな小説はどう評価されるのか、気になって購入。
好きな作品がことごとく低評価なのは本好きとしてなんだか悲しい。近代文学は難解で読みやすい現代文学が好きなもんで。それにしても「評価に値せず」とか「人に読ませるに値せず」とか辛辣すぎて震える。高評価がどんなもんか読んでみようと新たな出会いにも繋がったという意味で読んで良かった。 -
私が「これは面白い」と思った本に、最低レベルの評価がされていて、「面白さは人それぞれなんだな」とあらためて考えさせられた。今後の読書案内として活用したい。
カズオ・イシグロの評価がめちゃめちゃ高い。 -
一見下世話な週刊誌的視点で作家を揶揄するような内容と思いきや,面白さ,そして日本文学の衰退という観点で,近年注目されている作家達とその代表作を語る.単にエンターテインメントとしてではなく,日本文学の将来を憂い,日本文化への警鐘になっており,そのまま読んで捨てるには重いテーゼを突きつけられている.
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福田和也氏の試みを更新するブックガイド。
カズオ・イシグロの評価が非常に高い。福田氏と比べると、村上春樹には厳しい。朝井リョウや西加奈子に容赦ない。いろいろと面白い。綾辻行人や米澤穂信ら、ミステリ系の人々が抜けているのが気になった。古川日出男、道尾秀介とか、あとはいくつか歴史小説家も。なぜないのか、、。
また、男性作家の描く男のエゴには甘い印象。ぜひ、斎藤美奈子さんにも、同様の本を出してほしいところだ。例えば、ノルウェイの森の採点。 -
積ん読が増えてしまうけどこれを見なければ読まなかっただろう作家さんと出会える。
宮本輝さんや古井由吉さんは読んだことがなかったけど積ん読リストに入れました。あと、この作家さん合わないかもなーと思って一〜二作で読むのやめてた人でも、高評価なのだけもう一作読んでみようかなと思いました。
好きな作家さんが酷評されてる可能性はあるのでそれは割り切ったほうがいい。評価は好みが大きいと思うので、全部は鵜呑みにせず、参考程度にすれば良書だと思います。 -
エンタメ系と純文学からそれぞれ50人合計100人を選出し、505作品の評価を下した、面白い小説を探すためのガイドブック。
よくもこれだけの作品を読破し、それぞれを短いながらもまとめ上げ、百点満点方式でランクをつけたことに対して、脱帽すべきであり、これらの内の未読の作品については、食指が動かされてしまう。
作家自身に対してもコメントも辛辣なところや、真の意味での期待感を込めてのものもあるも、単に好悪の感情で評価しておらず、また例えそういったところがあろうと、同一の作家のある作品と別の作品とでは評価が異なっていることから、作品自体への自身の判断基準にブレがないところは素晴らしい。(よくよく評価にあたって、有名や話題の作家が書いたものは評価が高いとしてしまいがちなところがあること自体が間違いで、あくまでも評価すべきは作家でなく作品そのものでなければならない)
さらに賞を取った作品でも疑問を呈しているところもよい。
敢えて言うならこれが「面白い」小説のガイドブックとなるかは、生来の読書家でないものにとっては悲しいことに難しいのかもしれず、素晴らしい小説のガイドブックとした方が近かったかもしれない。 -
さくひんへの敬意や愛が、もう少しあったらきっと有益なブックガイドになったのかもしれない。
「本日はお日柄もよく」。
いいですよ!
私もブクログで、読んで確か星5つつけています。
「重力ピエロ」はテーマ性...
「本日はお日柄もよく」。
いいですよ!
私もブクログで、読んで確か星5つつけています。
「重力ピエロ」はテーマ性があるので、この本の著者の方は、高得点をつけられたのだと、思います。伊坂さんだったら、「マリアビートル」とか、「陽気なギャング」シリーズとかの方が爽快感は高いと思います。スカッとしますよ。
ブグログを始めて本当に思ったのは、「本って好みが分かれるなー」ってことです。
万人がおもしろいとおもえるもの...
ブグログを始めて本当に思ったのは、「本って好みが分かれるなー」ってことです。
万人がおもしろいとおもえるものなんて存在するんですかね?
私は自分が読んでおもしろければそれで良しと思っています。
それでもランキングやレビューに流されてしまいますが……。
本って、味や音楽よりもひょっとしたら評価が分かれるのかも。
なんででしょう。
おもしろいですね♪
コメントありがとうございます。
今日は、私も本の評価をしている本の、レビューをしてしまいました。私も、この本に、果た...
コメントありがとうございます。
今日は、私も本の評価をしている本の、レビューをしてしまいました。私も、この本に、果たして星をどうつけるか、悩んだのですよ。星をつけるのやめようか?とも思ったのですが、著者の労力から、ひとりよがりかもと思い、星ひとつ減らして、4つにしました。(ってちゃんて私も評価してますが)本の評価、難しいですよね。
私もブクログのランキングを見るのも日課になっていて、面白そうな本を探しています。
便利ですが、ここで、amazonに行ってポチると、ブクログさんも、繁盛するのかな~とか考えています。笑
でも、ブクログ楽しいので、OKです。