人間コク宝 まんが道

著者 :
  • コアマガジン
3.94
  • (7)
  • (16)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 151
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864363433

作品紹介・あらすじ

プロインタビュアー吉田豪のこじらせた漫画家インタビュー集。
『人間コク宝』シリーズの最新作にして、初のサブカル版。
登場する漫画家さんは、花沢健吾、福満しげゆき、浅野いにお、古泉智浩、若杉公徳、泉晴紀、佐藤秀峰、福本伸行、板垣恵介、 小池一夫、小林よしのり、古屋兎丸、川崎タカオ、カラスヤサトシ、地下沢中也、村上和彦、杉作J太郎。目次イラストに、テリー・ジョンスンを起用。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 吉田豪の漫画家たちへのインタビュー。

    漫画家は基本的にモテなくて、そのモテないことを克服したタイプと、そのまま引きずっているタイプがいる。という切り口で皆にインタビューしている。

    なので、漫画について語ってもらうというよりも、漫画家たちの恋愛観から、その人のキャラクターに迫るような感じ。

    中高時代には日陰でくすぶっていて、アシスタントの時も同様、漫画家として有名になってきたら、突如モテ始める。というのが皆の傾向。

    正直、この切り口自体はどうでも良いかなと思うけど、それぞれの漫画家のキャラクターが引き出しやすい(あえて漫画の話をしないことで)のが面白い。

    漫画家から漫画を抜いて質問するので、皆、凄い人に見えないところが。ただの人間として身近に感じられる。

    福満しげゆきとカラスヤサトシの応酬など。
    エッセイ漫画系の戦略のようなものも垣間見れて面白かった。

  • 読了。

  •  「プロインタビュアー」の吉田が、濃ゆ~い人々にディープなインタビューをする『人間コク宝』シリーズの最新刊。タイトルのとおり、今回はインタビューイが全員マンガ家(1人はマンガ原作者)である。

     登場するのは、花沢健吾、福満しげゆき、浅野いにお、古泉智浩、若杉公徳、泉晴紀、佐藤秀峰、福本伸行、板垣恵介、 小池一夫、小林よしのり、古屋兎丸、川崎タカオ、カラスヤサトシ、地下沢中也、村上和彦、杉作J太郎といった面々。

     見てのとおり男ばかりで、しかも一癖も二癖もある人ばかり。
     過去の『人間コク宝』シリーズには、アウトロー系というか無頼系というか、男臭くてアブナイ面々が登場することが多かった。しかし、今回は一転して「童貞をこじらせた」サブカル系マンガ家が多い。アウトロー系と言えるのは板垣恵介と極道マンガの村上和彦くらいで、この2人はむしろ本書の中では浮いているのだ。

     その意味で本書は、これまでの『人間コク宝』シリーズよりも、むしろ『サブカル・スーパースター鬱伝』に近いといえる。

     過去の『人間コク宝』シリーズのような、仰天エピソードが連打される面白さはあまりない。武勇伝のたぐいより、各人の童貞時代の脳内妄想や、悶々としたイタい青春に光が当てられるからだ。

    《女の子にモテないと漫画家になりやすいんです。なぜならば、女の子にモテてたら漫画なんて描いてられないんですよ、あんなコツコツしたこと(笑)。》

     ――これは福本伸行の発言だが、登場するマンガ家の多くが「非モテ側」に属する人なのである。

     また、創作の舞台裏がテーマになるわけではないので、マンガ家志望の若者が読んで役に立つような本でもない(たとえば小林よしのりの回など、作品の話よりAKBの話のほうがメインw)。それでも、登場するマンガ家のファンなら一読に値するインタビュー集ではある。

     それにしても、どこか歪んでいてめんどくさい人の多い業界だなあ。本書の中では小池一夫がいちばんマトモに見える。とくに、福満しげゆきと花沢健吾の歪みっぷりには唖然。

  • 「海猿」「特攻の島」の佐藤秀峰の対談が読みたくなり図書館から借りた。著作権ロイヤリティーもらえるなら作品が作者の原作の意図から離れても許す、という点も笑った。

  •  漫画家はひがみっぽい人が多くてそういうところが面白いのだが、そうでもない人も中にはいて、そんな人は多くの人と関わりがあり、それはそれで話がとても面白い。

     中でも杉作J太郎さんは抜群で安定した面白さ。収録された2005年から11年目の現在、杉作さんは東京を離れて活動されており、今またインタビューして欲しい。

  • 漫画ファンかつ、サブカルにも少し憧れていたということで勢いで買ってしまった。インタビュー集なんで枕元に置いて、ちびちび読んだ。なかなかこじらせた人達が多くて面白かった、福満しげゆき面倒過ぎw

  • 最近漫画(青年誌)を読んでないのがよくわかった。インタビューを受けている漫画家のうち半分以上知らないし、知っていても読んだことない人が4分の3くらい。それとも、特殊な作家さんしか選ばれていなかったのだろうか。とはいえ、インタビューの内容は秀逸で一回読んでみるべ、と思わせるものでした。
    海猿の作画されている作家さんもインタビューされていたけど、そりゃこんな性格の人だったらあんな騒ぎにはなるかなと。

  • プロインタビュアー、吉田豪の本領が発揮された一冊。好きな漫画家のことはより好きに、そうでなかった漫画家にも興味を持ちました。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

吉田豪(よしだ・ごう)
1970年、東京都生まれ。プロインタビュアー/プロ書評家/コラムニスト。編集プロダクションを経て『紙のプロレス』編集部に参加。そこでのインタビュー記事などが評判となり多方面で執筆を開始する。現在、雑誌・新聞に多数の連載を抱えるほか、テレビ・ラジオ・ネットなど様々なメディアにでも活躍中。今までに格闘家、プロレスラー、アイドル、芸能人、政治家と、その取材対象は多岐にわたる。著書に『人間コク宝』シリーズ(コアマガジン)『聞き出す力』『続 聞き出す力』(日本文芸社)『吉田豪の空手☆バカ一代』『吉田豪の“最狂”全女伝説』『吉田豪のレジェンド漫画家列伝』『吉田豪と15人の女たち』『吉田豪の部屋の本──@猫舌SHOWROOM──』(白夜書房)などがある。

「2021年 『証言モーヲタ ~彼らが熱く狂っていた時代~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田豪の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
町山 智浩
吾妻 ひでお
樋口 毅宏
福満 しげゆき
まんしゅうきつこ
大野 更紗
吉田 豪
卯月 妙子
久住 昌之
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×