マリアボーイ (マーブルコミックス)

  • ソフトライン 東京漫画社
3.72
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本棚登録 : 592
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784864421485

感想・レビュー・書評

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  • 出てくる登場人物、ある意味みんなそれぞれに「怖い」部分を持っている。日常の中、自分の傍に実はこういう「怖さ」が当たり前にあって、それに気付いてない鈍感な自分がいるんだろうな、と言う事を凄く考えた。鋭敏な人はそういう「怖さ」に気付いて、気付いたことで相手に気付かれてしまい、人間関係と言う名の呪縛に絡め取られていくんだろうな、と。自分が現実の人間関係に鈍感もしくは見ないようにしているので、巻き込まれないで(気付かない)で済んでいるのだろう。
    一読後なので、まだまだ消化できてない部分があるし、考えたい部分も多いのだが、単純に言ってしまうと「痛い系」が好きな人間にはたまらない作品だ。その堪らなさはヨシキ(本名:フトシ)が自分の身に受ける傷を伴う痛みに対して無関心、と言う「怖さ」が突き抜けている。ヨシキは(表紙絵の青年)M体質なのではないだろう、むしろとても痛みに強く出来ている。彼にとっては弟に対する執拗な愛情に身もだえる自分の心以外のものに痛みを感じないのだ。
    本作は、友達に恋心を抱きつつ絶対に伝えられないので行き付けの美容師の大人(これがヨシキだとのちに判明)と火遊びをしている。互いに伝えられない想いを抱いている者同士、気が合って性処理をしているような感覚なのだが、ここからどんでん返しが来る。そのどんでん具合が実に面白い。そして、どんでん返しがどう来るかなど予想しないで読む方が作品を存分に楽しめる。
    確かに絵柄は趣味かどうかが分かれると思うが…どっかのレビューで、昔のJUNEでよく見かけるような絵柄、って書かれてたけど、物語が絵柄を凌駕する、ってあるよ。どっちも凄い人もいるけども、そればっかりだと誰かが考えた素晴らしい物語が世に出ないんだよな。「絵」はあくまでも「記号」って考えると絵柄云々で読まないのはある意味損する。第1話の展開でもう、俺好みな予感ぷんぷん… しくしく泣いてしまう表現とか、あほっ子じゃないな、天真爛漫ジャンルか、秀さんの『ネガポジ』のあの感じ好きな人はハマると思う。そうだ、自分の尻を試そう、って発想が斬新!!
    私恐らくBLを恋愛ものとして読んでないわ、今日再確認したわ。人間関係の在り方の一つ、として読んでるんだわ、だから女子が出てくると「恋愛関係」が色濃くなるので、普通の漫画読めんのだわ。人間関係のバリエが読みたいんであって、恋愛の在り方の一つとして読みたい訳じゃないんだわ…西原とヨシキの関係を見ていると、こういう経験をしたのかもしれない友を思い出した。「痛い」のを自分には全く関わりのない世界での出来事と切り離せていた自分と今の自分は違うんだな、と。私の経験ではないが、ヨシキの絶望が胸に迫る。
    西原が行う数々の非道な行為に飄々としていられたのは、ヨシキにとって一番辛いのは弟への執着が否定された事であって、それ以外ののどんな事も大した事ない、と言う捉え方だったのが、痛い目に遭っているのは紛れもなく自分なんだと悟る描写の凄さ。
    それぞれの人物たちの在り方はある意味では「非現実的(フィクションなんだから当たり前だが)」で、ヨシキと加藤の出会いなどは日常に潤いのない私などには「あり得ない作り物の世界」なんだけど、こう言う現実が降ってくる人間のリアルにいるのだと知った今では。
    「痛い系」好きと言うと誤解を招く場合もあるが、痛い描写をエロ同様に高揚して読んでいると言う部分も否めないが(ブログにも書いたが「好きな子を苛めたい幼稚さの表れ)、「これだけ痛いのに救われると言う決着を着ける作品にする作家さんの物語力が凄い」の方が勝ってるんだよね。

  • 近隣の書店や県内のアニメイトを探しても、無くて、ネットでとりよせてやっっっと読むことができました。(一年探した)

    よかったです。ハッピーエンドの感じでした。

    特に、最初は「アレ?高校生のほんわかBLやん…」と思っていたのですが、途中マリアボーイから入る前あたりから「あ、これはヨシキの物語なんだ」って思いました。

    マリアボーイの話はすごい好きでした。ですが、その前の弟の話があんまり好きになれませんでした。

    ヨシキだって、歪んではいるものの、息子として(表紙裏の草原より)なおとを愛しているのに、どうしてそれが阻まれなければならないんだろう。どうして、ヨシキだけが不憫で、嫌なプレイされて傷つかなきゃいけないんだろうと思いました。

    なぜ、この2人だけが救われて、兄のことは救おうとしてくれないんだろう。もう少し、西原さんのことでも頑張ってくれてよかったんじゃないか。と思って泣きました。

    でも、マリアボーイ前編あたりから、加藤くんが出てきて、救われた感がありました。コミカルな感じで描かれているし、途中のご飯のあたりとシャワーのシーンあたりの比較が凄い差があって、ドキドキしました。

    もっと、マリアボーイの話が欲しかったので、星4です!!!!!!!

  • お兄ちゃんがひたすら痛い痛い。
    患ってる人、怖いと思わせる一冊。
    暴力と執着と愛が詰まってます。

  • 不憫受けが好きなのかもしれない。

  • 星3.5位。暴力振るわれる系好きじゃないんだけどな……と思いつつ、やっぱり絵柄が好きで購入。

    カバー絵のヨシキ(面倒臭い人)の当て馬の西原さんが本当に勘弁願いたい感じだったけど、弟やしゅうちゃんや加藤(なんかラテン系?な子)が可愛かったから救われたかな。下ネタが生き生きしてた。

  • 苦手かな〜?と思いながら読み進めたけど思ってなかった方向で面白かった!エロと笑いとシリアスのバランスが絶妙。ただ感性だけでもってる感があるので、余計なお世話と思いつつも時系列と繋ぎをもうちょっとどうにかしたらもっと素敵な作品になったのではと思わずにはいられない…。

  • じわじわくる。ペーパー付き

  • DV?元彼からの暴力?のあとにケロリとしている受け、BLだなあって思う

  • 最初の高校生同士のピュアな恋愛がメインに見えて実は主役は表紙の彼ヨシキ。カバー下の彼の独白を読んでから本編を読むと全ての話が彼中心に回っているのが分かる。DVとか兄弟愛とか割とシリアスで痛い内容なのにいい意味でギャグ多めでサラッとした味わいになっている。マリアボーイというタイトルが秀逸。これからヨシキにはうんと甘やかされる幸せを味わってほしい。

  • 3.75ぐらい。久々にオッ…と思ったBL…
    高校生二人が主人公の話でも、主人公二人は脇役感があって常にヨシキさんが主役って感じがした…
    みんなちょっといっちゃってるタイプの人たちでぞくぞくする。
    高校生二人の青さ、危なっかしさ、未来の不透明さと、ヨシキさんCPのすっからかん具合の対比がいい。すっからかんではないのかな。
    果てしなく悲劇で暗い話にもできそうなネタばっか使ってあるのにライト。絶妙のタイミングでギャグを挟んできたりする。でも個人的にはライトすぎたかもしれない。意図的なライト。
    キャラが好きなわけでも、CPが好きなわけでもなかったけど、退屈はしないし買ってよかったかなと思える。

  • 男子高校生!!!!!!!
    めんどい受が救われる本
    受の過去が暗いしボコボコになるしやっぱり鼻血出すけどマンガとしては暗くなくてとても良い面白かった!好きです!

  • Twitterでフォローしている人がマンガを出した。pixivもフォローしている人だ。ずっと気になっていて近所のTSUTAYAでおいてあるのを見て、つい買ってしまった。繊細でナイーブで美しい話だった。絵柄も好きです。できたら、同人誌もほしい。

  • 最近ボコり愛にハマり、表紙を見てこれは美味しそうだなと思い購入しました。
    話が複雑で何度も読み返し、また表紙裏も読ませていただき理解することが出来ました。

    まとめると、高校生の岡本は同級生のなおとが好き。行きつけの美容院で働くよしきに誘われ童貞を捨てる。なおとが女子に告白される。
    複雑な思いを抱えながらよしきと会うが、なおとがよしきの弟であり、なおとに執着していることが分かった。
    岡本がなおとに告白し付き合うことになったが、よしきが暴走。元彼で生傷大好きな西原と連絡を取ってしまう。酷いSMプレイをされ壊れ始めるが、隣人の加藤に救われ「初恋をした」ということで結ばれた。

    「ちんこ飛んできた」でお腹抱えて笑いましたwww
    初回限定ペーパーの、加藤の局部がすごく禍々しくてまた笑いましたwww
    所々ギャグ要素が入っており面白かったのですが、あまり好みではない展開でした。

  • 一応、丸々一冊兄弟(?)の話。
    ちるちるさんであらすじ読んで面白そうなので買ってみたのですが、最初開いて絵柄があまり好みでないのでいったん閉じてしまいました。好みじゃないというか、こういう荒い絵は好きな筈なんですが、ごちゃごちゃした感じが読み辛く感じで。

    もう少し整理されて読みやすい画面だったらいいなあと思いつつ、再度チャレンジ。
    読んでいくうちに絵は気にならなくなりましたが、話も少々乱雑だった気がします。
    そのまま描いたらDV絡みの陰鬱な話なのでギャグを交えて描くのはいいのですが、そのシリアスとギャグの境目が整理されていない印象です。ちょっと読みながら混乱。
    で、そのまま話が終わってしまったような。

    個人的には、弟と同級生の話の方が読みやすくて好きです。
    ただどっちのカプが好きとか、ときめいた!とか、なかったです、残念ながら。
    考えてみれば、これも自分が大好きな「ゲイの年上美人受け」なんですが、全然ときめかなかったのは何故なんだろう。
    攻めくんがイケメン設定なのに、イケメンに感じなかったからかしら。人に迷惑かけても憎めない子って思えなかったのです。あと、いまいちこのこの素性がはっきりしないまま(いや、はっきりしたんですけど分かり辛いというか、「そうか!」という爽快さがない)なので、もやもや。

    嫌いじゃないけれど、何となく入り込めないお話でした。

  • 最初、岡本くんが髪型コロコロ変わるから誰が誰だか分からんくなった(^_^;)?回想シーンが入ってさらに分からんくなった(頭悪い子)
    同級生の弟に片想い中の岡本くんが兄ちゃんとHしてしまうのは…ちょっと…。そしてシリアスな話を軽く流してしまっている所も自分には合わないと感じた。いきなり入るギャグ展開とか。なんかふわっとした終わりかただったな~。
    ★2か迷って書き下ろしで★プラス。甘エロ…

  • 【好きだよ、秘密だよ】
    いつも髪の毛をいじってくれてる美容師のお兄さん(ヨシキ)に高校生のしゅうが部屋に誘われて、ちょっと大人の遊びをかじるんだけど、でも、実は仕組まれてたって、まぁ、なかなかグイグイ引き込まれる展開でした(≧∇≦)

    なお(弟)に執着してるヨシキ(お兄ちゃん)が、なおを取られないように盗聴して、先回りして言い寄ってる子たちを食いまくって…んだけど、そういうの知ってたっていう、なおもまた、凄いし。
    なおが、一瞬、ヨシキの執着を手玉に取ってんのかと思ったけど、そんなことはなくて、本当にイイこでした。
    しゅうとなおは終始ラブラブで良かったよ♪
    しゅうが、自分の器を試すのなんか、物凄い可愛かったです(≧∇≦)

    で、お兄ちゃんのお話。

  • 表題作は、収録作品のメインとなっている「好きだよ、秘密だよ」で登場したキャラのお兄さんの話。
    このお兄さんが「好きだよ、秘密だよ」の話ではヤンデレなんかじゃなく、本当に治療が必要なくらいまで壊れてしまっているのが衝撃的。お話としては「好きだよ、秘密だよ」のCPがとても深くて可愛くて、ヒリヒリするのにいとしくて、とんでもないものを読んだなぁと胸を抉られました。
    確かにお兄さん大丈夫かな?と思うけれど、
    本のまとまりとしては「好きだよ、秘密だよ」だけでも
    充分だったような気がする。その点でマイナス☆1

  • タイトルと表紙とあらすじでもっと暗重いストーリーを想像してたんだけど意外に笑いも多く…重いけどじめじめしてないんです。最終的には救われて。こんなあっけらかんとしたお話を描けるってすごいなと尊敬の念を抱きました。お兄ちゃんの話、弟の話、どちらも好きです。

  • 表紙買いしたのですが、なんというか描いてる漫画家さんが面白いなぁと感じました。
    カバー裏やいたるところでなんだかいいなぁって思う節々が。。。(曖昧)

    ヨシキさんが愛に飢えて、愛に満たされたところがすごくすごく愛おしかった!
    ぎゅってして!ってところ、かわいかった。

  • 表紙買いです。とにかく表紙と導入部分がすごくよくて、あっという間に引き込まれました。
    いろんな意味で意表を突かれる展開で、表紙ほど中身の絵柄は好みではなく雑だなと思ったりもしたんですが、ストーリーにインパクトありました。

    最初いきなり、美容師のヨシキに高校生のしゅうが黒髪戻ししてもらっているシーンから始まります。ヨシキからピアスをなぜ開けたのかと尋ねられ、それにしゅうがこたえる、というだけの場面。でも、他の説明がなくてもそれだけで二人の背景がぐぐっとあれこれ見えてくるんです。これはすごいなと。
    その後もたたみかけるように、まさかまさかの真実がわいてでてきて目が離せなくなりました。
    センセはすごい感覚の持ち主ですね~

    いろんな目線を通してヨシキのことが描かれていて、その度に新しい一面が見えてくるサプライズ感がよかったです。
    ヨシキの28までの人生が少しづつ明白になり、しだいに彼の孤独や不安が露呈されていきます。知る度に痛みが胸を直撃。
    でも、なんか惹きつけられる魅力の持ち主なんですよね…
    そんな彼の前に現れた加藤が、また意外性バツグンのキャラ。明るいアホらしさもあって男前で、ステキです。
    彼ならヨシキを幸せにできるなと確信させられました。

    学生cpの、なおととしゅうの話も思ってもいなかった展開で( ̄ー ̄)ニヤリとしてしまいました。
    ここまで何度も何度もあっといわせてもらった作品は久々ではないかとww

    ★5つでもよかったんですが(カバー下の力作も読み応えあったし)、絵柄が表紙やストーリーほど好みじゃなかったという私的理由で。

  • 加藤くんがほんとうにすばらしいじゃあないの…!ヨシキを幸せにしてね…!

  • 誰ともまっすぐに愛し合えないヨシキと、その弟なおとと、その弟の彼氏しゅうの話。

    ちょっと痛々しいシーンもあるけど怖いほどではないかな?(人によりますが)
    本編読後にカバー下読むと怖くなります。笑

    ヨシキが幸せになって良かった〜!!
    終盤の「うわっ ちんこ飛んできた!」には死ぬほど笑いました。ギャグです。

  • ヒデサトさん2冊目のコミックス。
    もともと好きなので、Figも全部買っていましたが、まとめて読むとやっぱりいいなぁ、、、という。

    ヒデサトさんの独特の間とテンポが本当に面白いし、
    『好きだよ、秘密だよ』の第一話の最後のオチは本当に素晴らしいと思い何度も読み返してしまいます。

    わーお


    わーおじゃねーよ!っていう、、、、
    なんかもー最高に尽きます。


    描き下ろしも、大変美味しかったので、もともと読んでたって人にも優しいコミックス。


    そして何より、カバー裏がすごいので、是非読んで頂きたい。

  • 木村ヒデサトさん二冊目のコミックス。アンソロで気になっていた作家さんで、一冊まるまる表題作(と関連作)というこちらを読んでみた。

    最近こういう痛々しい作品(DVとかボコリ愛とか)多いなぁ。でも読後感は悪くない。迷走していた主人公もちゃんと幸せを見つけたし(*´ノ∀`*) デレたヨシキ可愛い!温かい手作りのごはん食べながら泣いてしまうシーンは反則ですよ…(泣)
    でも加藤のキャラが掴めなくて、一抹の不安が残る。嘘つきだしイマイチ信用できない★ ヨシキに対する気持ちもハッキリ言葉にしてない気がするし、日によってテンションが違う気がして落ち着かない。
    一応描きおろしでは仲良くイチャイチャしてたけど、弟カップルの方が抜群に安定感があるわ(笑)

    その弟カップルの話も収録。妄想の逞しさも高校生同士らしい、可愛い二人(〃´ω`〃) 実はヨシキがいらん首突っ込んでたけど、こっちはなおとがシッカリしてるから大丈夫だな(笑)←実は一番大人だった

    絵は独特だし話もテンションも独特だけど、エロが雰囲気あって良いね。ラブいイチャイチャした話もっと読みたいです♪

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