成功する海外M&A10の法則 事例で学ぶ意外な落とし穴

著者 :
  • 日経BPコンサルティング
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864430487

感想・レビュー・書評

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  • 基本的な内容の作品。入門書としてはいいかも。

  • 著者が最近出した本が面白かったので、前著も読むことに。
    こちらの本はあまり新たな知見がなく、自らの事務所の宣伝中心で…うーん。

    オークションの際、例えプロセスレター等で禁じられたとしても、買い手候補は売り手側に接触して熱意を伝えるべき、というのは「たしかに、それが機能する場合もあるな」と納得。

  • ・実務を知らない自分にとっては、やはりM&Aの世界はチャレンジングかつダイナミックで魅力的に感じた。
    ・特にクロスボーダーには強い興味があり、ファイナンスやリーガルの知識はさることながら、日本と海外では様々な点で異なり、商習慣や文化、人間性を認識し理解するだけのタフネスも非常に重要だと感じた。
    ・しかし、節々に「私(著者)の事務所を使うべきだ」といった誘導が見受けられ、真に客観的な視点で書かれた内容なのかと疑問を感じざるを得なかった。

  • 中田順夫著「成功する海外M&A 10の法則」日経BP(2013)
    *デューデリジェンスを担当する弁護士は若く経験の浅いアソシエイトの場合が多いため、依頼会社の狙いやビジネスの現場の常識をしらずに調査をすすめていってまとめてしまいがちです。このような事態をさけるために依頼会社は自分たちの要望をタイムリーに明確に伝えて、現地の法律事務所をうまく使って行く必要があります。最も良い方法は日本の法律事務所が、依頼会社のビジネスや今回の案件の狙いを充分に理解し、それをベースに現地法律事務所の作業過程を管理、監督し必要に応じてその都度、軌道修正しつつ、ポイントをしぼってさらに調査を進めるべき事項についての指示を出すのが現実的です。現地の法律事務所の任せきりでは見当はずれな報告が届くだけで本当に必要な情報がなかなか得られない事が多いです。
    *デューデリジェンスは一般的に、バイ・エクセプション方式で行われます。案件進行上の障害の有無、対象会社の企業価値評価への影響を確認するという目的に鑑みて、例外的に問題がある点だけを報告するのです。しかし、買収後の対象会社の経営に際しての便益まで考えた場合は、バーチャルデータルームに入っている各所類の法律的な内容をようやくして報告してもらう方法の方が便利なケースもあります。デューデリジェンス開始にあたって、まずどちらのタイプのレポートを希望するのか目的、日程、予算に応じて明確に指示を出すのが出発点になります。受け身でレポートを待つのではコストと時間ばかりかかって到底満足できるデューデリジェンスの実施と報告は期待できません。現地の法律事務所に的確な指示をタイムリーに出して、必要な説明と議論を重ね、有意義なデューデリジェンスを実現していくことが大切です。何をどこまで調査、報告してもらうのか明確に指示を出すのです。
    *日本企業は意思決定が遅く、オークションのスピード感についていけないのが、オークションでうまく行かない原因だと一般的に言われていますが、数多くの案件を経験して感じるのは、問題の所存は、意思決定のスピードではなく、実はオークション外での売り手側への積極的なアプローチ不足だと感じています。
    *デューデリジェンスを行う際に大切なポイントが2つあります。1つは、少ない情報をしっかり分析して、「これは追加情報があるはず」、そして「この契約についての情報がなければ案件を先に進める事ができない」といったように情報の目利きをすること。2つには、膨大な資料となるなか、高い視点から、この国でこの事業を行う上で重要なポイントはどこかを考え、特に重要なテーマにしぼる事です。たとえば、販路拡大を目的とする場合は、企業が販売店などとどのような契約を結んでいるのか、訴訟が老い企業は訴訟の内容をきちんと把握しているかなど調査が必要です。
    *デューデリジェンスの目的は3つあります。1つは、提示価値の妥当性を再評価すること。2つにはリスクの洗い出しとその緩和手法の検討、3つには、PMIの検討です。クロージングしてからが本当のスタートです。買ってからどのようにマネジメントするかによってその正否が変わります。デューデリジェンスの段階からPMIの準備をしっかり始める事が大切です。
    *ファンドが売り手の場合は補償の実効性担保の手法の選択は要注意です。隠れた債務や偶発債務がないことを売り手に確認させる「表明補償」は重要です。通常、表明補償に違反が会った場合、買い手は売り手に対して金銭による補償を請求できるよう、補償条約が規定されます。この表明補償と、補償に関する規定が最重要交渉ポイントになります。もともとこの実効性を確保するために、伝統的には「エスクロー」があります。これは売買代金の一部を一定期間第三者である金融機関に寄託しておき、表明補償違反が発覚した場合は、寄託していた金銭を補償に充てる仕組みです。しかし、エスクローの相場は通常売買代金の10〜30%程度と高めであり、買い手も表明補償違反が発覚した後であっても裁判に勝たないと金銭の払い出しができず、かつ、売り手も全額をすぐに受け取れないため負担が大きく、デメリットが存在します。近年はエスクローに変わる物として「表明保証保険」が登場しています。これはエスクローのように寄託金を寝かせる必要がない上、一定額の保険料を払えば売り手は表明保証責任を追わないため大きな魅力があります。買い手にとっても、何か有れば保険会社に保険金を請求すればよく、保険料は、保証状現金額の1〜3%程度で負担も少なめですみます。しかし、実際にはこの表明保証保険は、買い手にとって魅力的な内容ではない実態もあるようです。なぜなら、約款の一般条項に「買い手がすでに知っているリスクについては保険ではカバーできない」と記されています。つまり、これでは保険の意義がほとんどなくなってしまう可能性が高いのです。また、知っていたリスクかどうかは第一義的には保険会社の判断になってしまいます。(ただ、実際には8割ちかくは保険料が支払われているため実際に運用されているとは思いますが、、、)
    *交渉では、クロージングをすることが最終目的とはき違える事なく、会社として相手が要求する条件をどこまでのめるのか、絶対に譲ってはならない条件はなになのかを明確にして望む事が大切です。

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