胸を張って子ども世代に引き継ぎたい 日本人が誇るべき《日本の近現代史》 (Knock‐the‐Knowing)

  • ヒカルランド
4.00
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 24
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864713313

作品紹介・あらすじ

日本人なのに日本の近現代史を自信を持って語れない。そんな情けないことはもうやめましょう。日本人のみんなが常識として知っておきたい日本の歴史がここにある。倉山満、病気発症前の最後に気力を込めて書き上げた情熱の書!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 明治維新から大東亜戦争前後までの日本の近現代史について、衆議院議員の杉田女史が、倉山氏に問いかける形の質疑応答で、本書が構成されています。

    合計16の質問から成っていますが、中高校生のお子さんを持つ親が、自信を持ってその時代の話を子供にできるようにとのコンセプトで質問が選ばれて、回答は成人前の子供が理解できるように工夫されています。

    高校生の子供を持つ私にとっても、この本に書いてあることは参考になりました。自分の頭で咀嚼して子供に、嫌がられずに解説できるようになりたいものです。

    以下は気になったポイントです。

    ・江戸時代の識字率は100%、よく60%という数字が言われるが、それは漢字が読める人の率(p22)

    ・江戸時代に立て札が成立していた、漢字が混じっていたら「庄屋さん、読んでください」といって権威が高まった。おとぎ話の赤表紙、歴史・軍着物の黒表紙、大人向けの黄表紙、と出版が産業として成立していた(p24)

    ・欧州では、キリスト教が数学を禁止している時代が長かったので、数学ができるようなやつは魔女だ、と火あぶりになってしまっていた時代が長い。数学ができるのは、ユダヤ人かアルメニア人、イスラム教とか(p25)

    ・日本の農民は、「うちの先祖が地獄におちてるなんていう宗教なら別に要らない」となった。キリスト教のなかでも、カトリックでは、バチカンが天国と地獄の中間保管所みたいな煉獄という場所を作った(p26)

    ・東大法学部は無試験でキャリア官僚になれていた、明治18年に官僚採用の試験制度を導入して、27年には他の大学にも開放した(p30)

    ・イギリスやロシアと最初に組むと、どちらかに飲み込まれるので、ほどほどのアメリカと最初に条約を結んだ。妥協の産物が不平等条約である(p44)

    ・幕末以来の財政難だったから廃藩置県に応じたというのは、大名にしか当てはまらない。大名以外の武士の本来は領主で、給料を取り上げられる話なのに、家臣の武士からもまったく抵抗がなかった理由はこれでは説明できない。それが天皇の権威であるが、学界はそれを強調したくない。天皇がいたから日本がいい国とは絶対に言わない(p52、53)

    ・明治政府は琉球人の権利を守るために清国と張り合い、アイヌ人の権利を守るためにロシアと交渉した。その結果、榎本武揚は、1875年に千島樺太交換条約という対等条約を締結した。彼の武器は、国際法と地政学であった(p57、63、64)

    ・地政学とは、地球上にある自分の土地を周りの国からどうやって守るかという、政治学であり、世界の中で自分達が生き残っていくための学問であるが、占領中にマッカーサーが禁止した(p64)

    ・日本近代史のタブーは5つあり、天皇・国民国家・地政学・国際法・帝国憲法、である(p67)

    ・植民地はコロニー、朝鮮併合時の朝鮮はテリトリー(領土)、アメリカにとってアラスカは領土、フィリピンは植民地、フランスにとって、ベトナムは植民地、アルジェリアは海外領(p73)

    ・中立には、中立義務がある。朝鮮が中立宣言していたというなら、清やロシアの軍隊を追い出さなければならない(p79)

    ・ロシアとの海戦では、緒戦でいきなり二隻の軍艦を沈められ、日本軍は真っ青になった、しかしイギリスの協力もあり、日本海戦で快勝した(p88)

    ・日本政府の失敗をきちんと批判するのが、右上とすると、大正時代から潰されている、極左、と呼ばれて(p97)

    ・第一次世界大戦で日本が認められたのは、1)カナダから地中海までを守った、2)1915年のロンドン宣言(日英仏露伊の単独不講和宣言)に加入した(p103)

    ・1929年に大恐慌が起きてアメリカがこけると、ベルサイユ体制に関わる国全員がこけてしまった(p113)

    ・全体主義とは異論を許さない体制、ファシズムとは、一国一党の体制。ナチスやファシスタ党のような指導党があり、他の全政党を解散させるという状態。大政翼賛会は一国ゼロ党なので、ファシズムはできない(p125、127)

    ・党にしてみれば、忠誠を誓わない実力組織が軍なので、軍がクーデターを起こすのを非常に恐れる。だから自分の私兵である、秘密警察のSSを使って、ドイツ国防軍を押さえていた。ヒトラーに最後まで抵抗したのは国防軍であった、ソ連ではKGBを使って赤軍を、中国では共産党が人民解放軍に干渉している、秘密警察の存在は見えにくい(p126)

    ・秘密警察とは、非合法活動をする警察のことで、令状なしに逮捕できることが絶対条件、戦前の日本の特高警察は令状なしで、逮捕も家宅捜査もできないので、秘密警察ではない(p127)

    ・宣戦布告がなかったことについては、ハワイより先に攻撃したマレー沖海戦については、イギリスは全然文句を言っていない、「リメンバーパールハーバー」はアメリカの宣伝。アメリカは国連ができてから宣戦布告を行っていない(p143)

    ・ウルトラ兄弟は、自分の星でもない地球のために死んでいく、あれは帝国陸海軍のこと、地球は実は沖縄のことでもあり、日本のことでもある(p169)

    ・満州に駐留していたのが関東軍(70万人から7万人へ)、万里の長城から向こうは、支那方面軍が駐留していた。スターリンは、万里の長城の中には一歩も入れなかった、支那派遣軍が100万の大軍で、全日本の中で最新鋭の部隊だったから。この地域の人々は全員無事に帰れた(p193)

    ・8月17日に始まった、占守島の戦いでは、三回上陸しようとして三回とも蹴散らされている(p192)
    ・北方領土はメディア報道を見ていると、4島のように思えるが、本当は北方25島プラス南樺太である(p195)

    ・リンカーンは、黒人に同等の権利を与えようとしたのではなく、アメリカは白人だけの国だから、南部のように奴隷として使っているのはけしからん、と言った(p213)

    2016年1月10日作成

  • 現代史
    ぼんやり生きているだけじゃわからないことばかり

  • スターリン軍は万里の長城の外側、満州側ではやりたい放題

    万里の長城の内側は、精鋭、総司令官岡村寧次がいたので、満州のようなことは起こっていない

    岡村兵団 大陸打通作戦

    蔣介石と岡村は仲が良かったので、長城の支那側からは全員無事に帰れた

    内モンゴルの張家口にも支那方面軍麾下の根本博という名将がいたので、4万人の居留民を無事返している

    根本中将は金門島の攻防で有名

    北方領土は基本的に帰ってこないと思わないといけない。戦争で獲られたものを、戦争以外で取り返せるなんてことはない。沖縄や小笠原は例外中の例外

  • 難しい。
    明治維新について多面的に読みたくて買った本ですが、

    江戸時代の教育は素晴らしかった
    →明治維新は幕末の私塾での教育が原動力となった
    →私塾で育った者たちが、国を守るため、海外留学
    →留学がだんだん帝大の特権となり、劣化が始まった。。。?

    これで明治維新は成功だったのか?

全4件中 1 - 4件を表示

倉山満の作品

ツイートする