キルリアン・ブルー (TO文庫)

著者 :
制作 : 清原紘 
  • ティー・オーエンタテインメント
3.71
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本棚登録 : 28
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864722315

作品紹介・あらすじ

目覚めると、そこは漆黒の闇だった。何者かに誘拐された女子高生の古賀葉月は、犯人に人間の死体に触れさせられる。彼女には遺体から、その死の状況を映像として読み取る力があった。殺害模様を語った後、解放された葉月の周囲では次々と連続殺人が起きてゆく。交錯する死の像、誘拐犯と殺人犯。刑事と共に犯人を追跡する葉月の行方は?哀しき死の真実が切ない新感覚ガールズ・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 葉月と片倉が感じていた緊迫感に比べて、犯人の動機があまりにも軽い。
    軽いというよりも、動機そのものに意味がない。
    もしかしたら現実の殺人事件も、こんなふうに理不尽なまでに理由らしい理由もなく起きているものがあるのかもしれない。
    そんなふうに思ってしまった。
    もう二度と、何も知らなかった頃には戻ることは出来ないだろうけれど。
    それでも葉月が屈託のない笑顔を取り戻せる日がいつか来るようにと願いたくなる。
    そんな結末が切なかった。

  • 新感覚ガールズサスペンス だそう。
    表紙が清原さんのイラストだったので買ったけど、切なかった。
    完全なハッピーエンドではない作品は読み終わると胸が詰まるというか。
    でもそれが好き、なので個人的には好きな作品。
    異能の女子高生と若い警察って関係性はけっこう多いよね。
    それで男がだんだんと女の子に情が移っていくというか、吊り橋効果みたいな。
    儚げながらも芯の強い女の子には惹かれるんだろうね。

    謎解きに関しては、ほぼ、遺体からその死の状況、記憶を映像として読み取れるという葉月の能力で、現行犯逮捕みたいな感じだったから、違和感があったけど。
    言ってしまえば誰にも信じてもらえなかったら、妄想だよで片付けられてしまうわけで。
    片倉個人で協力してて、警察はほぼなんもしてなくない?みたいな。
    なんていうか、記憶を読む度に辛い思いをして、ダメージを受けて弱っていく葉月の心情は、共感?できたけど、立ち直る度に結局また葉月が記憶を読んで、犯人まで辿り着いて、それはなんていうか大いなる力の思惑通りみたいな展開だった笑
    父親は鍵になるかと思ってたら、意外にあっさり殺されてしまっていた。
    でも母子を助けようと、善なる行いをしようとしていたというのが葉月にとっての救いだね。

    犯人に関しては、そういうのをけっこう読んでるせいかあまり驚愕はしなかった。
    人間の本性なんてそんなもんだろみたいな。
    犯人がカッとなると、記憶をほとんど思い出せない、とか現実と妄想が融合し始めてるとかは、都合良くない?って思ったけど、異常者ってこんな感じなのかな?

    人の死の状況が映像として読み取れる能力が自分にあったらと思うと、それはやっぱり嫌だと思う、辛そう。
    そしてなんか死を呼び込んでしまいそうな気もした。
    1人の女子高生にあまりに大きな負担がかかって可哀想になった、まぁその分強くなったのかな。
    葉月というキャラクターに惹かれる作品 かな。
    あと、キルリアン写真との関連性はあまりよくわからなかった。

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著者プロフィール

埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー。「ぶたぶた」シリーズなど著作多数。

「2017年 『繕い屋 月のチーズとお菓子の家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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