- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864722391
作品紹介・あらすじ
二〇一四年一月、子どもの貧困対策法施行!大反響を呼んだNHK「特報首都圏」単行本化!車上生活、母親の自殺、10代でホームレス…300万人を越す声なき子どもたちを取り巻く貧困の実態に迫る。
感想・レビュー・書評
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辛いことを素直に言えない息苦しさ。
その中でも、生きている10代の若者。私は、彼らの気持ちを100%分かるなんてたぶん、できない。
でも、本を読んで、少しでも理解しようと思う。
毎日学校に行けて、ご飯が食べられて、勉強ができること。誰かに守られていることがはっきりと分かる自分の生活は、幸せそのものだと思った。
もう少しで、一人暮らし。今のうちに、手伝いとかやっておきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感情に訴えてくる感じの本でした。
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2012年にNHK特報首都圏で放送された番組に、取材内容などを追加し書き下ろした書籍版だそうだ。
さいたま市のNPO法人「さいたまユースサポートネット」を訪ねるところから始まり、そこで出会った子どもたちの境遇を紹介していくことで、読者に子どもの貧困の現実を知ってもらうという形になっている。
このNPOでは様々な支援活動を行っているようだが、ここで取り上げられているのは、主に生活保護受給世帯の子どもを対象とした無償学習支援だ。教員を目指す大学生などのボランティアにより、完全な無償で中学生などの勉強をみてあげているという。
集まってくる子どもたちの事情は様々で、ひとり親であったり、親が心身に病を抱えていたり、虐待を受けていたり、外国籍であったりと、経済的な問題以外にもいくつもの問題が複合的に絡み合い、子どもたちの心身に多大な影響を及ぼしている。
実際に紹介されている子どもたちの暮らしぶりは、現代日本でそんなことが起こり得るのかと思うような惨状ではあるが、具体的データとして日本の子どもの6人に1人は貧困であるという事実がある以上、単に見えていなかっただけだということなのだろう(だからこそ子どもの貧困という問題が、見つけにくく対応が難しいものでもあるのだが)。
ただ、衝撃を受けると同時に、彼らはそれでもまだマシなほうなのかもしれないとも思った。
何しろ、生きることで精いっぱいの暮らしのはずのなか、曲がりなりにも学習支援教室に通わせてもらえているのである。親や自分にそれだけの気持ちがあるからで、それを実際の行動に移せるというのは大きいに違いない。中には、勉強なんて必要ない、そんなところへ出て行って恥をさらすな、などと考えたり、人と関わりたくない、社会の目の届くところに子どもを出したくない(おそらく、それには自分の中にやましさがあるからなのだが)と、出してもらえない子どももきっといるのではないか。人に会う、勉強するという気持ちにすらなれず、外に出ることすらままならずにいる子どももいるのではないか。そのことに思い至り、また暗澹とした気持ちになってしまった。
子どもが健全に育つためには、なによりもまず子どもが安心していられる場所、自分を受け止めてもらえる安全基地としての親、家庭の存在が最も大切である。その拠り所があって初めて、人とのかかわりを学び、学校へ行き、社会で生きるすべを覚えることができるのだ。その拠り所が確保できなかったときの子どもの育ちに対する影響は計り知れない。親の経済面や心身面での問題は、そのまま子どもの育ちの問題に直結してしまう。
親や家庭が抱える問題によって、ちょっとしたことで悪いほうへ悪いほうへ転がっていく、貧困の連鎖、負の連鎖、なんとかこの流れを断ち切ってほしい。そのための法や制度の改革が進むことは言わずもがなだが、様々な支援活動も広まってほしいし、実を結んでほしい。
そしてなにより社会の意識が、子どもは社会の担い手であり社会全体で守るべき存在である、と周知され変わっていくことこそが最重要課題なのかもしれない。
私にできることはなんだろうか。 -
心が痛いが現状がわかりやすい
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Kindleから消えてる。UnlimitedでDLしといて良かった。
2012年のNHKの番組を元に書かれた本。
2013年に子どもの貧困対策法案が可決されていたのは知らなかった。何か対策してる?
当時、日本の子どもの6人に1人が貧困状態。今はもっと上がってるのかな。
生活保護世帯の親の半数以上が、中卒もしくは高校中退で、子どもの学力が低いことに危機感がないらしい。
そういえば、私の中卒の友人は、「中卒でも生きていけるから別に高校なんか行かんでもええ」と子どもに言っていた。(結局、子ども自身の希望で大学まで進学したが、父親が専門学校まで出ていたのが幸いしたのかも)
聡くんのエピソードが、読んでいてとても辛かった。両親は子供をとても大切にしているが、金銭トラブル時に少しでも法律の知識があれば、法的に対処しようという考えが浮かべば、こんなことにはならなかったのでは。
将来貧困に陥りそうな、不登校やひきこもりの人たちを、まずきちっと見つけ出すことが必要だと、彼らの受け皿である「たまり場」を運営する方は言う。
親も隠しがちやから、難しそう。
高校中退者が毎年6万人もいることに驚いた。中卒の就職率は僅か0.4%だとか。
私が中卒で就職できたのはバブルのおかげだったのだと思う。高卒の50代になった現在は、正社員の職につけていない。
ひきこもりの子ども、若者が70万人もいるという内閣府のデータにも驚いた。「彼らは生活保護を受ける予備軍となる可能性が高い」
父親に騙されて18歳でホームレスになった大野さんが気の毒でならない。
「地域若者サポートステーション」というものが全国にあるのを全く知らなかった。(15歳〜49歳が対象)
定時制高校が貧困家庭の子どもの受け皿になっていて、学校の給食が1日の中の唯一の食事、という子が少なくないらしい。
私は単位制高校に通っていたが、早朝アルバイトして通学している子が授業中に寝ていたのを覚えている。
先生方へのアンケートでは、生徒を助けたいという熱い気持ちと、支援に限界があるもどかしさが伝わってくる。
スクールソーシャルワーカーの待遇が悪すぎると思う。出勤時間以外にも対応してるのに、時給制のパートとか。善意につけ込むようなやり方は限界があると思う。 -
ここ日本で6人に1人の子どもが貧困状態というのは、普段生活してて見えないから、余計に衝撃だった。
生まれた家庭で未来が決まってしまわないようすることは、課題がたくさんあって難しいことだと思うけど問題が少しでも解決に向かってほしい -
配置場所:2F書架
請求記号:369.4||A 62
資料ID:W0178410 -
聞いたことのない言葉のタイトルに惹かれて手にとりました
一言 衝撃 でした
7年前くらいの本ですが
こんな現状があったんだなと驚きました
外国だけの話かと思ってました
10年くらい前に
何も考えず、ふつーに学校に通ってた自分
普通の毎日に嫌気がさすこともありました。
そんな生活が幸せだったんだなと実感でき、いろんな人に迷惑をかけた過去に戻りたいと思いました。
10年経ち、社会に出て少しですが様々な経験を積むことが出しました
こんな人間が言うのもおこがましいですが、もし今後自分の生活の中で困っている若い人に出会ったら最大限自分のできることをしたいと思いました。