本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘I」

著者 :
制作 : 椎名 優 
  • TOブックス
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本棚登録 : 444
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864723428

作品紹介・あらすじ

幼い頃から本が大好きな、ある女子大生が事故に巻き込まれ、見知らぬ世界で生まれ変わった。貧しい兵士の家に、病気がちな5歳の女の子、マインとして…。おまけに、その世界では人々の識字率も低く、書物はほとんど存在しない。いくら読みたくても高価で手に入らない。マインは決意する。ないなら、作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書。本に囲まれて生きるため、本を作ることから始めよう!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー開幕!書き下ろし番外編、2本収録!

感想・レビュー・書評

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  • 司書資格を取り大学図書館への就職が決まっていたのにもかかわらず、大学卒業直後に事故に巻き込まれ死んでしまった
    本好きな主人公の本須麗乃(もとす・うらの)。
    運良く転生した麗乃は、22歳の大人の女性ではなく、
    貧しい兵士の家の病気がちな5歳の女の子、マインとして目覚める。
    おまけに転生したのは、人びとの識字率が低くて本が少ない、以前とはまったく違う異世界。
    いくら読みたくても周りに本なんてあるはずないし、高価で手に入らない。
    追い詰められたマインは決意する。
    本がないならどうする? 自分で作ってしまえばいいじゃない!
    目指すは図書館司書! 本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めるのだ!
    本好きにはたまらない
    前代未聞のビブリア・ファンタジーのはじまりはじまり。

    本書はweb小説投稿サイト「小説家になろう」に連載されていたものを加筆修正して、書き下ろしの番外短編2本を追加したものに
    人気イラストレーターの椎名優の可愛い挿絵がふんだんに使われています。


    それにしても目の付け所がいい♪

    本がないと生きられない本の虫が、
    庶民には手が届かない、
    「本が高価な異世界」に行ってしまったら…という奇抜な設定がまず秀逸ですね。
    (異世界転生ものは数あれど、少女が主人公でこれだけ本好きなキャラも珍しいでしょう笑)

    しかもその世界は本だけでなく、学校もなければ時計もないし庶民の家には鏡もない。
    お風呂は盥(たらい)で水洗いして雑巾のようなボロ布で拭うだけ。そしてトイレはなんと、大人も子供もみな、おまるなのです(笑)

    そんな過酷な世界に贅沢三昧の日本の女子大生が堪えられるのか?(笑)
    もちろんマインは激しい拒否反応を起こします(笑)

    そしてこの世界では7歳になって洗礼を受けると、子供であってもみんな見習いの仕事に就かなければならなくて、
    7歳以下の子供であっても森に行って薪拾いや家のお手伝いをするのが普通の常識なのです。
    しかし、マインにはまずその体力がないのです(笑)
    みんな森に行って薪を拾ってくるのに
    森に行くまでに体力が尽きて歩けなくなってしまう絶望的レベルの虚弱っぷり。
    (そしてムリをすると熱を出して何日も寝込むことに…)

    そんなダメダメなマインですが
    状況に甘んじないのが 
    この小説の面白いところ。

    体力がなければ頭を使えとばかりに彼女は成人だった記憶をフルに生かして、
    アボカドに似た木の実を潰して植物油を取り薬草で匂いを付けて
    自家製シャンプーにしたり、
    細いかぎ針を作ってもらい、母にレース編みを教えたり、
    金属を磨いて鏡を作ろうとしたり、 
    草の繊維を編んで古代エジプト時代の紙であるパピルスもどきにチャレンジしたり、
    紙の代わりになる粘土板や木簡を作ったり、
    パルゥという果物の搾りカスを使ってホットケーキやパルゥバーグを焼いたり、
    少しずつ少しずつ自分のアイデンティティを見つけ
    自信を取り戻していく様は爽快です。

    本が買えないなら本を作ろう。でも本を作るにも紙がない。
    紙がないならば紙を作ろう。
    でも紙を作るにも体力、腕力、身長、年齢、お金がない…。
    そんな「ないない尽くし」の多すぎるハンデを背負った少女が
    持ち前のチャレンジ精神と粘り強さで
    一つ一つ地道に問題を解決し、
    亀の歩みながら夢に一歩一歩近づいていく展開が妙にリアルで共感するし、
    ハラハラドキドキしながら
    小さな主人公を応援したくなるのです。
    (この作者、コレがデビュー作らしいですが、文章は思ったより上手いし、先行きが気になって一度読み始めると途中で止められない中毒性があるのも魅力だと思います)


    マインより一つ年上の優しい性格の姉、トゥーリと
    みんなの兄貴分の少年ラルフ、
    主人公のマインと
    病弱なマインの面倒をいつも見てくれる金髪頭で男らしい少年のルッツ。
    この二組の淡い恋も気になるところですが、
    とにかくスローテンポな物語のため(笑)
    この第一巻ではまだ紙の代わりをなんとか用意できる段階になったばかり…

    本が手に入らない世界で司書になるというマインの夢が叶うのは
    どうやらまだまだ先のようです(笑)
    ( 無料で読めるweb小説投稿サイト「小説家になろう」では現在第四部まで連載されており、書籍化も第三巻が6月に発売予定です)

    サクサク進む派手なストーリーより
    地味なテーマでも丁寧に綴られた世界観を堪能しながら
    ゆっくり物語に浸りたい本好きさんや、
    ハリポタのように壮大で長い長いファンタジーが好みであれば
    ハマる要素はあるんじゃないかな。

    あっ、表紙を見れば分かるように
    イラストがホント素晴らしい出来なので
    それぞれのキャラをイメージしやすいのも◎。

    • アセロラさん
      「小説家になろう」のサイトは知っていましたが、このお話は知らなかったので読んでみました。
      緻密な構成に多彩なキャラクター、読みやすくこなれ...
      「小説家になろう」のサイトは知っていましたが、このお話は知らなかったので読んでみました。
      緻密な構成に多彩なキャラクター、読みやすくこなれた文章。
      今って、ネットで文章書き慣れている人が多いですから、
      上手い人はプロじゃなくても、水面下にたくさんいるんですよね…凄いなぁ。

      同じ「小説家になろう」に掲載されていて、
      書籍化もされている『酷幻想をアイテムチートで生き抜く』も面白いですよ~。
      こちらは現代の男子目線です♪
      2015/05/05
    • 円軌道の外さん

      アセロラさん、いつも沢山のお気に入りポチとコメントありがとうございます!

      あっ、アセロラさんも「小説家になろう」のサイト御存知だっ...

      アセロラさん、いつも沢山のお気に入りポチとコメントありがとうございます!

      あっ、アセロラさんも「小説家になろう」のサイト御存知だったんですね(笑)
      様々な所にアンテナを張り巡らせててホンマスゴいですよね(汗)
      僕も紹介してもらった『酷幻想をアイテムチートで生き抜く』を少し読みました!
      いやぁ~、なかなか読ませますね(笑)
      ちょっと中二病のヘタレな主人公が現実世界での知識を生かして
      石鹸や火薬を作ったり、文字を書けることを仕事にしたり、『本好きの下剋上』の世界観とカブるところもあって、
      普通に面白かったです!

      主人公が思春期の少年だけに
      可愛い女性キャラが何かと出てくるところも男には受けそうですよね(笑)
      そうですよね!ホンマ最近の素人はバカにできないくらい文章上手いし、ネット小説と言っても侮れないし、
      普通の小説とのレベルの差もなくなってきてると思います。

      乙一のブレイクがラノベの地位向上に一役買ったように
      ネット小説から大きな文学賞をとる逸材が現れるのもそう遠くはないのかもしれませんよね(笑)

      またいい情報待ってます!(笑)


      2015/05/12
  • やだちょっと面白い。
    小説の文章としては荒削りだし、うまくはないのかな、と思うけど、本も紙もない世界に突然行ってしまってどうしても本を読みたい!どうしたらいい?っていう設定に惹かれて2冊一度に買ってしまった。2冊目も早く読みたい。
    ジャンルとしてはラノベなのかな?ラノベも、文体が苦手だったりして読みづらいものも多いんだけど、発想の自由さとか、作者の書きたい世界が比較的自由に表現されるとことか、ハマると面白くてあなどれない。
    続きが楽しみです。

  • 「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」
    放送開始日:2019年2019年10月10日/木曜日24時00分
    キャスト:井口裕香、速水奨、中島愛、折笠富美子、小山剛志
    http://booklove-anime.jp/
    https://twitter.com/anime_booklove?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Eembeddedtimeline%7Ctwterm%5Eprofile%3Aanime_booklove&ref_url=http%3A%2F%2Fbooklove-anime.jp%2F

  • あまりこの手の本は読まないけど、本好きさんがハマった。と薦めて来たので、予約して読み始めました。異世界転生ファンタジー。本須麗乃から幼い、小さい、虚弱なマイン5歳児への転生…。(マイン可愛い…。)
    一体どうなっていくのか先が気になるけど、とにかく長い物語なので途中で飽きてしまわないように気負わずにゆっくり読もうと考えています。

  • 図書館より。

    本が好き!っていう執念に圧倒される(笑)。先が気になる。

  • 前から気になっていたけれど、アニメ化に際して読み始め。今更ながら気がついたけれど、異世界転生ものって『不思議の国のアリス』みたいなものかも。あるいは、戻ってきたときにどうなるのかを考えるなら『浦島太郎』の側面もあるか?(それだと、その後の展開が面倒くさそうなので、転生されたその時点(あるいは、そのすぐ直後に)戻ってくるのがセオリー?)現代社会で「普通」のステータスだったとしても、知識や技術が現代よりも遅れている異世界では、活躍できる、というのもセオリーか? 普通の異世界転生ものと違いそうなのは、バトルがメインじゃなさそうなところ。他にはよく知らないけれど『異世界食堂』とか?(異世界日常系?)異世界にない言葉を喋っても理解してもらえないのは、類似作ではあまり見かけない気がするけれど、リアル感を感じる。表紙をはじめ、イラストが可愛すぎる。三歩進んで二歩下がってあまり進んでいなくてじれったいけれど(それでも着実に前に進んでいて)このままわりと平坦に進んでいくのか、それとも一波乱あるのか。もう少し追いかけてみたい。

  •  少し前に、友人から面白いと薦められて気になっていた本。ようやく読むことができました。
     なんでも、秋からアニメ化されるそうですね。凄いタイミング。

     Web小説の書籍化ということで、話自体は既に完結しているそう。ただ、とても長編みたいですね。最後まで読めるかな(^-^;

     最近流行の異世界転生もので、「本の虫」で司書として図書館に内定を貰っていた女子大生が、本棚と本に押し潰されて死んでしまい、本が貴重で貴族しか持っていない世界に転生するというもの。
     ここら辺の設定はかなり浅めで、取って付けた感がありますが、「現代日本の知識」を持った「本好き」が本のない世界に転生するとどうなるかというのが話の肝なので、あまり突っ込んではいけないのかな。

     とにかく、中世然とした世界の平民の中に、1人だけ現代日本人がいることの違和感。そして、そのことに気が付かない両親と、気が付いている父親の部下のオットー。
     とりあえず、2巻に向けて、彼がキーパーソンなのかなというところで、1巻はお終い。

     1巻は、そのほとんどは転生した世界の世界観を共有しよう、という内容かな、と。
     本が手に入らないのならば、本を作ればいいんだ、と奮闘する主人公マインの執念が凄いです(笑)

  • 主人公の女の子が、可愛くない…本が好きなのはわかるけど、極端すぎて腹立つわ〜。 本が関わると態度をころっとかえるのも、調子良すぎて。 これが、タイトルの手段を選ばないだけ? 文章は読みやすいし、周囲のキャラクターは、良い人ばかりなんだけども〜う〜む。 続きは、もう少し読んでみようと思います。

  • 病弱主人公やーん!(好き)
    前世の記憶があるので幼児になっても、それなりの行動と思考を求めてしまうので、最初は考え方が欲望に忠実で利己的すぎる、、と読みにくかったものの後半は徐々に落ち着いたので良かった。魔法とかでチート出来ないので色んな工夫が見れて楽しいです。長編なのは分かっているので、のんびり読んでいくぞー

  • 長い長いお話なので、とりあえず1のみ登録。
    本好きの女子大生が司書になる夢を目前に、異世界へ転生?
    紙さえない下町の虚弱な幼女となっていた。
    本に囲まれた生活を夢見て、家族、幼馴染みを巻き込んでいく。

    軽く読めるので、ちょっとした隙間時間に。
    もう少し印刷や本に偏執的な描写があるとより彼女の暴走がリアルだったかも。
    いろいろと軽すぎる展開なんだけど、家族や幼馴染みとの絡みはホロリとして、ついつい読んでる。
    フェルナンドさまのツンデレ?ぶりがだんだん可愛らしく思えてくる不思議。
    もう少し、貴族の常識がわかると彼女の非常識さがわかるのかな。貴族の概念がぼんやりして世界に入りこみづらかった。
    下克上というだけあって、どんどん話が大きくなる。
    登場人物も増え続けるので、やや混乱気味なんだけど、人物はそれぞれ魅力的なので最後まで楽しかった。

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著者プロフィール

香月美夜(かづき みや)
小説家。1月22日生まれ。中学2年生の頃より小説を書き始め、社会人となり結婚後、子どもの世話がひと段落してから執筆を再会。2013年より小説投稿サイト「小説家になろう」で『本好きの下剋上』を公開して人気作品となる。2015年にTOブックスより書籍化され一般誌デビュー、シリーズ化される代表作になる。同作シリーズは累計100万部を突破し、「このライトノベルがすごい! 2018&2019」2年連続第1位に輝き、テレビアニメ化も決定した。

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