最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (TO文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784864726825

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  • 2024.3.12 読了 ☆9.4/10.0




    【上巻】

    「流されるままに生きればいい」。
    小さな診療所を始めた医者・桐子は患者に余命を受け入れる道もあると言い切る。
    一方、かつての同僚・福原は大病院で閑職に追いやられてもなお、患者の「延命」を諦めない。
    別々の道を歩む二人が、ある難病の恋人同士を前に再会を果たす時、
    それぞれに壮絶な過去が呼び覚まされるのだった。
    残された日々を懸命に生きる患者と医者の葛藤と闘いを描き、大反響を呼んだ医療ドラマ。衝撃の新章へ!


    【下巻】

    少年時代に入退院を繰り返し、ただ生きるだけの日々を過ごしていた桐子。だが、一人の末期癌患者との出会いが彼を変えた。
    奇しくも、その女性こそ幼き福原の母だった。
    彼女の命を賭けた願いとは?
    なぜ、人は絶望を前にしても諦めないのか?
    再び、二人が「ある医者」との闘病に挑む時、涙の真実が明らかになる。
    流転する時を越え、受け継がれる命が希望の未来を生む―読む者に生き方を問い直す、医療ドラマ第二弾。感動の完結編!


    〜〜〜〜〜上下まとめての感想〜〜〜〜〜


    ■とあるチャラ男の死


    最初のお話は、美穂と駿太というカップルの、それぞれ両極端な二人について描かれたものでした。

    美穂のように、自身が病気になり追い込まれたときに前向きになるか、それとも駿太のように自堕落になるか。それを支える医師。そしてどのように向き合っていくか。

    後者の彼のほうは、病院を恐れ、医師とは距離を置き、心を通わせることはありません。
    人生の最後の最後に己の人生を見つめ直すとき、自分の人生はどうだったか、彼はどう感じたでしょう。彼女は彼に、受け入れる、変わる、向き合う、そんなきっかけの数々を与えていました。
    だけれども彼は現実から逃げ続け、結局亡くなります。
    素直な性格であれば、そこから違う道が拓けたと思います。素直な性格ではなかった、と言ってしまえばそれまでなのですが、人生はたった一言、たった一つの選択、たった一つのきっかけで変わるのかもしれません。

    そしてこの、性感染症を患った2人の話は、それぞれの経過を対比して描かれていて、初期段階での発見と適切な処置がいかに大切なのか、そして、イメージとは裏腹に治らない病気ではないことが分かりました。

    逃げるのではなく向き合うこと、正しい知識を付けることって大切なんだなと改めて痛感します。
    学校はここまで詳しくは教えてくれない。


    ■とある母親の死


    桐子と福原の子供の頃の物語です。
    末期癌に侵された福原の母親・絵梨と、アレルギーを持つ桐子が同じ病室で闘病することになるのです。
    そして福原の母親は決して生きることをあきらめないのです。

    “「生きる、死ぬって、自分の理屈では測れないところにあるものなんじゃないかな」
    「自分の中をかき回して探しても絶望しか見つからなくて、諦める他に出口がないことはある。いいんだよ、諦めてもいい。諦めるくらい、あなたは闘ったんだもの。だけどそれで、自分は必要のない存在だと思っちゃうのは、ちょっと早すぎる。ねえ、周りに目を向けてみて。誰かの理屈を探して。何気なくて、別に難しいことでもなんでもなくて、でもどういうわけか、凄く強いものが、そこにあったりするんだ…」
    「その誰かが、あなたを埋めてくれる。空っぽになったあなたですら」
    「だから桐子君。自分の理屈だけで、生まれてきたのが間違いだったなんて言わないで」
    「あなたの中に希望がないなら、そばにいる誰かの中に、希望はこっそり隠れている」


    そしてその後に続く、桐子と母のやりとりに、涙が止まりませんでした。

    自分が入院していた時に支えてくれた家族、特に母の顔が思い浮かんだり、リハビリがてら母と歩いた誰もいない夜の病院やキツイ入院生活の希望だった売店で買うアイスの美味しさ、見送る時の別れの寂しさ………


    今となっては懐かしい過去が鮮明に甦り、自らの境遇と重ねずにはいられなくなり、涙が溢れました。

    生きててよかった。
    生きてこそ、生きてさえいれば、生きていないと。

    ありがとう。数えきれないものに対して。ありがとう




    〜〜〜〜〜心に響いた言葉〜〜〜〜〜



    “「雨が好きな理由は色々作れるけど、繋がってるって感じるから。そういうの、美しい」
    「雨は空から降ってくるけれど、それで終わりじゃないでしょ」
    「地面に落ちた水は土の中を泳いで、地下水として洞窟を進む。で、それが川になって流れて、海に注いで。魚と一緒に波打って。空中に蒸発して、鳥を追い抜いて・・・・途中で虹を作るかもしれないな・・・そして空高く上って、雲になる。考えてみてよ、晴れの日の入道雲だって、雨の日の一部なんだよ。そうして全部ひと繋がりの大きな輪になっていて、繰り返してる。これら全ての現象が『雨』だとも言えるわけでしょ。あるいは、大きな循環の一部を切り取って、雨と呼んでもいる。それって、かっこいい」
    「雨も、どうせなら嫌うよりも、どうやったら好きになれるかって考えた方が楽しいと思うの」”



    “「信じている?お前は医者として、何を信じているって言うんだ。言ってみろ」
    「全ての人は救われるために生まれてくる。そして、全ての人は救うために生まれてくる」
    「君も、欣一朗さんも。僕も、誰もが・・・・・そうじゃないかな。そこに医者とか患者とかはないんだ。ただ、人と人、そして人の中に潜む希望があるだけ」



    “雨は降る。どこかで降ってはどこかで止むことを繰り返す、人の命と同じように。

    命と命が出会う時、別れは必然だが、そこに必ず希望も生まれている。願わくば全ての命が、希望をその手に携えて、歩いて行けますように。

  • 前作「最後の医者は桜を見上げて君を想う」の続編。
    上下巻となっていますが、1冊でも良かったのでは。
    おまけに、やはり3編からなる中編連作。
    前作ほどのインパクトは受けませんでしたが、はやり、生と死、生き方を考えさせられる物語。

    下巻です

    ■とある母親の死(続き)
    福原の母親と桐子の会話は続きます。
    ここで彼女の言葉が刺さります。

    「自分の中をかき回して探しても絶望しか見つからなくて、諦める他に出口がないことはある。いいんだよ、諦めてもいい。諦めるくらい、あなたは闘ったんだもの。だけどそれで、自分は必要のない存在だと思っちゃうのは、ちょっと早すぎる。ねえ、周りに目を向けてみて。誰かの理屈を探して。何気なくて、別に難しいことでもなんでもなくて、でもどういうわけか、凄く強いものが、そこにあったりするんだ…」
    「その誰かが、あなたを埋めてくれる。空っぽになったあなたですら」
    「だから桐子君。自分の理屈だけで、生まれてきたのが間違いだったなんて言わないで」
    「あなたの中に希望がないなら、そばにいる誰かの中に、希望はこっそり隠れている」

    だめです!目頭が熱くなります。

    この物語が一番響いた。

    ■とある医者の死
    福原の父親(院長)が脳梗塞、そして認知症。
    父親を恨んでいる福原は治療をしない。させない。その担当医として桐子を指名します。

    現実と過去の区別がつかなくなった父親が語る過去。福原の母親の癌の真相。奥さんへの想い。
    桐子はそんなつぶやきをメモに残します。

    そして福原がその真相を知ることに。
    本当の父親の想い、苦悩。
    福原は父親の手術をすることを決意します。

    子供にとって父親ってやっぱりわからないものですよね。
    じんわりとくる物語でした。

    とてもお勧め。
    前作から、それも間をあけずに、続けて読みましょう。

  • シリーズ2 (下)

    過去の事件で、武蔵野七十字病院を追い出された、桐子修司は、小さな診療所・桐子医院を始めた。
    桐子を追って、桐子医院に勤めた、神宮寺千佳は、その医院を見て驚く。
    電子カルテもパソコンも複合機もなく、処置用器具、滅菌器も無かった。
    保険診療の認可も下りず、自由診療のみ。

    当然、患者は来ない。
    来たとしても、診療代は、余った野菜や、碁盤だけ。

    そんな桐子に、同じく、七十字病院の副医院長でありながら、官職に追いやられた、福原雅和が、院長の認知症の治療を求めて来た。

    父親と桐子に復讐しょうと目論んだ福原だったが・・。

    少年時代に数多いアレルギーにより、入退院を繰り返し、無為に日々を過ごしていた桐子が、入院中に出会った、末期癌患者と出会ったことにより、変わっていく。
    しかも、その末期癌患者は、福原の母親だった。

    読後感は、良かった。

  • 少年時代に入退院を繰り返し、ただ生きるだけの日々を過ごしていた桐子。
    だが、一人の末期癌患者との出会いが彼を変えた。
    奇しくも、その女性こそ幼き福原の母だった。
    彼女の命を賭けた願いとは?
    なぜ、人は絶望を前にしても諦めないのか?
    再び、二人が「ある医者」との闘病に挑む時、涙の真実が明らかになる。
    流転する時を越え、受け継がれる命が希望の未来を生む―読む者に生き方を問い直す、

  • 二宮敦人 著

    「最後の医者は雨上がり…(下)」読了。
    続く後編を読み始め…冒頭から既に号泣してしまった。 不覚にも眠っていた状態から、何か思い出して、覚醒されたような気分。
    まるで、自分の病歴を追うような、そこで出会った人や出来事にまた接してしまう感覚だった。
    病気で予期しているが、突然の死を目の当たりにすること、生きることへの強い執着を持ち、病気と必死に闘っていた人の命の重さに胸を打たれたことなんかが、いっぺんに心に迫ってきた。
    病気の事なんかは、元気な者には分からないだろうと諦めに似た気持ちで、何処か自分の中の暗い部屋に閉じ込めて、何事もなかったかのように振る舞う 
    そんなことが、長く色んな病気をしていると身についてしまう。
    病気の事なんて話してると暗い雰囲気を作ってしまう気がして…言えない。
    小説の中のとある母親 絵梨さんのように、自分に子供がいたら、どんな辛いことでも、自分を必要としてしている子どもの為に必死に病気と闘えるんじゃないだろうか…?とよく思ったものだ(今も、思っているかも)
    絵梨さんが桐子に言う
    「生きる、死ぬって自分の理屈では測れないところにあるんじゃないかな…」まさに…(心の声)

    「自分の中をかき回しても絶望しか見つからなく
     て、諦める他に出口がないことはある。
     いいんだよ、諦めていい。
     諦めるくらい、あなたは闘ったんだもの。
     自分を必要ない存在だと思っちゃうのは早すぎる
     ねぇ、周りに目を向けてみて。
     誰かの理屈を探して……」

    「その誰かが、あなたを埋めてくれる。
      空っぽになったあなたですら」
         (そうなの?涙腺怪しくなる自分)

    「あなたの中に希望がないなら、そばにいる誰かの 
     中に、希望はこっそり隠れてる」

     瞬きをするたび、涙溢れて
     桐子と同じように静かに、私も泣けてしまった。

    この作品の中では、医師がどのように、患者と向き合っているのか?という事を感じ取れたことにも、胸すくわれる思いがした。

    私自身、色んな病気を患っていて、医師のお世話になっても、最初は病気に関する知識が乏しく、あまりに勉強不足で、医師の説明が分からなかった事も多々あった、お医者さんは大抵、標準治療の説明をしてくれているのだが、受け取り側の患者が、ちゃんと、自分の病気についての理解をして受け止めていなければ、医師の淡々とした説明が冷ややかに感じたりするものだと、自分の経験上知る事が出来た

     何せ、自分が罹っている病気なのに、殆ど、その知識がない為に最初の頃は、医師から、「治癒は望めない」と言われ、手術はしないと、言われた時、
    「もう…なす術は無いって事ですか⁉︎」って、
    やや、興奮気味に言った事を思い出す 医師は静かに…「それは、あなたの受け止め方次第です」
    と言った。
    私は、それから、ものすごく、病気に関して勉強をして知識を深めていった その結果、医師の説明がスムーズに理解出来るようになりました。
    先ずは、患者自身も、しっかり病気について知ること、知識を持つ事が、どんなに重要で大切な事なのか分かるようになり、冷静に受け止める事が出来るようになったと思う。
    私自身は変に、病気の良し悪しを隠されるより、
    事実を聞きたい性格だから、とにかく、病気について知識を身につけていった時、
    医師から「とても、病気の事を勉強されてるようだから、下手に隠しても無駄なようなので、今後は良くも悪くも、隠す事なく知りたいと思っている本当のことを言いますね。」って言われた時は、かえって嬉しかった!
    でも、こんな事だって、人によっては様々だと思う
     聞きたくない人いれば、医師に全てを任せたい人も任せたくない人もいる
    病気自体、症状も、薬の効き方、病状の進行の速さや合う治療、合わない治療があるから一括りに出来ないものだと思う。
    治癒出来ない病気でも、延命治療だと言われても、
    確実に死が近づくように感じても、誰も、正確な
    余命なんて分からない。
    悪くなるのを待つような感覚も、実際、とても嫌だが、聞いたり、不安を話したり出来るのって、やはり、お医者さんや看護師さん、そして同じような病気を背負ってる人にしか出来ない
    家族には話せるが、やはりお互いに気遣いがあることも事実。そして何故か話してると悲しくなって上手く説明が出来なくなる。
    今の自分に出来る事といえば、同じ病気と闘う人の心に少しでも寄り添うこと。
    実際に、よく相談受けたり、悲しみに立ち会ったり、こちらが、より凹んでしまう事も多々あった。
    しかし、同じように病気と闘ってる人に心寄りそうことで救いたいって思ってた自分が、実は自分自身の方が救われているってことに気付かされた。
    この作品を読んで、改めてその気持ちを深く思い知らされた。
    「頑張ろう!」なんてお互い励まし合う言葉も
    生きる上では曖昧なのかもしれないが…力付けられることもある。
    病気になって良かった事なんて何一つない気がする 
    しかし、病気になったからこそ、得られたものもあった事も確か。
    一体自分は何を言っているのやら…表現が下手で、いつも上手くレビューは書けないが、、( ; ; )
    クヨクヨしたって仕方ないって思っている
    諦めではないけど、最初の頃より、病気と闘うモチベーションは低くなってるのも事実だけど…(^_^;)
    それでもいいんだ 本を読むと自分の中では、上手く説明出来ない気持ちも本が自分に語りかけてくれて、勇気をもらった気分になれる。
    この本も、やっぱり読んで良かった!
    桐子と福原の縁が、とても巧く描かれていて良かった(そして、その家族に纏わる関係性も)
    真っ直ぐに自分の生を見つめて、どんなふうに生きることをまつとうするのかは人それぞれの思いややり方があって、どれも間違いじゃないと思う。
    私は最後まで生きることを諦めなかった、どんなに悪い状況になっても明るく話しをしてくれた友達がずっと心の中に今も存在している。
    入院を余儀なくされベットから動くことも出来なかった友達とは最後の日までずっとLINEで会話を楽しんでいた。
    余命宣告を受けても負けない気持ちをずっと持ち続けていた彼女に、こちらの方が勇気をもらった。時々、負けがこむ時は一緒に泣いた。
    彼女が旅立った今も、私に希望の光を射してくれた彼女のことは死ぬまで決して忘れない。

    • 松子さん
      ひろみぃ、最後の医者は雨上がり…読んだよ。
      読み終わって、ひろみのレビューを読んだら
      また泣けてきた。
      病気のことをしっかり勉強してお医者さ...
      ひろみぃ、最後の医者は雨上がり…読んだよ。
      読み終わって、ひろみのレビューを読んだら
      また泣けてきた。
      病気のことをしっかり勉強してお医者さんと向き合ったはなし。
      同じ病気を持つ人に寄り添って励まして、ひろみ自身がすくわれたはなし。
      負けない気持ちを持ち続けたお友達のはなし。
      泣けて泣けてしょうがない。
      このひろみのレビューに励まされる人が沢山いると思う。沢山の人に読んでほしいな。
      難しいことも、格好いいことも何も言えないけど…、ひろみ、ありがとう!
      2022/08/22
    • hiromida2さん
      まっちゃん、こちらこそ
      いつもありがとうヾ(✿❛◡❛ฺฺ)ノ
      まっちゃん、こちらこそ
      いつもありがとうヾ(✿❛◡❛ฺฺ)ノ
      2022/08/28
  • 下巻、疾走感をもったまま一気にラストまで走り切った。
    医療系ドラマは身近なせいでグイグイ前のめりになる。認知症の当事者目線ですすんでいくストーリーも生々しい。自分の将来に見えて不安で仕方がない。私の好きなコミック『ヘルプマン』とも重なった。
    過去と現実の区別がつかなくなる。想像できて怖い。読んでいて子どもの顔ばかり浮かぶ。もう、今から謝りたい。
    これも終末期医療の予習かな。

    さて医師と患者の関係を水平に捉え直した主人公の1人。しかしお賽銭だけで生活する町医者となった彼は、その後どうなるか心配。この人の未来は描ききってほしい。まだ続くのかな。続けて欲しいな。

  • これはまた前作に続く凄いドラマでした。

    結婚したときに、明るい家庭を築きたい、とよくききますね。
    家族が増えて楽しい、明るい、そんな単純なものではなくて、家族が増えてそれで家族が一緒に成長していく、それが家族の醍醐味なのかな。

    うちも家族がいて、それで私自身も変わったと思います。よかったと思います。家族がいて。
    「生まれてきてくれてありがとう」だったかな?
    みつをさんの力強い書画を思い出します。
    みつをさんの展示も、書なのに、白黒の書なのに、泣かされます。この本も。

    家族は大事です。世界で一番大事なのは家族です。
    家族のためにも大事に生きたい、そうおもいました。


  • 【あらすじ】 (Amazonより)

    少年時代に入退院を繰り返し、ただ生きるだけの日々を過ごしていた桐子。だが、一人の末期癌患者との出会いが彼を変えた。奇しくも、その女性こそ幼き福原の母だった。彼女の命を賭けた願いとは? なぜ、人は絶望を前にしても諦めないのか? 再び、二人が「ある医者」との闘病に挑む時、涙の真実が明らかになる。流転する時を越え、受け継がれる命が希望の未来を生むーー読む者に生き方を問い直す、医療ドラマ第二弾。感動の完結編!



    上巻を読んでけっこう感動して期待しつつ下巻へ...
    「第二章 とある母親の死」では上巻では気がつかなかったこの母親の絵梨が福原のお母さんだと気づき 絵梨のとても前向きな姿にとても温かいモノを感じました。
    「第三章 とある医者の死」では福原の父親に対する深い恨みみたいな気持ちになぜそこまで...という思いで読んでいて 前作の『最後の医者は桜を見上げて君を想う』で受けていた福原の印象とすごく違っていたので あれ?私の記憶違いなのかちゃんと読めてなかったのか?ちょっとあまりの印象の違いに自分の読解力を疑ってしまった。
    ラストは福原の父親に対する誤解が解けて あぁぁ...良かったなぁという思いでした。

  • 3.8
    桜、が面白かったので、こちらも読んでみました。
    期待が大きすぎたのか、桜ほどは面白くは無かったですし、淡々と進みます。
    桐子と福原の母親が同じ病院に入院していた、という設定は面白かったですが、それを福原が知って、、、みたいな展開を期待してたのですが、そこはほんとにかあっさりで、ちょっと拍子抜けでした。
    それぞれのキャラは魅力的ですが、それを活かしきれてない、もったいなさ、もどかしさを感じました。
    ただ、福原の母親はとても魅力的な人でした。
    桐子が医者になれたのも、その人のおかげかも知れません。

  • 福原雅和の母と父の話。
    父親が不器用すぎる。
    そして、こういう不器用な人の話に弱いので、ずっと涙が(TДT)
    最後に誤解が解けて良かった。

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著者プロフィール

1985年、東京生誕。一橋大学経済学部卒。著書は他に「!」「!!」「!!!」「!!!!」「暗黒学校」「最悪彼氏」(ここまですべてアルファポリス)、「占い処・陽仙堂の統計科学」(角川書店)、「一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常」(幻冬舎)などがある。

「2016年 『殺人鬼狩り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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