『takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子』 (現代建築家コンセプト・シリーズ18)
- LIXIL出版 (2014年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864800129
感想・レビュー・書評
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デザイナーにも非デザイナー(orデザイン知識の浅い人)にも絶対に全て伝達してやるぞという意思が感じられて素晴らしい。takramの考え方については結構勉強済みなつもりなので、まずはこれを美術系の内輪で終わらせない、情報伝達への情熱に感動した。
単に振り子の例えが好き。私は正直これらのデザインは振り子というより「entanglements」だと捉えているので、完全に賛同しているとは言えないけど、ゆるくて抽象的なコンセプトだった考えが最終的に一つのデザインとして完成する行程をとてもよく表現できていると思うので好き。
ただ、「振り子」の例えはあくまで「デザインとエンジニアリングは2つの離れた違う分野」と捉える前提の上で成り立ってるから、「新しいデザインは分野と分野の間の空白に生まれる…」とかなんとか話してた田川さんの考えに反する気が。
時折、「思考は人類にだけ許されたウンタラ…(優勢思想)」「ビジネス・クリテイティビティ・テクノロジー(分野のカテゴライズ化)」とか、ちょっと時代錯誤的な表現がそのままになってるのが気になる。田川さんほどの人でも、ビジネスの波に揉まれるとこういう言葉遣いになってしまうのか…?
takramのデザイン思考について非常によくまとめられた素晴らしい本だけど、どうしてもそこが引っかかって星5がつけられなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
問い・コンセプト・プロトタイプという抽象度の異なるレベルに対するTakram流アプローチが綴られている。具体的には、Problem Solving(問題↔解決)、Storyweaving(具体↔抽象)、Prototyping(作る↔考える)が挙げられており、何かと何かの間を連続的に変化させて思考・実験する振り子的なアプローチである。これらの取り組み自体がプロトタイプ的であり、今も進化し続けているだろう。いつかアップデート版が出ることを期待したい。
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断片的に見聞きしてたTakramのデザインプロセスを俯瞰して把握できた。
作品とコンセプトを試行錯誤しながら問いの精度を上げてく、一人の作家が無意識的にやっていそうなプロセスを、言葉に体系化することでチームとして活用できる形にしている。 -
思考のフレームとして具体的に実践可能
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エンジニアリングだけでなく、他の専門領域との振り子でも同じ話が出来る。これからはこういう人間が必要とされてくるんだろう。時々読み返したい。
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再読。
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takramによるデザイン・エンジニアリングのお作法についての解説本。プロダクトデザイン(ものづくり)だけでなく、コンセプトデザイン(ものがたり)も重視し、両者を往復するデザインの振り子原理は面白い。顧客のフィードバックを十分に獲得できない(しない)プロトタイプの過ちは身近によくあるかも。課題の再設定を行うことや「問い」と「答え」の往復など、今後に生かしたい知恵がいっぱい。
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具体のプロダクトにしても、サービスやシステムといったソフトに類するものにしても、それらの概念を生み出していくプロセスの中で有益な議論、コミュニケーションを積み重ねていくことは難しい。
抽象的な議論に終始したり、議論が噛み合わないままこう着したりといったことが多くある。
そういった状況を乗り越えるためのいろいろな手法が盛り込まれている本だった。
特に、様々なタイプのプロトタイプとその特長が分かりやすく整理されている点、「答えの質は問いの質に左右される」という指摘などが印象に残った。 -
プレゼンの参考になりました。手元に置いておくか検討中