路上の義経

著者 :
  • 幻戯書房
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本棚登録 : 27
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864880138

作品紹介・あらすじ

被差別芸能者の禁足地(アジール)に重なる流離の足跡を追って、日本演劇史の劇的な光景、鎌倉・南北朝・室町という激動の時代を生きた民衆の共同幻想、そして、死後に誕生したとも言える「実像」を浮き彫りにする。図版31点書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 日本人の『判官贔屓』がどのように醸成され伝播して行ったのかを遊行僧や傀儡と言われる人々から歌舞伎や浄瑠璃と言った芸能まで幅広い視点から探る本でした。
    『平家物語』、『吾妻鏡』と言った古典での取り上げられ方の違いも分かりやすく、読み応えがありました。

  •  日本史のスーパースター、源義経にまつわる伝承の多くは、資料的には明らかではない。平家物語、吾妻鏡など、代表的な資料でも相互に食い違うところは多々あるし、異本や異説を取りあげれば伝承のバリエーションは数限りない。
     篠田監督は判官びいきという key word を手掛かりに大胆にその迷路に分け入り、義経と同じく安住の地を持たずに流浪する遊芸の世界に生きた人々の心根に根差した喜怒哀楽、希望、憧憬等々が義経伝説となって結晶したのだろうと解き明かす。
     もちろん異論はあるだろう。しかしながら、すっきりとした話の筋の展開で飽きさせず、しかも能や歌舞伎、浄瑠璃等のプロットを援用した説得力豊かな語り口は、さすがは偉大な映画監督の作にふさわしい。
     議論百出は篠田監督のかつての映画と同じく、大歓迎であるように拝察した。

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