- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864880374
感想・レビュー・書評
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自分のお気に入りの作家の新刊がエッセイだと知った時がっかりすることがしばしばある。
私はこの人の小説が読みたいのにと。
その点、井上さんは本作が初のエッセイ集だと言う。そういえば読んだことがなかった。
機が熟すのを待って(?)の出版。こういうの好きだな。
意外って言うのも変だけど割と普通の人なんだなぁ。
彼女の描く物語がエキセントリックなものが多いだけに、もっときわどい感性を持っているのかと勝手に想像していた。
夫とは単なるパートーナーで不倫も公認とか言っちゃうのかと思っていた(笑)
しかしながら文章の巧さは小説よりむしろ際立っているように感じた。
ますます好ましい。
作家である父への思い、夫との生活、料理へのこだわり、時折出てくる好きな音楽、そしてあの肉の会。
井上さんさんの一ファンとして余すことなく楽しめた一冊。
次のエッセイもぜひゆっくりとまとめていただきたい。わがままな要望ですが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初読みの作家さん、どなたかの書評で読みたくなりました(^^) 名前さえ間違って覚えていて、さらに本名とは。さらには福岡に所縁あるとは!
井上光晴氏の娘で荒野(アレノ)さん、妹さんは切羽(キリハ)さんとは。二十数年間に書いたエッセイからグルーピングされた73編が順不同で並んでいて、とりわけ父上に纏わるモノが印象的ですし、ご主人や母上や妹さんたち家族に関するモノがいい。たまさか出てくる九州弁に親近感を抱きながら楽しく読みました。これは小説も読まなくちゃ と思った次第です♪ -
「荒野」って本名だったのか!
…という衝撃が一番強かったエッセイ集。
今まで井上荒野さんの作品は短編を1つ読んだことしかなかったのですが、料理が美味しそうだったという印象が残っています。
美味しそうな文章を読みたい欲とタイトルの吸引力に惹かれて読んでみました。
期待に違わない美味な描写がたくさんありました。
鰤かぶら、アイリッシュ・シチュー、筍の"とん先"…ううん、お腹が鳴ってしまう!
また、同じく小説家だったお父様をはじめとした家族のことを取り上げたエッセイもすてきでした。
家族の情景に高確率で美味しいものが登場する、ということがうらやましかったです。
24年間のあいだにいろいろなところに発表されたエッセイを集めた本なので、20代後半から50代になるまでの1人の女性の歩みをたどることができるのも、個人的には魅力的でした(時系列はばらばらですが)。
将来的に結婚して夫と暮らし始めたときに、本書の内容をいろいろ思い出すんだろうな、という予感。 -
著者の小説は全て読んでいるけれど、普段雑誌の類を読まないこともあってエッセイはほとんど初めてかもしれない。(なるほど初のエッセイ集とのこと。)人の名前に興味があり、著者の"荒野"という名が好きで、父親である井上光晴氏の命名であることも、さらに妹がいることも知っていたから、ずっと妹さんの名前が知りたくてたまらなかったのが本作で氷解。また『ひどい感じ 父・井上光晴』を読んだ時に比べ、実際の生活は意外にも(?)それぞれが労りに満ちていたのかもしれないなぁという印象を受けた。育ってきた家族のことの他にも、御主人とのことがたくさん書かれていたり、想像以上にしっくりきて読み返したい一冊となった。
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エッセイってほのぼのしたりしみじみしたりくすくすしたりするものだ。その中で荒野さんのは読み進めていくうちに素足で砂漠の砂嵐の中に踏ん張って立っていて、頬を砂粒が叩いていく感覚を一粒も逃さずに感じているような心持ちになる。特に「庭」というエッセイを読んだ後では。
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井上光晴氏の長女として産まれた二世作家エッセイから、書けなくなったころが入り、父を亡くし、しっかりと物書きとしてひとり立ちしていく、28歳のデビューから24年間のあらゆるエッセイを集めた一冊。
お父様への愛や尊敬、そしてお父様からの愛が溢れてて最初の頃ちょっとうるってなった。
直木賞受賞されたときに切羽というのは妹の名前と聞いて素敵だなぁと思ったけれど、いまこうして改めて読んでもやはり素敵だなぁって。荒野さんの書くものが好きな人には満足できるエッセイ集です。 -
淡々としていて読みやすい
言い募るとドーナツ雑感がよかった
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