トリビュート百人一首

制作 : 幻戯書房 
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864880657

作品紹介・あらすじ

平安と今をつなぐ和歌×短歌。

感想・レビュー・書評

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  • にっぽんのそこがびしょびしょ雑巾をしぼりわすれたわたしのせいか
     望月裕二郎

     この口語歌の本歌は、何と「百人一首」の、「陸奥【みちのく】のしのぶもぢずり誰【たれ】ゆゑに乱れそめにしわれならなくに」(河原左大臣)。

     現代短歌の最前線ランナー26人が、著名な「百人一首」を各人の持ち味で歌い直したアンソロジー「トリビュート百人一首」は、過不足なくおもしろい。

     「トリビュート」とは、敬意を込めてささげる物という意味だが、望月の歌には、むしろ批評精神が込められている。

     本歌を短く意訳すると、東北の織物の模様が乱れているように、あなたのせいで心が乱れはじめた私、となるが、そのように今、東北のある地方が「びしょびしょ」に涙でぬれているのは〈あなたのせい〉でしょう、と暗に問うているのである。

     古典を素材にしても、現代短歌は「現代」短歌であるのだ、と主張しているようで、現代日本を生きる覚悟すら感じられる。

     もちろん、「現代」性をユーモラスに活用した歌も少なくない。たとえば、「名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られで来るよしもがな」(三条右大臣)は、舞台が「回転寿司屋」に置き換えられている。

      逢ひたさを込めて最後の一皿に〈たらば〉を頼む回転寿司屋   
      田村 元
     
    〈たらば〉は、タラバガニと、仮定形の「もし~ならば」とを掛けたもの。その技巧に、平安人もにやりとするのではないか。
     
    過去を知らずして現代を生きることは、責任逃れな生き方でもある。そんなことも思わせる、刺激的な企画本と思う。

    (2015年4月26日掲載)

  • 百人一首を現代に読み替えた百首。
    もう少しひねって!

  • 百人一首を現代の歌人が新しい解釈をして現代の言葉で詠まれた歌が載せられてある。斬新な試みである。

    権中納言敦忠の「逢みてののちの心にくらぶれば昔はものを思わざりけり」歌は

    大きいと思って見てた夏の雲
    君の大きり」の現代解釈の歌。

    と解釈されて歌われている。どこか違うようにも思うが、これはこれでいい歌だ。

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