低反発枕草子

著者 :
  • 幻戯書房
4.10
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本棚登録 : 45
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864881111

感想・レビュー・書評

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  •  詩人で、小説なども書く著者によるエッセイ集。

     すでに還暦を超えているわりに、著者の文章はすこぶる若々しい。30代だと言われても信じられる感じ。
     詩人ならではの鋭敏・繊細な言語感覚が随所で光る、楽しいユーモア・エッセイである。タイトルからして面白い。

     歌人の穂村弘や翻訳家の岸本佐知子など、著者よりやや若いユーモア・エッセイの書き手と比べると、「妄想力」がいま一つというか、ぶっ飛んだ感覚はあまりない。
     が、どうということのない四季折々の日常を、読者が愉しめるエッセイに仕立て上げるテクニックは、端倪すべからざるものだ。

     それこそ、日本の随筆の原点たる『枕草子』を、21世紀に移植したような趣。爆笑ではなく微苦笑を誘う上品で淡いユーモアが、全編に横溢している。

     どことなく『枕草子』っぽい一節を、例として引いておく。

    〝夏の間は見るのも嫌だった毛布が、恋しくてたまらない季節になった。この世に毛布があってよかった。毛布なしでは生きていけない。毎晩ベッドに入るたびにそう思う。夏の間親しかったタオルケットのことは、とうに忘却のかなたである。今にして思えばあいつは軽くて薄っぺらなヤツだった。温もりを知らないヤツだった。
     毛布は違う。温もりだけから出来ている。どこをいつ触っても温かい。機嫌が悪くてきょうは冷たいなんてことはない。〟

  • 914.6

  • わたしも人類に低反発する心を忘れないでいよう。

  • 狙った感じでなく、きちんとオチもつけていてうまいなぁと思わせるエッセイ。

  • 題名にどきゅーん
    四季のエッセイだから、なるほど
    細やかな目線と軽やかな文は、なるほど
    著者の観察眼と妄想(?)にクスリ
    平田俊子さん、また読んでみたいです

    ≪ ご挨拶 清少納言の お宅へと ≫

  • 2017年25冊目。

    毎週日曜日、静岡新聞に連載されたエッセイ(2014年4月6日~2015年12月20日)を再構成。

    青山学院女子短大、立教大で教鞭をとる著者。
    細やかな視点に思わずニヤニヤ。
    レトルトカレーの注意書き、ある夜のGとの格闘、高村光太郎をたどる花巻の旅、電車のつり革に届かない子供、行きつけの飲み屋の女主人への贈り物(手拭い)選びなど、ユーモアが散りばめられています。

    話はすっ飛びますが、平田さんの「ピアノ・サンド」が好きで、この作品のおかげで私はスッペの「軽騎兵」序曲を知りました。
    CDを買ったら、これがカープの初回の攻撃開始のファンファーレでした。

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