右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。

著者 :
  • 幻戯書房
4.00
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 20
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864881364

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「一九五八年生まれの僕は新人類じゃなかった。昭和三十年生まれから昭和三十四年生まれの世代は、シラケ世代と言われていた世代です。この世代は、ある意味では最後の旧人類だったとも言える。」最後の旧人類が今、書き残しておきたい論壇を巡る備忘録。と、言っても菊池寛、滝田樗陰などなど明治まで遡るので著者が見つめてきた、逝し世の論客、編集者の面影です。橋川文三(全く知らなかった…)についての「後ろを見つめたまま前に進む」というフレーズは、本書にもぴったりです。著者と同世代の自分にも五十年前に「明治百年」という言葉があった記憶がありますが今年は「維新百五十年」、なぜ「明治百五十年」と言わないのだろう?と疑問に思っていましたが、平成が終わろうとし、明治生まれもほとんど居なくなったこの時代は明治という時代のリアリティが無くなったからだ、と説明してくれた人がいましたが、本当に本書の登場人物も幻のような人々で、こうやって残しておかないと消えてしまう人々なのかも、しれません。それに抗うように作られた本であり、その著者の思いは「右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。」という書名に現れています。明治と終戦を歴史にキチンと位置付けれないまま、新しい元号に変わり、今度は「昭和は遠くなりにけり」が始まります。

  • 東2法経図・開架 914.6A/Ts21m//K

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

評論家、エッセイスト。1958年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。「東京人」編集部を経て、コラム、書評、評論など執筆活動を始める。評論、随筆、対談、日記エッセイ、解説等多彩に活躍。『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代―』で第17回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『ストリートワイズ』『靖国』『文学を探せ』『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』『総理大臣になりたい』など多数。近著に『昭和にサヨウナラ』『文庫本を狙え!』『文庫本宝船』など。

「2017年 『壁の中【新装愛蔵版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坪内祐三の作品

ツイートする