雲助、悪名一代 芸人流、成り下がりの粋 (落語ファン倶楽部新書008)

著者 :
  • 白夜書房
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864940030

作品紹介・あらすじ

水が低きへ流れるように、自然と芸人に「成り下がった」。昭和の名人・古今亭志ん生の長男・金原亭馬生に入門して四十五年。「落語家が最も尊敬する落語家」の呼び声高く、老若男女、あらゆる人物を繊細に演じ分ける狂気にも似た感性と圧倒的なテクニックは当代随一。若き日には、野坂昭如や色川武大など「本物」の贅沢と遊びを知る粋な大人たちに愛された、五街道雲助。雲のように、風の吹くまま気の向くまま、自由に姿を変えながら悠然と大空をただよう孤高の芸人が、「悪名」と生きた半生を綴る「成り下がり」一代記。

感想・レビュー・書評

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  • 雲助師匠は、ぼくの中でちょっと〝ふしぎ〟な存在だ。他の噺家があまりやらない根多を持っていたり、他人から稽古をつけてもらわないという逸話もどこかで耳にした記憶がある。そういえば、二ツ目時代にはイラストレーター和田誠氏による新作落語も口演していたはず。〝一匹狼〟とでも言うのだろうか。さてさて、いったいどんな人物なのだろう? そんな単純な興味を胸に読み始めた。

    結果、ますますその〝ふしぎさ〟に輪が掛かったように思える。生まれ育った本所での暮らしぶり。情熱を傾ける対象をみつけると一気に燃え上がる青年時代のエピソード。十代目馬生の一門に身を置くことになったいきさつ。大師匠・志ん生の思い出や志ん朝一門に対する思い。古い速記本から根多を広げてゆくようになった背景には、師匠を失った孤独と同時に反骨精神も感じられる。また、入り浸っていたという浅草のハチャメチャな居酒屋の思い出や野坂昭如ら酒場で出会った人々との交友録からは、雲助師の意外な素顔も垣間見ることができ興味深い。

    文中、みずからの生き様を称してたびたび言われる「成り下がり」という言葉については、その名前にふさわしく「雲」の如くひとところにとどまらず、自由に芸人としての一生をまっとうしたいという、雲助師による反ストイシズム宣言(?)と受け取った。

  • 少し前の時代の話が興味深かった。こちらも一気読み。

  • 雲助師匠のこれまでの半生記。時間を忘れて読みふけり、あっという間に読了。二つ目時代にアングラ劇に出演されていたこととか、ゴールデン街の常連だったこととか、私の中で作り上げていた雲助師匠のイメージとは違う、知らなかった一面がたくさん垣間見えてすごく面白かった。

  • 勝手に想像していた人柄が、あんまり間違ってないようで安心した。サイン本とかはじめてかも。

  • 本来新書ではなく単行本としてよい内容だが、著者本人が新書なら出すと言ったというのが派手さを嫌う江戸っ子らしさをよく表していると思う。
    雲助師匠のふわふわした面白さの裏には一体どんなストーリーがあるのかと思い読んでみたが、期待に違わず面白かった。雲助好きにはたまらない本。
    弟子の白酒についてのあるエピソードについて、同時期に発売された白酒著では逆の視点から書かれているのが面白い。併読をおすすめ。

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