やっぱり、このゴミは収集できません ~ゴミ清掃員がやばい現場で考えたこと

著者 :
  • 白夜書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864942829

感想・レビュー・書評

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  • 前作より更に良かった。
    前作はインパクトのある面白エピソードの紹介だったが、今作は途中から様子が変わる。滝沢さんの思いや主張が示唆に富む。
    彼は世相とゴミとの関係や、お金持ちゴミの分析などから「ゴミ社会学」という視点を持つ。

    ゴミプロファイルから、「超」お金持ちは修行僧や哲学者のように淡々と正しい習慣を持つことに気付き、「出すゴミの量が圧倒的に少ない」という事実に至る。
    そして自分のゴミを「お金持ちのゴミ」に近づけることがリッチへの一歩になると結論し、ゴミへの考察と取り組みはさらに進む。

  • 本当にごめんなさい。
    緊急事態宣言の時、家を片付け、その時は、というか今の今まで清掃員さんの苦労など考えもしませんでした。洋服はじめ沢山のものを割と纏めて出しました。いやぁ、緊急事態宣言のおかげでいつかしようと思っていた断捨離ができたわー、となんなら晴れ晴れとした気持ちでいたのです。


    …前作「このゴミは収集できません」未読ですが、全く問題なく読めました。
    とにかく筆力が圧倒的で面白く一気に読めます。

    清掃員さん、一般の人、様々なエピソードに読み応えがあり面白かった。
    お金持ちになるほどゴミが少ない、という話も興味深く、信じられないゴミの話には目がとび出そうでした。
    後半になるにつれて非常に深刻な話になっていくのですが、文章にユーモアが溢れているので身につまされながらもなんとか読み終えることが出来ました。

    まあショックな事だらけなのですが、なんといっても1番は日本の、まだ食べられるのに捨てられているゴミが世界の食べ物に困ってるい人のためにかき集められた食べ物の量の1.6倍ということでした。


    初めにも書きましたが、知らなかったとはいえ、正しくないゴミの出し方をしていました。
    もっと言えば、ゴミそのものを減らす、即ち本当に必要なものだけを買い、それを命尽きるまで大切に使う、そういうスタンスにシフトしなければいけないと思いました。

    賞味期限の切れたもの…捨てていました。

    それは、地球とか環境とか最終ゴミ処分場がもうあと数十年でいっぱいとか清掃員さんのご苦労とか、そういうことへの想像力はもちろんだけど、そんな意識をすることで自分自身の生き方とか、スタイルとか、ひょっとしたら貯金とかそういうことが今と全く別のものになるんじゃないかって本気でそう思えました。

    そして何より、著者が幾度となく語っているように、1番届いて欲しい1番この本を読まなさそうな人達に何かしらのムーブメントでこのことが伝わって欲しいしきっと伝わると信じたい、ってちょっと熱くなっちゃうくらいいい本でした。

  • ゴミから見えるこの素晴らしき世界。

    ゴミ清掃員のことを考えたことがなかったということに気付いた。見たことがないわけではない。でも考えたことはなかった。

    臭いものに蓋ではないが、普段、目をそらしているものがある。でもそこにきっと人の本質が現れる。ゴミの出し方を考えること。自分の代わりにゴミを片付けてくれる人がいると思うこと。自分が出したゴミがどこにいくか考えること。これからの地球のことを思うこと。

    この本を読まない人に、自分の考えをどう伝えるか、という著者の言葉にハッとした。この本を手に取った自分は、変わらざるを得ない。もうこの本を読む前の自分とは違った自分になっている。どうしたら伝わるか、はどの分野の人にも共通する悩み。読んだ自分は、伝える側になりたい。どうかこの本を一人でも多くの人が手に取って、ゴミのことを考えてくれるように。

  • すごく良かった。最初のマンガ作品と合わせて読んだ。
    著者の視野の広がり、表現力、人間的成長が感じられて、よかった。ゴミ清掃員の方々に感謝しなければ。

  • マシンガンズ滝沢さんのゴミ清掃員エッセイ第2段が出ていた。
    前作ではゴミの出し方で気をつける点を教えてもらったけど、今回はそこから更に踏み込んで、ゴミをどう減らすか? やフードロス問題についての問いかけが内容としては多かったように思う。なのでどちらも未読の人は、ちゃんと前作→今作と順番に読んだ方がいいなと思う。その方がとっつきやすい。

    このエッセイとは少し話がそれるけれど、先日ゴミ清掃員の方が、ご近所さんがここ最近ゴミを出していないが大丈夫か、と我が家に聞いてきてくれたことがあった。ただ収集するだけでなく、地域の異変も気にかけてくれているのか! と私はとても驚いたし感動もした。こんなことは初めてだったので尚更。
    滝沢さんの前作を読んでビーズクッションは危険と知り、それ以来ゴミで出す時は「ビーズクッションです」と紙に書いて貼ったり他でも何かしらメッセージを出していたけど、今回の清掃員さんとのやりとりで、「この先にちゃんと人がいる。メッセージを受け取ってくれている人がいる」と当たり前のことを今更ながら感じることができた。対面ではないけど、その先に人がいるということを忘れずに心掛けていこうと思わせてくれた出来事。

    でも毎回清掃員さんとコミュニケーションを取ってゴミはどう出したらベストかなんて直接聞けないし、だからこうして現場の声を届けてくれる滝沢さんには感謝したい。
    (もちろん自治体によって決まりはそれぞれなので、問い合わせが必要なものは当然すべきだけど)

  • 副業お笑い芸人としても知られるゴミ清掃員の新著。面白すぎる!正直今まで考えたことの無かった視点を与えてくれる、まさにゴミ社会学と呼ぶべき内容。特に第4〜7章はかなり真面目なのだが文体もあって面白く読める。おい滝沢!良い本書いてるじゃねぇか。しかしながら大オチは先日著者が環境省からサステナビリティ広報大使に任命されたというニュースである。素晴らしい。

  • この方の著書は3冊目。やっぱり面白くてためになる。ゴミのこと、地球のこと、いろいろ考えさせられる。

    ゴミを出さない人などいいないのだから、すべての人に読んでもらいたい本。自分もそうだが、ゴミをゴミとして出した瞬間から、そのゴミのことは頭から消えてしまう。

    でもそのゴミを収集してくれる人が必ずいるのだから、分別や危険物を混ぜないなど感謝の気持ちを持ちたい。

    そしてゴミの最終処分場はあと20年で満杯になってしまう事実。どうなるの日本?!このまま捨て続けていいのか?

    生ゴミの半分は家庭ゴミで、そのまた半分はまだ食べられるものなのだそう。新米の時期に古米が捨てられたり。信じられない。

    私たち消費者が形の揃ったものを好むから、規格外は捨てられる。

    リデュース(ごみを減らす)、リユース、リサイクル。リサイクルが一番費用がかかるけど、やらないよりはマシ。

    ゴミのことに更に関心を持ちたいと思った。最終的にそれは自分に還元されることなのだから。

  • 学校の教科書か夏休みの課題図書にして、子供の時から多くの人が読んだ方がいいと思う!!!

    ほんとごみ収集者の皆様毎日お疲れ様です。

    マシンガンズ滝沢秀一、さすが芸人といったところか。文章が面白い!
    ゴミについて興味関心がない人にも、読み勧めてもらうために面白おかしく書いているのだろう。

    笑わせつつも、本当に日本はこのままでいいのか?いやだめでしょ、と思う日本のゴミ収集現場の現状が書かれていた。

    日本に住む全員の必読書です。
    ぜひ皆さん読んでください!!

    なるほど!と思ったこと。
    挨拶最強説。

    理不尽極まりないクレームがくることが日常茶飯事だが、クレームを未然に防ぐ方法として、挨拶やちょっとした会話を心掛けているらしい。なるほど!!!と思った。ごみ収集者の方に会ったとき、すごい礼儀正しくてびっくりしたことがある。
    それにはこういう訳があったのか。

    滝沢が、理不尽極まりないクレームをしている人を地獄でベロを抜かれ焼かれるだろうと予想していた。悪いけど私もどうかそうなって欲しいと思う。



    人にも伝えたいことが沢山書かれていたけど、自分の生活も変えないと!

    ときめき続けられない物・捨てる物を買わない、手にしない。



    ■メモ:
    ・ゴミは今現在や少し前の流行を反映する。

    ・ゴミは生活の縮図。
    ・ゴミだけは裏切らない。
    ・ゴミにはストーリーがある。

    ・古紙には人々がどういう幸せを求めているかがうかがえる。

    ・金持ちの人は自己投資に、そうじゃない地域の人たちは他人にお金を使っている。一般庶民は小さな消費が大きな消費に繋がっている。

    ・金持ちはゴミが少ない。

    ・米兵は階級でゴミが変わる。

    ・違反ゴミを出す会社は六年以内になくなる。

    ・ゴミはその人、団体の顔。

  • 「分別しない会社は6年以内につぶれる」「超お金持ちほど、ゴミが極端に少ない」に惹かれて読んだ。
    なるほど〜。
    物を大切にして、他者の存在を常に想像することが大切。
    もう少し丁寧に日々を過ごしたい。

    3R
    リユース
    リデュース
    リサイクル
    +
    リスペクト

  • 金持ちほど出すゴミが少ない。なんかわかる気がする。

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著者プロフィール

1976年、東京都生まれ。1998年、西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年から芸人を続けながらゴミ収集会社に就職。『このゴミは収集できません』(白夜書房)、『ゴミ清掃員の日常』(講談社)などゴミ収集の体験記を数多く出版。「THE MANZAI」2012,14年認定漫才師。2020年、環境省「サステナビリティ広報大使」に就任。ゴミを減らす活動や、SDGsに関するさまざまなアクションを共有・実践できるオンラインコミュニティ「滝沢ごみクラブ」を開設。

「2023年 『地球と人にちょこっとやさしくなれる365日 アクション!今日も、身近なSDGs!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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