かないくん (ほぼにちの絵本)

著者 :
  • ほぼ日
4.08
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本棚登録 : 1941
感想 : 204
  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865011074

感想・レビュー・書評

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  • 「ほぼにち」で出した大人向けの絵本。
    生と死に付いて考えるためにはちょうど良い素材だが、残念ながら読み聞かせには重すぎて不向き。かといってブックトークにも使えそうも無い。
    ただ、あまり好きでもなかった松本大洋は、この作品でかなり見直すことになった。
    何かしら良い点はあるものだ。

    話は大きく3つに分かれ、最初は「かないくん」が亡くなるという部分。
    赤いマフラーをした「かないくん」が鉄棒でくるっと逆上がりをして、次の場面に進む。この部分は文字ナシ。
    2つ目は、その「かないくん」の話を絵本で作製途中のおじいちゃんが出てくる。
    孫娘とおじいちゃんの会話が素敵だ。
    3つ目に入るとき、再び文字ナシのページが見開きでふたつ現れる。
    そして、孫娘がおじいちゃんの訃報を聞くことになる。

    松本大洋の絵が少ない文字を補ってなお余りある。
    白の余白を効かせ、その沈黙がまるで多くの感情を物語るようだ。
    桜の樹のひこばえや、おそらくは学校で飼育しているのだろうたくさんのウサギたちを、効果的に場面に登場させている。そうか、この絵に2年も費やしたんだものね。
    紙質も特殊で、地色の入っているところや地模様のある部分を、話の中でよく生かしている。

    おじいちゃんの訃報を聞いたとき「はじまった」と思った孫娘の気持ちは、身内を亡くした経験のある方ならなんなく理解することだろう。
    亡くなった人の命は、生きている自分の中に確実に生き続ける。
    亡くなった人の目でものを見て、亡くなった人の考え方で考え始める。
    そうして、いくつもの生を抱えて、死の時まで懸命に生きようと努めるのだ。
    早逝であれ長寿であれ、生は死の始まりで、死もまた生の始まり。
    連綿と続く命の流れを、静かに淡々と語る絵本。

    • nejidonさん
      アセロラさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      お返事がすっかり遅くなってしまってごめんなさいね。

      小泉さん、そんなお...
      アセロラさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      お返事がすっかり遅くなってしまってごめんなさいね。

      小泉さん、そんなお洒落なことをなさっていたのですか?!
      ああ~、私もその番組を見れば良かったわ。
      プレゼントした本のうちの一冊ということは、メンバーそれぞれに一冊ずつ贈られたのかしら。
      小泉さんは結構な読書家でもあるので、どんなチョイスをされたのでしょうね。興味津々です。

      訃報を聞いて「はじまった」と思えるには、時間がかかりますよ。
      絵本の中の少女は、ある意味「才能」があったのかもしれません(笑)

      読み聞かせに使えるかどうかの視点で星三つなのですが、大人の絵本という目で見れば見応えはじゅうぶんです。
      アセロラさんも機会がありましたらぜひどうぞ。
      後ほどそちらにもお邪魔しますね!
      2014/10/29
    • アセロラさん
      こんにちは。
      お返事が遅くなりましたが、キョンキョンがメンバーそれぞれに贈った本はというと…、

      木村拓哉→『潔く柔く』(いくえみ綾の...
      こんにちは。
      お返事が遅くなりましたが、キョンキョンがメンバーそれぞれに贈った本はというと…、

      木村拓哉→『潔く柔く』(いくえみ綾の漫画)
      中居正広→『100万回生きたねこ』
      草なぎ剛→『のと』(写真家・梅佳代さんの写真集)
      稲垣吾郎→『えへん、龍之介。』(芥川龍之介を描いた漫画)

      幅広いジャンルだったので、いちSMAPファンとしても、本好きとしても嬉しかったです♪

      『かないくん』の「はじまった」…確かに、才能なのかもしれませんね。
      2014/11/04
    • nejidonさん
      アセロラさん、再訪してくださってありがとうございます♪
      そしてコイズミさんの選書の、なんと素敵なことでしょう!
      稲垣君が読書家なのは有名...
      アセロラさん、再訪してくださってありがとうございます♪
      そしてコイズミさんの選書の、なんと素敵なことでしょう!
      稲垣君が読書家なのは有名ですが、他のメンバーはどうなんでしょうね。
      木村さんや中居さんは、なかなか本を読んでいる姿が思い浮かびません(笑)
      いや、観察する機会もないので勝手な想像ですが。
      「いくえみ稜」さんて、血管が細すぎて点滴の注射針もなかなか刺さらないような、そんな女の子を描くひとですよね。
      別マを読んでいた頃、大好きだった方です。ああ、懐かしい。。
      お名前を見ただけでまた漫画を読みたくなってしまいます(笑)
      2014/11/05
  • 死ぬ事について考えている絵本。
    発売当初から評判が良かったので、いつか読もうと思っていた本。

    以前、テレビ(佐和子の朝だったかな)で谷川俊太郎さんが「死んだことだけはないからわからない」というようなことをおっしゃっていて、それから著者の考え方がのようなものに興味を覚えて時々、著書を読ませていただいております。

    今の私には、親しい人、みじかなひとが人が亡くなった経験が少ないので、
    死ぬということは、当たり前にある事、人がいなくなるという事実があること。その事実を悲しいと思う人がいるということ。
    ぐらいしかわかりません。
    いつか親が亡くなった時とかに、何かが始まるのかなと思いました。きっと何度も読み返すことで得るものがある本なので、絵本として良い本なのではないかなと思いました。

    松本大洋氏がが描いた絵もしっとり落ち着いていて良かったです。

    • だいさん
      いつか親が亡くなった時

      こころがうごくよ
      いつか親が亡くなった時

      こころがうごくよ
      2019/09/16
    • AYUMUさん
      だいさん コメントありがとうございます。

      いただいたコメントを読んで「人生の曲がり角」という言葉が頭に浮かびました。

      今まではあまり好き...
      だいさん コメントありがとうございます。

      いただいたコメントを読んで「人生の曲がり角」という言葉が頭に浮かびました。

      今まではあまり好きな言葉ではなかったけれど、先の見えない道の先に、今まで考えもしなかった道があるとしたら、、、
      先が見えない事も少しは不安に感じなくなるかもしれない。
      そんなことを考えていました。

      いつも私のコメントを読んでいただいて、ありがとうございます。
      2019/10/06
  • きょうせんせいが いつもとちがうこえでいった。
    「かないくんが亡くなりました」
    いきてれば みんなといっしょだけど しんだらひとりぼっち

    幼いころのクラスメートの死。
    これは”私”の祖父が創作途中の絵本のお話し。

    「死を重々しく考えたくない、軽々しくも考えたくない」
    「この絵本をどのように終わればいいのか分からない」

    人は死んだらどうなるの、命がなくなるってどういうことなの。分からない故に死を恐れもするし、生に固執することもある。死んで向こう側にある人は何も感じないし何も伝えられない。自分では決して経験できない死を考え、案じるのはこちら側の人だけ。

    絵本を書き終えぬままホスピスに入る祖父。
    「金井君の絵本、まだ書き終えていないのに」という”私”の言葉に、「死んだら終わりまで描ける」と囁く祖父。

    とても根源的な命題に、絵本を読んだ子供たちはどのように感じるのだろうか。
    向こうの世界で金井君と絵本のラストを描いている?

  •  私にとって初めての身内の死は小学4年のころの父方の祖父でしたが、正直、あまり記憶にありません。ただ、父親が目を真っ赤にしていたのが強く印象に残っています。なんてことを思い出したのは、こちらを手に取ったから。

     “Gunosy”で知った一冊となります。糸井重里さん・プロデュース、谷川俊太郎さん・文、松本大洋さん・絵と、なんとも豪華なコラボで、ある日突然に“友達がいなくなる”、そんな始まりの物語です。

     “終わったのではなく、始まったんだと思った。”

     日本人にとっての「死生観」に一つの答えを与えてくれているのかなと、感じました。

     「死」とはなんなのだろうと、そして「死」と向き合うとはどういうことなのかと、久々に意識することになりました。世代を飛び越えて“伝えていく想い”、そんな見方もあるのかなと、なんとなく。

     淡々とした言葉の積み重ねと、淡い色合いの絵のマッチングが何とも印象的で、そしてなにより、雪と桜の対比は、日本人の心奥にスルっと入ってくるのではないでしょうか。息子が手にとるかどうかはわかりませんが、しばらくリビングにおいておこうと思います。

     谷川さんがやさしく紡ぎだしている言葉と、松本さんの静謐な絵が、なんとも静かに染み入ってくるな、そんな風に感じた絵本です。

  • 谷川俊太郎さんの文章に、Sunnyの松本大洋さんの絵。
    淡々と、「しんゆうじゃない、ふつうのともだち」のかないくんについて語られ、途中でさらっと新たなシークエンスになるんだけど、それまでも、それからも、とても静かなのにページを捲る度にドキッとした。
    差し色の赤が効いている。
    本の、絵なのに、何故かアニメーションのようなリアリティをもって、それでいてどこか幻想的に、松本大洋さんの絵が心に迫る。
    とても不思議な感覚。
    ほぼ日。

  • 俊カフェなら、副読本がついていて、糸井重里さんや谷川俊太郎さん、松本大洋さんのコメントも読める。いろんな想いがあったことに、心が揺れる。

    大好きだった人の大好きな絵本。別れって、こんなに寂しいと思わなかった。死について、こんなにも想ったことはなく、放すことで、自由にもなったのだろうか。ふと「死んだ男の残したものは」に目が留まる。

    死んだ歴史の残したものは
    輝く今日とまた来る明日
    他には何も残っていない
    他には何も残っていない

    ぼくの心のなかをぐんぐん泳ぎ回る。すごい、とんでもない絵本。ありがとう。

  • 死をテーマにした絵本。

    「死んだらいい」とか「死ね」とか安易に口に出す人がいるけれど、私は本当に死んでほしい人以外には使いたくない。

    「自分なんて死んだ方が・・・」みたいなことを言う人も甘えんな、と感じる。

    誰でもいつかは死ぬし、それは予想より早かったり遅かったりするけど、ただ生きている今を大事にするしかない。

  • 谷川俊太郎さんが文を書き、
    できあがった話をもとに、
    松本大洋さんが2年の歳月をかけて描いた、
    『死』をテーマにした絵本です。
    本のデザインは祖父江慎さんが担当しました。
    印刷は、白ダブルトーン2版を使用する
    6色刷りを採用しています。
    すべての漢字にひらがなのルビがふってあります。

    死ぬとどうなるの。

    生きているだれもが、
    やがて死にます。
    それは、どういうこと
    なんだろう。

    「ほぼ日刊イトイ新聞」より

    すごくシンプルに
    死ぬということを考える本
    味のある絵が
    心を穏やかにして
    冷静に考えてみようと
    させてくれる

  • あんまり仲良しでもなかった。
    涙が流れるほどでもない。

    ただ、いつも近くにはいた‥。


    今までと世界がなんか違う。

    いないんやって、ふっと思う。


    いるなあ、そういうひと。
    わたしも誰かのそういうひとになるんだろう。



    死がただ哀しみだけではなくて、
    はじまり を感じる存在。
    これもすごいなあって。

    誰かの死は誰かの節目であって、
    はじまりを感じてくれるなんて、嬉しい。

    孫がそう感じてくれたなら、
    じいちゃん冥利につきる気がして、
    感謝すら感じる。


  • 【読了】かないくん
    悲しいけれど、ご飯は食べられる。
    悲しいけれど、笑える。
    悲しいけれど、忘れてしまう。

    悲しいけれど、私は生きている。

    そんな事を感じた。

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著者プロフィール

谷川俊太郎 1931年、東京都生まれ。高校卒業後、詩人としてデビュー。『谷川俊太郎詩集』『定義』(ともに思潮社)、『散文』(晶文社)など著書多数。子どもの本の仕事も『あな』『いろ いきてる!』『わたし』『ことばあそびうた』『みみをすます』『おーい ぽぽんた』(以上、福音館書店)など多数ある。

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