古賀史健がまとめた糸井重里のこと。 (ほぼ日文庫)

制作 : キューライス 
  • ほぼ日
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865013122

感想・レビュー・書評

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  • 糸井重里が「自伝」とか「半生記」なんてものは
    書くとは思わなかった。
    僕の知る、糸井重里という人はこれまで独自の嗅覚で
    自身が熱中できるものを見つけ、ブームを巻き起こす
    ❛現役❜の人。それだけに自身を振り返り、我が半生を
    語る、そのことに驚き、積読本を脇に追いやり、
    ネットで購入し、即本を開いた。

    さて本書。映画1本を観るぐらいの時間で
    読めてしまう薄い文庫本ながら内容は中々濃い。
    重里という名の由来、
    学生運動の蹉跌と中退、
    突然あらわれていきなり凄腕コピーライターの誕生、
    あの名作「おいしい生活」秘話、
    矢沢永吉「成り上がり」の執筆経緯、
    ジュリーのTOKIOの作詞で一躍時代の寵児の頃、
    ゲーム「MOTHER」の開発、
    インターネットとの出会い、
    ほぼ日の開設、
    ほぼ日手帳の大ヒット、
    3.11ショック、
    ジャスダック市場に上場…までを
    丁寧に真摯に語る。

    その半生を実に上手くまとめ上げたのが、
    ライターの古賀史健氏。
    何と言っても感心したのはその「文体」「語彙」
    「表記」。いずれをとっても、糸井重里がほぼ日に、
    1日も休まず書いているブログの文体と見まごう文体、
    用いる言葉、漢字を使わず平仮名で表記する、
    糸井重里自らが筆を執ったと思うぐらい文章の癖も
    取り入れ、読者にストレスを与えないゆき届いた
    配慮には恐れ入る。

    読みながら頭に浮かんだのは糸井重里の
    「人たらしの才」。
    例えば、美味しそうに食べる人、
    屈託なく笑う人の周りに自然と人が集うように、
    糸井重里という人は自分では意識してないだろうけど、
    何かに熱中している時の放射熱って
    それこそ尋常じゃないんだろうな。
    それを眺めていた人が、
    「ちょっとそこ、僕にも手伝わせて〜」って言わせて
    しまい、気がつけばお互いを認め合う関係にまで
    昇華している、おそらくそのような関係がこれまでも
    たくさんあったんだろうな。

    その代表的なエピソードとして、セゾングループ総帥
    堤清二を激昂させた新聞広告のキャッチコピー。
    任天堂の元社長 故岩田氏との交流と変わらぬ思慕。
    この話しに共通する「仕事を超えた濃密な関係」。
    この大きな果実を生んだのは、人たらしの才だと思う。
    いまだ語り継がれる伝説の広告キャンペーンの
    プロデューサーは堤清二であり、
    上場にまで成長したほぼ日の基盤システムを
    デスクの下にもぐりこみPCの配線から
    ひとりでやってのけた岩田氏。

    本書には糸井重里がこれまでの人生の折々で
    なにを見て、なにを考え、どう動いてきたのかが
    書かれている。そう、半生記だからすべて過去
    のことが書かれている。ただし、キムタクとの
    バスフィッシング・徳川埋蔵金は除く。

    糸井重里の過去を通史的に読みながら、
    強く感じたのは、過去を振り返るということ。
    ついついネガティブなことに取られがちだけど、
    「人は過去からできている。自分の振りまいた過去が
    今を作り、しでかした過去があるから今がある」。
    そんなごくごく当たり前のことをしみじみと感じ
    させてくれる滋味深い一冊であった。

  • すごくいい本です。「糸井重里」ってすでにブランドだと思います。その、存在自体がブランドの糸井さんは、もちろん華々しい路を歩んできたのだと思っていました。でも、読み始めてすぐに語られる幼少期の思い出、想いなどを読んで私は確信しました。昔から糸井さんの言葉にどうしてこうも胸を射抜かれるのか、魂を揺さぶられるのか。それは「これ」だったんだ!と。人の心に、魂に届く言葉は、技術なんかじゃないんだと腹の底からわかりました。

  • 2019.1月。
    .
    糸井さんのこと。歴史。
    糸井さんは、難しいことも私たちの日常のこととしてわかりやすく提示してくれる人。
    ヒントがたくさんあるから、じっくりじっくりいろんなことを考えたくなる。
    一度だけではもったいない。
    もう少しゆっくり読み返そう。
    .
    .
    #2019年5冊目
    #本 #book #読書 #reading #本の記録 #読書日記 #読書感想文 #書店員

  • コアなファンではないがほぼ日好きな私はとても楽しかった。

    どうしてかなぁ。糸井さんがこれまでにやってきたこといろいろが語られているのだけど、力まずひょうひょうとここまで来ました感。
    糸井さんの魅力かなぁ。実際はそんなことないだろうし、大変なこともたくさんあったろうにそれをかんじさせないいいかんじ。ほぼ日コンテンツとおなじだなぁ。なんだかいいかんじでわくわくするの。

    ほぼ日の前なのかなぁ。
    インパクのことを聞いてみたかったなぁ。
    個々のコンテンツは全くおぼえてないんだけど、インパクを知ってワクワクしたことはおぼえている。

    同じテーマで違う二人の人がそれぞれこんな本をまとめましたバージョンが見てみたいなぁ。

  • ・「大嫌い」が言えるときにはもう、「好き」が混じっている。

    ・多忙は怠惰の隠れ蓑

    ・人は命を軽く扱おうとする時、言葉を重くする。

    ・本生には、贅沢をさせています。

    ・土屋耕一のコピーによって、世の中に新しい価値が一つ増えていく。
     世の中がそれだけ豊かになってゆく。

    ・広告のコピーは、歌詞とは違って「反射光」

    ・商品や広告に「うれしい」が入るときに、人は買う

    ・なにか良いことをしているときには、ちょっと悪いことをしている、と思うくらいがちょうどいい。

    ・クリエイターのタイプ。
    A:野の花タイプ
    B:バラとかすみ草タイプ
    C:お花屋さんタイプ

    ・ピラミッド型の組織を横に倒すと船の形になる。
    ほぼ日は「船員」

    ・「きみのほんとうに大切だと思う3人の人がきみを信じてくれたら、あとは何もいらないよ」

    ・インタビューされる側の心得。いい正直になること。

  • ほぼ日の株主優待でいただく。
    糸井重里さんの自伝的な本だけど、いわゆるやってきたことをまとめた本ではなく、糸井重里さんが今なぜこういう考え方になったか、大切にしていることは何なのかという片鱗がみえる一冊。
    さくっと読めるページ量だけど、濃厚な一冊。

    ことばの大切さをしる幼少期の出来事と、セゾンの広告で堤さんを激昂させた話がささりました。

  • ほぼ日の「やさしく、つよく、おもしろく」という行動指針がすごく好き。
    震災を経験した学びからできたという背景をこの本で知った。
    ただの標語ではなく、生きた行動指針ってすごく素敵だなと思った。

  • 糸井さんの声が聞こえるような本でした。これまで知らなかった糸井重里のことが、考え方が、知ることができました。

  • 「やれることをやる」
    やれることをやる、できないことを思って無力感を感じなくてもいい。励みになった。

    「いいインタビューは、いい正直を出せること」
    ものすごく学びだった。

    「事業やアイデアの近景だけでなく遠景を見ること」

  • ものすごくゆっくりていねいに時間をかけて読んだ。
    糸井さんのパーソナルな部分に今まで触れる機会がなかったせいもあり、糸井さんが急にぐっと近くにきた感覚。

    もっと気の利いた感想が書けたらよかったのだけど
    書けたらとっくにコピーライターになっいるわい笑。

    ひとことで言うと

    やっぱり糸井さんがすき

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著者プロフィール

1948年、群馬生まれ。コピーライター、エッセイスト、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。おもな著作に『糸井重里の萬流コピー塾』『ブイヨンの気持ち。』など。

「2015年 『ずっしり、あんこ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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