感想・レビュー・書評

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  • ここ数年、テレビや新聞で食育の大切さを説くニュースや記事を目にする機会が多い。
    そのたびに、「なんでぇ、子育てってのは両親揃ってするもんだろ。母の手作りが一番だなんてちゃんちゃらおかしい」と鼻息荒くなってしまう私。
    女性だけに料理を強いるなんて時代錯誤もいいところ。
    と、普段の私はなんちゃってフェミニスト。
    実際には我が家の料理番は私以外にいないのだけれど・・・。

    そんな私が、お弁当にまつわるエッセイを集めた本作を読んだ。
    「そうよ、やはり母の味に勝るものはない!!」
    これが私の結論(笑)
    男も女も老いも若きも、みんな思い出すのは母の味。
    本当にそれが美味しかったのか、単なる刷り込みなのかはこの際どちらでも構わない。舌の記憶って、偉大だな~。
    のり弁一つにしたって、人それぞれ家庭の味だ。
    醤油に浸した鰹節が入っていたり、いり卵が入っていたり、二段だったり、一番上には海苔は乗せないってこだわりがあったり。
    まさに母の味。

    まあね、なんちゃってフェミニストの私から言わせたら、エッセイを書いている男性達の中には母の味を語っても実際に作っている人は一人としていなかった。
    逆に女性は自分でお弁当を作りながら母の味を思い出している人が沢山。そしてあの頃の母の苦労を慮る。
    断然こちらに共感、悪いけど。

    まあ仕方ない、ここに描かれる母の弁当は昭和の弁当がほとんど。
    そりゃ、イクメンなんていない時代だし。
    今から20年後、30年後に平成世代の人達で同じ企画のエッセイ集が作られたらどうだろう。
    父の味がもしや半数を占めてるかも!
    なんてことはないかな。やっぱり母の味かな・・・。

    私のひとり言が多くなってしまった。
    内容を少し。
    ふだん読んだこともない人達の文章を読むのが面白いこと。
    それぞれがユニークで、味が合って。
    すでに違う本で読んでいるはずなのに、木内さんのエッセイには何度でも笑わせられる。
    阿川さんの親子連作の様なエッセイも他では見られないし。
    そして私の中のヒット賞は洲之内徹氏の「ほっかほっか弁当」。
    母の手作りでもないあのほっかほっか弁当に胸がいっぱいになった。これが本当のおもてなしだよな。

    それにね、写真がいいんですよ。
    あったかくて。
    お弁当一つに物語がある。
    「サラメシ」が好きな人ならきっとこの本も気にいってくれるのでは。
    お勧めです!

    • 九月猫さん
      vilureefさん、再度お邪魔しますー!

      さっそく図書館に予約しましたヽ(´▽`)ノ
      ・・・待ちが40人超えてました。・゚・(ノ...
      vilureefさん、再度お邪魔しますー!

      さっそく図書館に予約しましたヽ(´▽`)ノ
      ・・・待ちが40人超えてました。・゚・(ノД`)・゚・。

      木内さんのカツ丼のお話って、だるま弁当ですよね?
      あれ、読んだときに画像検索して盛大に吹き出しましたよーーっ!
      あの口からカツ丼の汁が垂れていると思うともうっ(≧∇≦)

      このアンソロジーも早く読みたいなぁ。
      読んだら、お気に入り作品をご報告しますね♪
      2014/01/25
    • vilureefさん
      九月猫さん、こんにちは。

      そうです!だるま弁当です(≧∇≦)
      あり得ないです、あの容器に汁っぽいものって!
      だって貯金箱用の穴もつ...
      九月猫さん、こんにちは。

      そうです!だるま弁当です(≧∇≦)
      あり得ないです、あの容器に汁っぽいものって!
      だって貯金箱用の穴もついてるし、におい拡散しまくりです(^_^;)

      再読の際、また吹き出すこと必須です(^_-)
      2014/01/26
    • 九月猫さん
      vilureefさん、こんばんは。

      やっと、読めました!
      ほっかほっか弁当のおもてなし・・・vilureefさんのおっしゃっていた通...
      vilureefさん、こんばんは。

      やっと、読めました!
      ほっかほっか弁当のおもてなし・・・vilureefさんのおっしゃっていた通り、
      本当のおもてなしですね。じーーーん。
      そして木内さん!やっぱり笑いました~!!
      何度読んでもおもしろいなぁ、だるま弁当(*´з`)

      「おやつ」のほうが先に手元に来たので、自然と遡って読んでる形になったので、
      「カレーライス」も読んでしまおうと思っています(*'ω'*)
      楽しい本のご紹介、ありがとうございました☆
      2014/06/14
  • 表紙だけで、すでに美味しいw 食のエッセイって好き♪ アンソロジーの顔ぶれを見ただけで、垂涎!ww 読み始めるのが、もったいないような、味わい深い1冊です♪ 昔は、エッセイやら日記やらより、小説の方が好きだったんだけどなぁww 沢村貞子さんや宇野千代さんのお弁当、食べてみたいなぁ~(●’ᴗ’●)ノ

  • 古今(東西ではないのがちょっと残念?!)に渡る、素晴らしいセレクト。
    読んでいるうちにお弁当が食べたくなる。もっと正確に言うと、自分ではない誰かがつくってくれたお弁当が食べくなるのだが、そこはしょうがない、どうしても食べたくて、詰めなくてもいいお昼をわざわざ自分で詰めて、食べた。

    すると、どうしてだろう、残り物でもお弁当箱に入れると違う。
    小宇宙になるんだ、不思議不思議。

  • 内容も各作家さんごとに良い。
    次に読みたい本の参考になる。

  • 書いたつもりだったのに未レビューとは!
    おべんとのほうが、おやつやカレーよりも生活の
    内情がじんわりにじむなあと思ったのを覚えています。
    この本読むより気分的にはサラメシ観てるほうが気楽。
    男の方には懐かしく、女にはずしっとくるエッセイ集
    でした。

  • お米って冷たくても美味いよなあ。
    阿川弘之氏の「弁当恋しや」に舞鶴が少し。元本は『食味風々録』。

  • いろんな方のお弁当にまつわるエピソード集。
    まさにつまみ食い。
    美味しいとこどり!
    大 満 足 。

    このアンソロジーはどなたがつくったんだっけな。
    よくもこんなえりすぐりのものばかり集められたものだな…。(えらそう)
    目次もいい。
    ”記憶のなかのお弁当””移動するお弁当””おんなのお弁当””おとこの弁当”……。
    見てるだけでそそられる。
    功績を讃えたい・・・。
    そしてこのシリーズ(シリーズだったのか)第1弾らしい「アンソロジー カレーライス‼」編もぜひ読みたい。

  • たべものの話は普遍的だ。

    特にお弁当の話は、守られていて、無知で、幸福だった時代の象徴であることが多い。
    お弁当は、幸せの気配がする。

  • お弁当にはドラマがある!!

  • 古今のお弁当にまつわるエッセイをまとめたもの。くすっと笑えたり、ちょっと哀しい思い出だったり、いろんなお弁当への思いがつまっている。「日の丸弁当」って、戦時中に「質素」と「愛国心」を表現するために生まれたと初めて知った。以前は新聞紙でくるんでいたとか、建設中の東京タワーを屋上から見ながら・・・など、お弁当はその時の家族の境遇だけじゃなくて、その時代や風景もいっしょに取り込んでいるものなんだなと思った。そして、今時のカラフルなお弁当もすごくいいのだけど、登場する茶色っぽいお弁当がとても美味しそう!と感じるのでした^^

著者プロフィール

武田百合子
一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。

「2023年 『日日雑記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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