作品紹介・あらすじ

BEERS of All Time!!飲まずにいられるか?!喉が鳴る鳴る41篇。

感想・レビュー・書評

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  • 明治生まれの文豪や料理研究家、平成の今をときめく人気小説家まで、41名の手になる、ビールにまつわるエッセイ集。

    書き手も様々なら、内容も様々。
    うまいビールを飲んだ時の思い出。
    ビールに合うおつまみについて。
    ビールの本場とも言えるドイツやチェコのビールの、日本のそれとの違い。
    泡にまつわる雑学。
    赤塚不二夫氏なんて、バカボンの漫画だったり。

    同じ題材で、全く違う、ビールにまつわるお話がずらりと並んでいて、楽しめます。

    個人的には、エッセイストの平松洋子さんの出張先で訪れた居酒屋での飲みっぷりのいい描写と、小説家の遠藤周作さんの尿意問題をコミカルに描いた作品が好き。
    酒好きにはわかりすぎて…。

    毎日、2、3編づつ、ちびりちびりと読んだ私はといえば、ビール大好きなのに、3月上旬というまだまだ夜は寒い時期に読み始めたせいで、最初の頃は焼酎のお湯割りを片手に読書。
    四月になってようやく読み終わる頃には、気温もすっかり高くなって、ビール片手に読むことができたけど。
    ビールが一番美味しい真夏に、エアコンがんがん効かせた部屋でビールを煽りながら読みたかった…。

    本と酒のコラボを心ゆくまで楽しむなら、時期を選んで読むのがオススメの作品集です。

  • それぞれ皆さんのビールへの思いが伝わるアンソロジー。あー…わかる!と声がでちゃうほどでした。
    〈私の大好きなシーンとビール〉
    暑い日のキンキンに冷えたビール
    列車旅でのビール
    仕事中の時間帯に飲むもうしわけないビール
    肴とビール
    駄菓子のような焼きそば
    小説の世界に酔っ払う

    飲んでないのに酔いしれる1冊です(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)

  • シリーズ第四弾。なんたってビールである。「グビグビ、プハーッ!」というヨロコビに満ちている。いろいろ蘊蓄はあろうが、私は絶対「ビールは冷たいほど良い」派だ。意外にそういう人が多く(そうでないのはなかったような…)、そうだよね!と意を強くする。あと、椎名誠さんが「家で飲むビールのランクはこのスーパープレミアムと、ヱビスとブラウマイスターが黄金の御三家で」と書いていて、おお、隊長と好みが同じじゃん!と嬉しくなった。

    心楽しいものがほとんどなのだが、吉田直哉さんの「ネパールのビール」はちょっと異色だ。ビールを買うには何時間も徒歩で行く必要のある僻地にいたとき、お使いを買って出てくれた現地の少年の思い出が語られていて、これが切なく、ホロッとした。

  • 一流作家陣によるビールにまつわるエッセイ。中には赤塚不二夫の漫画もあるし、物故作家の作品も結構ある。おっと思わせる異色の作家が並んでいたりする。それぞれの作家のビールへの個性的すぎるこだわり、愛着、主義が興を漂わす。笑わせてくれる。個人的には北大路公子が好き。ここでもいつもと変わりなくスパークしている。一番光っていた。阿川佐和子氏のとりあえずが「まず最初に」。これに対して北大路氏は「義務」。そして「ひっひっひっ切るかい」。などと言っている。なかなか意味不明。気味悪きこと青天井である。ビールの季節を前に思いっきり舌を唸らせてもらった。

  • 私はビールは飲めないので、
    乾杯っ!!!
    は、ひとりCOFFEEにて。

    賑やかな酒席のいちばんはしっこの席で
    (そうか、そうか。
     仕事終わりにね、
     旅のお供にね、
     美味しいビールの銘柄ね。)
     盛り上がり続ける酒豪さん達のお話に
     なんとな~く耳を傾けていたのだが。
     
    星新一さんの話にはおっ?と、思わず身を乗り出してしまった。
    ある日、ビールの製造工場へと見学に来た星さん。

    同級生である工場長の説明に、
    率直な疑問をどんどん投げかけ続ける。
    わからないことや
    納得いかないことをお座成りにはしない性格なんだなぁ。

    星さんの思考はビールを置き去りに
    どんどんどんどん先へ進み、
    一周回ってCOFFEEへ戻ってきた?(笑

    フト、今手にしているCOFFEEに視線を落とし、
    (これ、私いつから美味しいと思って飲むようになったんだっけ?)
    いつの間にか、星さんワールドへの突入を余儀なくされていたのであった。

  • ビール好きのための、ビールのお供に読みたい、ビールにまつわる文章を集めたアンソロジー。
    読後は確実にビールが飲みたくなります。

  • 東海林さだお氏の「生ビールへの道」が傑作。エラのはりっぷりと自己肯定感には、どうやら相関がありそう。

  • 明治、大正、昭和、平成、それぞれの時代に活躍してきた作家さんたちのエッセイから、「ビール」をテーマにしたものを集めたアンソロジー。

    ビールが生み出すさまざまなドラマを楽しめました。

    作家さんたちそれぞれの味が出ている作品ばかりで、ビール好きはもちろん、ビール好きではないけどエッセイ好きという方も楽しめます。

    読んでいるうちにビールが飲みたくなってくるので、お好みの銘柄を用意して読むのをおすすめします。

    ◇特に好きな収録エッセイ
     ・恩田陸「列車でビール 長旅には酒器を連れて」
     ・平松洋子「もうしわけない味」
     ・久住昌之「九月の焼きそビール」
     ・辰巳浜子「ビールのおつまみ」
     ・内田百閒「タンタルス(上)」
     ・小泉武夫「不味いビール」
     ・森茉莉「独逸と麦酒」
     ・小沼丹「倫敦のパブ」
     
    ◇こんな方におすすめ!
     ・エッセイが好き
     ・ビールが好き
     ・いろんな作家さんの文章に触れたい

  • 美味しいもののエッセイ、大好きなシリーズです。
    下戸なのでビールも苦手なのですが、お酒飲めるのはやっぱり楽しそうだなぁと思いました。
    妹尾河童流のビールの注ぎ方をお二方が書いてらっしゃって、そんなにすごいのか…と、誰かに言いたくなりました。
    「泡はビールなりや否や事件」はちょっと笑ってしまいました。裁判て。
    星新一さんのもらしかったです。疑問に次ぐ疑問…ホップって、何故入れるのですか?
    泣けたのは「ネパールのビール」。映画みたい。
    大好きな長田弘さんのエッセイで締めくくられてたのも良かったです。

    下戸なわたしが最近感動したビールは、発泡酒なのですが、薩摩酒造の薩摩GOLD。
    飲んだときは確かにビールなのですが、後味が全く苦くなくてあれはすごかった……REDとBLACKも気になります。

  • ビールについてのアンソロジーです。
    内田百閒さんの文章に、立派な食堂で、「お飲み物はお一人につき麦酒又はサイダーのどちらか一本ずつと云う事になっている」と支配人に言われ、追加のビールを出してもらえなかったとありました。
    昔はそういうこともあったんでしょうか?

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著者プロフィール

東海林さだお=1937年東京生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学文学部露文科中退。早大漫画研究会草創期のメンバー。文藝春秋漫画賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。漫画に『新漫画文学全集』『ショージ君』など、長期連載のエッセイに「男の分別学」「あれも食いたいこれも食いたい」など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東海林さだおの作品

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