渋谷の秘密_12の視点で読み解く

制作 : 隈 研吾  松田 法子  秋尾 沙戸子  畑中 三応子 
  • パルコ
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本棚登録 : 74
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865063097

感想・レビュー・書評

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  • 渋谷の昔と今を、住宅、花街、ファッション、音楽、飲食等々の観点から追った本。

    渋谷にはちょくちょく行っているが、松濤がもともとは茶畑だったとか、芸妓が数十人単位でいたとか、焼き餃子の発祥地であったとか、百軒店はもともとは西武グループの前身の会社が、関東大震災後に銀座の店を誘致したことから始まり、大きな映画館も3件ほどあった等々、初めて聞く話が盛りだくさんで、何とも知的興奮を禁じ得ない本であった。

    本書を片手に現地へ行き、渋谷の歴史を探訪したい!

    あと、はっぴいえんどが渋谷のライブハウスで演奏している写真も初めて見るもので、貴重。

  • 100年に一度の再開発と呼ばれる大きな変貌を遂げている渋谷。
    現在でこそ高層ビルが立ち並び、若者向けの店舗や外国人の姿が多く見えるが、その街にはどういった過去があるのか…?をファッションや音楽、映画館、盛り場と様々な観点から紐解いていく。
    百軒店や恋文横丁、ワシントンハイツや今は無き神泉の盛り場まで、渋谷の街の成り立ちがかなりわかりやすくまとまっている。
    ただパルコ出版だからか、渋谷の再開発に大きな役割を果たしているはずの東急の観点があまりないので、若干偏りがちかな?という印象もある。

  • (三浦展・監修。PARCO出版。3,850円)
    読了。2020/3/10(火)。紙の本にて。

    著者群とか、テーマ感とか、なんか仕事での課題図書になりそうだな、とか思って(忖度!?)、
    3,850円も出して、しかも電子書籍が見当たらないから紙の本で買って、読んだ。

    豪華執筆陣に、凝った装丁で、その気合いが電子書籍化阻止や強気な価格設定を実現したのかも知れないけど、
    当たり前ながら、内容の質も量もかなりのクオリティとボリュームで、渋谷の切り口はたしかにこれくらい多様性も時代・歴史・変遷もあるだろうと納得。
    全く渋谷を知らない人が学術参考的に読むより、
    いろんな時代のどこかで渋谷に遊びに行ったことのある人が、その記述を懐かしく思い、その場所にまつわる歴史や最新状況、別の側面などのエピソードを興味深く読む、といった読み方が楽しい気がする。

    渋谷は、駅の周辺を中心に、再開発が進むエリアもあるが、今は既存ビルが建ったまま時を刻む場所の方が圧倒的に多く、整然としていないところに数々の発見がある。
    古いビルが順番に建て替わっていくことで、どんな時代にも多時代感の印象を与え続ける、そこに渋谷の楽しみがあり、その歴史や要素、構造の「秘密」を、この本が、解き明かしてくれるかも知れない。

    ただ、この本の決定的な欠陥は、「読みにくい」という点。
    いろんな地の色の紙、質感、いろんな大きさの文字、これがたまらなく読みにくい。特に前半。途中で読むのをやめようかと思ったくらい。
    なんとなく、伝説の雑誌の「スタジオボイス」をマネしたのかな、と思わせるものはあったけど、
    雑誌は読みたいところだけ読んで、残りは読み飛ばして、たまに読まない号もあったり、値段もそんなに高くないけど、3,850円となると、そうそう読み飛ばしたくもないのも現実で。
    ということで、凝りたくなる気持ちも分からんでもないけど、ある程度の読みやすさと電子書籍化は確保していただけるとうれしいです。

    仕事の役には…、立たないような気がするけど、内容は面白かったよ。

    ブクログ登録は27番乗り。

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    ライブハウス
     ジャンジャン、屋根裏、CSV、ナイロン100%、Quattoro
    映画館
     シネマライズ、シネクイント、ユーロスペース

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著者プロフィール

1954年、神奈川県生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員などを経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。30を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『点・線・面』(岩波書店)、『ひとの住処』(新潮新書)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、『反オブジェクト』(ちくま学芸文庫)、他多数。

「2022年 『新・建築入門 思想と歴史;ク-18-2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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