- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865113976
感想・レビュー・書評
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正真正銘オトコノコなのに。表紙と巻頭のグラビアは本当に可愛くて美しい。でもはじめから可愛いかったりそうした要素が十分備わっていた方でもない。ホルモン治療を施したり整形手術で手に入れた造形美とは違い、自分自身と向き合い、自分のなりたいかたちを自分の手でつくられてきたんだなと感じられたから好感が持てた。男の娘というジャンルもこの本で初めて知ったけど、なかなか面白いなと思った。ギャップ萌えか、なるほどねえ。
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大島薫のフォトエッセイ。
LGBTへの理解ばかりは叫ばれるが、その枠組みに縛り付ける愚が、大島薫の言葉から気づかされる。
あくまでも個人の多様性を見つめていきたい -
著者は26歳の男性。女装した姿でAV女優として働いていた。女装はするが、身体は少年のまま。決して性転換は望まない。「一見カワイイ女の子、でも脱いだらちゃんと男の子」が理想だと語る。
AV業界では「女装男子」「男(おとこ)の娘(こ)」とよばれるジャンルの作品に出演し、男性同性愛者向けの作品にも出演経験がある。
性的指向は「バイセクシャル」で、性自認は「男性」だという。ただ、「カワイイ」という評価を重視していて、副題にも「カワイイ男子の自分づくり」とある。
さて、LGBT、セクシュアル・マイノリティを細分化して名付ける技術は発達している。この著者にも適切な一語があるのかもしれない。しかし、この赤裸々な自叙伝は、そんな分類・体系からもっと自由に生きたいと訴えている。実は、多数派にも同じ願いがあるのではないか。人それぞれ、少しずつ違うのだから、きっとこの願いは共有可能だ。