水中で口笛

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865280241

作品紹介・あらすじ

玲⾳さんの歌は、はばたく⼀⽻、⾛る⼀頭、
ゆらめく⼀尾、そしてそよぐ⼀⽊。ー⼩島ゆかり

この歌集の読み⼼地を例えるなら、
ジェットコースターより銀河鉄道です。ー柴⽥聡⼦

くどうれいん、待望の第一歌集刊行!
「くどうれいん」名義で『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』などのエッセイや小説作品『氷柱の声』など、作家として活躍する著者、待望の第一歌集。 天性のあかるさとポエジーをあわせ持つ歌の数々は、まるで光そのもののように読み手を照らし出す。16歳の時より書き続けてきた短歌作品から、厳選316首を収録。

〈収録短歌より〉
水中では懺悔も口笛もあぶく やまめのようにきみはふりむく
ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ
杏露酒と発声すれば美しい鳥呼ぶみたい おいでシンルチュ
噛めるひかり啜れるひかり飲めるひかり祈りのように盛岡冷麵
ハムカツをげんきに頼むハムカツをげんきに頼むわたしを頼む
無言でもいいよ、ずっと 東北に休符のような雪ふりつもる
うどん茹でる わたしを褒めるひとびとを哀れに思う夕暮れもある
またいつか狂うのかもね押し花になっていらない栞の四つ葉

感想・レビュー・書評

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  • 同郷の歌人、石川啄木の享年とおなじ26歳で初の歌集を出したいと願い、その願いを叶えた工藤玲音(くどうれいん)さん。
    彼女の学生時代から社会人になった今までの厳選短歌を収録。
    学生時代の短歌には校庭の埃っぽさや、昼間の教室のひかりに満ちているのに淀んでいる空気を思い出すような、普遍性ある懐かしさを感じる。おんなじ経験したわけじゃ決してないのにね。
    だんだんと項をめくってゆくと、まるで若い女性の十年日記を内緒で読んでいるような、そんな気持ちになる。
    恋の歌は初々しいものから生々しさ、烈しさを感じるものまであって、どきどきした。短歌ってエロいです。
    工藤さんは上記したように啄木とおなじ岩手県盛岡市出身で、東日本大震災のことも詠っている。

    ここからは気に入った短歌と感想です。トンチンカンな感想かもしれません。

    夕暮れを先に喩えたひとが負けなのに負けたいひとばかりいる
    →どんな言葉も、本物の夕暮れに敵わないのにね。

    夜の海 すこしあかるい黒が夜 暗くて濡れている黒が海
    →比べてわかる黒色の世界。世界には同じ黒はひとつとしてない。

    ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ
    →どこでその花の名前を覚えたの?たぶん、好きだから気づく、私のあの人。

    ふと見遣る運転席のきみの耳の穴底抜けに暗くて狭い
    →耳の穴とか鼻の穴とか口の穴とか、すべての穴はブラックホールに通じてる気がする。

    ベランダに初夏を一匹飼っています ひかりのリードでひかりの小屋で
    →初夏のひかりはとにかく眩しい。ベランダの陽光で夏の訪れを知る。

    ATMから大小の貝殻じゃらじゃらと出てきて困りたい
    →思わず、ほっこりとした笑いが漏れる。このATMが縄文時代の貝塚に通じていたらいいな。

    ゴミ袋の中にぎっしり詰められてイチョウはついに光源となる
    →学校の校庭の大掃除でしょうか。ゴミとして捨てられ、焼かれる運命のイチョウの最後の輝き。

    死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星型に出る国に生まれた
    →マヨネーズが星型に出てくる不思議。平和でないと、その発想はないかもしれない。

    無言でもいいよ、ずっと 東北に休符のような雪ふりつもる
    →なんて優しく、東北を想った短歌なんでしょう。無言でもいいよ、って一回言われたい。

    南天が見当たらなくて盲目のまま窓際にいるうさぎ。
    →難を転じる、という意味がある南天。うさぎの眼が開かれるのはいつになるのか。でも、日が当たってくれば溶けてしまうのね。

    手羽先を拳銃としてわたくしはあなたの不幸を奪う強盗
    →居酒屋で好きな人の悩み事を相談されていたのでしょうか。こんなこと言ってくれると、泣いちゃうよね。

    渋谷駅で降りるひとびとなんとなく冴えない顔でどこかうれしい
    →わたしだけじゃないんだね。心にモヤモヤを抱えているのは。

    音楽はかたちなきものわたくしはかたちはあれど何もないひと
    →真ん中のひらがなが生きている。ほんと、わたしは自分て何もない人だなあ、と思う。

    もっともーっとあるけれど、キリがないのでここまで。
    最後に今のベストオブベスト短歌。

    またいつか狂うのかもね押し花になっていらない栞の四つ葉
    →恋は狂った状態なのですね。過去の苛烈な恋はカラカラに乾き、思い出になっている。ドライさが何とも言えず好きな一首です。

    • 5552さん
      『もしもし、運命の人ですが』じゃなくて『もしもし、運命の人ですか』でした!
      失礼しました。
      『もしもし、運命の人ですが』じゃなくて『もしもし、運命の人ですか』でした!
      失礼しました。
      2022/10/10
    • 傍らに珈琲を。さん
      5552さん、こんにちは!
      お返事ありがとうございます。
      的確なほむほむ評に嬉しくなって…のくだり、私も嬉しくなったり、思わず笑ってしまった...
      5552さん、こんにちは!
      お返事ありがとうございます。
      的確なほむほむ評に嬉しくなって…のくだり、私も嬉しくなったり、思わず笑ってしまったり。
      「氷柱の声」を知らなかったので、いつか読んでみたいと思いました。
      登録しとこ♪(読みたい本がどんどん増えて追い付かないっ)

      5552さんを始め、本を読まれる方の文章は、皆さん美しくて深みがあって、表現に工夫がありますね。
      皆さんお一人お一人の感想文が、それだけでもうエッセイのようで楽しいです。
      ブクログは9月に始めたばかりなのですが、少しずつ進めていこうと思っています。

      フォローさせてください。
      またやり取り出来るのを楽しみにしています。
      これからも宜しくお願いします。
      2022/10/10
    • 5552さん
      傍らに珈琲を。さん、こんにちは。

      フォローありがとうございます。
      こちらからもフォローさせてもらいました!

      ブクログやってると...
      傍らに珈琲を。さん、こんにちは。

      フォローありがとうございます。
      こちらからもフォローさせてもらいました!

      ブクログやってると、ほんと、読みたい本に困りませんよね。
      私のブクログ本棚には一生かけても読みきれないくらいの本が登録されています。笑
      『氷柱の声』は、佇まいが美しく、凛とした人のような印象の小説でした。
      中編なのでそんなにお時間取らせませんよ。機会があればぜひ。

      文章、みなさん、お上手ですよね。
      私はまだまだ全然思ったことが言葉に出来なくて、……修行中です。

      おお、9月にはじめたばかりなんですね。
      ブクログ、楽しいですよね。
      レビューで文章を書くのも、本を通じてブク友さんたちとやり取りできるのも、得がたい喜びです。

      こちらこそ、よろしくお願いいたします。
      レビュー楽しみにしています。
      ではまた。
      2022/10/10
  • 工藤玲音さんは岩手県盛岡市出身の小説家のくどうれいんさんでもいらっしゃいます。
    お名前はペンネームみたいな響きですが、本名でいらっしゃるとこの歌集で知りました。

    ちょうど私の住む地方でも、雪が降ってきたこの季節に読んだので、雪に関する歌が印象的でした。

    ことば選びのセンスにとても瑞々しいかんじを受けました。

    工藤さんは同郷の石川啄木に対する腕相撲のつもりで編んだ歌集だとあとがきでおっしゃっています。



    ○ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ

    ○バカの飲み会から逃げてひとりきり羽根がほしくて肩甲骨揉む

    ○きみ鼻かむ わたしと出会う前のことすべて飛び出てちり紙になる

    ○雪の上に雪がまた降る 東北といふ一枚のおほきな葉書

    ○無言でもいいよ、ずっと 東北に休符のような雪ふりつもる

    ○ふと予言めいた手紙を書きたくて銀のペン買うそれも太いの

    ○花束のように抱きとめられたいよ 髪留めの上で溶ける淡雪

    ○父親がわたしにペンネームのような名前をつけた霧雨の朝

    ○やわらかに四月の雲を膨らますこの口笛はみずいろの糸

    • まことさん
      ベルガモットさん。おはようございます!
      私は、ブク友さんのブックリストでこの本を知りました。
      とても瑞々しい素敵な歌集でした。
      ベルガ...
      ベルガモットさん。おはようございます!
      私は、ブク友さんのブックリストでこの本を知りました。
      とても瑞々しい素敵な歌集でした。
      ベルガモットさんのレビューも楽しみにしています!
      2021/12/22
    • ☆ベルガモット☆さん
      まことさん、メッセージありがとうございます。
      これからも魅力的な短歌集のご紹介楽しみにしています♪
      まことさん、メッセージありがとうございます。
      これからも魅力的な短歌集のご紹介楽しみにしています♪
      2021/12/22
    • まことさん
      ベルガモットさん。
      こちらこそ、お返事ありがとうございます。
      短歌には、全然詳しくありませんが、この冬に読もうと何冊か、買い込んだので、少し...
      ベルガモットさん。
      こちらこそ、お返事ありがとうございます。
      短歌には、全然詳しくありませんが、この冬に読もうと何冊か、買い込んだので、少しずつレビューしていきます。
      2021/12/22
  • 積んでた歌集、やっと読めたー。
    歌集の感想として楽しかったというのは変なのかな。
    それでもやっぱり、楽しかった~!
    のびのびと自由で、可愛らしく素直で、時に無邪気に、時に切なく、時に艶っぽくて。
    帯に「読み心地を例えるなら、ジェットコースターより銀河鉄道です」との文言があったけど、本当にそんな感じだった。
    この歌集、大好きだ。

    幾つかの歌をご紹介。
    (たまらず私の勝手な解釈も添えて)

    「夕暮れを先に喩えたひとが負けなのに負けたいひとばかりいる」
    勝ち負けにしちゃってるところが青春だな~って。
    ○○した方が負けね♪って発想は、若くないと出来ない気がする。
    どんな喩えにも及ばないほど美しい夕暮れだったんだろうな。
    それでもみんなが口々に言葉にしてしまうほどに。

    「ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ」
    “きみ”にとってコスモスの花には思い出があるんだろうか?
    それとも、コスモスだけは覚えやすかっただけ?
    こんな些細な事に気付いてしまうほど、“きみ”の事が気になるんだろうな。

    「まっさきに夏野原きて投げキッスの飛距離を伸ばす練習をする」
    これ、可愛い。
    それに爽やか。
    まっさきに走って来たんだろうな。

    「死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた」
    平和な国だからこそ、星形に出そうなんて発想が浮かぶもの。
    こんなところから程遠い国も沢山ある。
    シビアな歌なのにどこかファンタジックに感じてしまうのは“星形”という言葉のパワーかしら。

    「ほにほにと訛るわたしを東京のあなたは「かわいい呪文」と笑う」
    かわいい呪文と表現した“あなた”って、素敵な人だなぁ。

    「手羽先を拳銃としてわたくしはあなたの不幸を奪う強盗」
    お茶目な中にも、“あなた”への深い優しさや愛を感じる。
    こういう表現、たまらんな~。

    「いちご縦に切った断面ぬれていてちいさな炎の模様 せつない」
    これもまたたまらない。
    どう閉じるのかと思ったら、“せつない”ですって!
    くぅ~っ。
    思い描いたこちらも、いちごの断面を見る度に切なく感じてしまいそう。

    「まっすぐに歩ける蟹のものまねできみがこちらへまっすぐに来る」
    笑った。
    “きみ”がとってもキモ可愛い。

    「中指とひとさし指を歩かせて背骨を山の名前で呼んだ」
    これ、色っぽいしドキリとさせられたんだけど、この解釈で合ってるのかな。。。
    貴方の裸の背中を中指とひとさし指でトコトコトコ…。
    そういう深い間柄なのに、「○○さん」って名字で呼んだってことかしら。

    「またいつか狂うのかもね押し花になっていらない栞の四つ葉」
    どう読み込んだらいいのだろう…と思いながらドキリともする。
    狂っていた頃もある恋愛の歌?
    それも、四ツ葉のクローバーの栞はもういらないと言う。
    いらないといいながらも、“またいつか狂う”かもねって、ちょっと怖い。
    仲がこじれちゃってるんだろうか。

    はぁ...どれもこれもたまんないな~。
    ご紹介させて頂きたい歌ばかりでキリがない。
    沢山の短歌を並べてしてしまってゴメンナサイ 汗


  • 『水中で口笛』読了。
    現代短歌の本を初めて読んだ。私にとって短歌は馴染みがなく、文字数に制限があったり、季語を入れなきゃならないとか、ルールが沢山あってなんか自由がないな…と、勝手に負のイメージを抱いていた。
    ごめんなさい、全然違った。流れるように情景が浮かび、とても面白かった。
    著者は私と同世代ぐらいで、生活の情景や心の機微が歌となって溢れていた。
    哀愁やら熱情やらが静かに燃えたり消えたりして。短歌のイメージを覆された。
    もっと自由でいいんだな。凝り固まった思考がほぐれたような気がする。短歌は作るものではなく、歌うものなんだな(今更)
    なんかいいなと思った短歌は「鍵盤が壊れたままでも平気と言いあなたは聖者の行進を弾く」だった。

    2022.3.2(1回目)

  • 工藤さんの、10代の頃から歌い続けてきた歌を厳選して収録した歌集。
    この歌はこんな時に歌われたんだろうな、と思いを馳せながら読んでも楽しい。
    ユーモラスで、かわいらしくて、郷土愛と雪と海に囲まれて、時折どきりとする、でもこうして歌ってくれてありがとうと思える励まされる歌もあったりして。
    どの歌も心地よかった。

    たくさん備忘録かねて紹介したいなと思う歌はたくさんあるけれど、あんまり紹介しすぎるとこれから楽しむ人の楽しみを奪いそうなのでいっとう好きなのをいくつかだけ。

    「雪降れば口を開け待つ 一生をながい動画と思って生きる」

    「円グラフのその他のうすい灰色を見つめてしまう 燃えていたんだね」

    「すごい角度で刺さったスイカだけ食べて季節からパフェ救ってあげる」

    「地上に暮らすわたしのために地上だけ走ってくれる銀河鉄道」

    「にんげんは二頁の本ひらかれるため閉じ閉じるためひらかれる」

    「銭湯の富士山はじめてみてうれしい 岩手山だと思ってしまう」

    「日々はゆくたとえばシャープペンシルの芯出すようにかちりかちりと」

  • 瑞々しく、刺々しく、清々しく、艶かしく…様々な感情が三十一文字に凝縮され、鮮やかな景色を見せてくれる。
    「工藤玲音」という存在を知ったのは、岩手のリトルプレス「てくり」だった。物書きとしての彼女の存在がすごく気になり、手にしたエッセイで、その豊かな表現力に衝撃を受けた。
    彼女のエッセイも小説も好きだけど、やはり歌集を早く読みたかった。十代~二十代の日々を短歌で辿る。三十一文字からこんなに濃いドラマが垣間見えるものなのかと、今更ながら短歌の素晴らしさを知った気がする。一つ一つが深くて、とてもじゃないが一気読みはできなかった。爽やかだったり生々しかったり、冷たかったり温かかったり…読みながら季節のうつろいをしっかり肌に感じられるようで、描かれた場面が彩りよく想像できる。妙に五感を刺激する三十一文字なのだ。
    末恐ろしい存在…(とても褒めています)。幅広い世代に読んで欲しいのは勿論だけど、中でも若い人に是非手に取って欲しいと思う。

  • 工藤さんの編み出す短歌からは、言葉の力をずんと感じる。クスッと笑ってしまうものもあれば、懐かしい景色が目に浮かぶものもあり。
    あとがきを読んで、やはりこの方の文章が好きなのだと自覚した。
    以下、特に好きだった歌。

    死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた

    工藤家の長女 はらぺこあおむしでいちばん好きなページはサラミ

    ほにほにと訛るわたしを東京のあなたは「かわいい呪文」と笑う

    手羽先を拳銃としてわたくしはあなたの不幸を奪う強盗

    教科書の隅の63までも寒波に背中丸めています

    やわらかに四月の雲を膨らますこの口笛はみずいろの糸


  • ハイウェイを北へ 窓から手を出して掴めるだけの春を横取り 『ほそながい』

    暗さ、死の予感、みたいな雰囲気がどうしても好まれる短歌という土俵で堂々と明るい歌を作ってしまえるような人間性。そしてだからこそ際立つ歌もあると感じれた

    夜と死が似ている日には目を閉じてふたりで春の知恵の輪になる 『春の知恵の輪』

  • 五、七、五、七、七

    短歌って、なんておもしろいんだろう。

    文字数の制限がある中で、伝えたいことを厳選されたことばを使って表現する。

    この文字数で、鮮やかな物語が見えてきたり、景色が見えてきたりする。

    この本は、工藤玲音さんの歌集。いくつか玲音さんのエッセイを読んだけど、言葉の使い方がとても好き。言葉を厳選して使われているのかな、と思った。

    つい、読みながら口の中で小さく音読してしまう。そうか、短歌って歌だから声に出していいんだろうな。

    お気に入りの歌にふせんを付けながら読んだ。そこから厳選したお気に入り中のお気に入りは以下の歌。これは、自分のために残しておきたい。

    “大型犬飼って師匠と名付けたい師匠カムヒア、オーケーグッドボーイ”

    “背もたれに溶けゆくように入眠す賢き鹿のような青年”

    “眠る人のあまりに自由なそのかたちを誰も知らない部首だと思う”

    “花束のように抱きとめられたいよ 髪留めの上で溶ける淡雪”

    “杏露酒と発声すれば美しい鳥呼ぶみたい おいでシンルチュ”

    “うしなった人をうしないきれなくて日々浴室のやさしい滝行”

    “飼い犬が日向を選び横になる天に召される準備のように”

  • 猫に起こされた2時 眠れないからお風呂で読書

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著者プロフィール

工藤玲音(くどう・れいん)
一九九四年生まれ。岩手県盛岡市出身。
著書に『わたしを空腹にしないほうがいい』(BOOKNERD)、『うたうおばけ』(書肆侃侃房)。

「2021年 『水中で口笛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

工藤玲音の作品

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