立憲主義について 成立過程と現代 (放送大学叢書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865281132

作品紹介・あらすじ

ギリシャ以来の知の歴史に
日本国憲法の精神を探る
佐藤憲法学のもう一つの成果

感想・レビュー・書評

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  • 憲法とは何か?その意味を与える必要な要素は何なのか?英仏独米の憲法の変遷の説明は歴史書のよう。英国の立憲主義者によれば、成文憲法がない英国こそ十分に歴史化され確固たる存在として、立派な憲法が存在する。成文憲法はむしろ有害であるとの主張は面白い。カナダ憲法と称されているものは、英国の議会制定法によっており、1982年に英国議会が定めた「憲法法律」だとの説明は全く驚き。政治権力を分割統制し、さらに法的制限によって濫用を防止する試みは古代ギリシャから古典立憲主義としてあった!今の日本はそれ以前なのか?昨年の安保法案の審議の際の多くの憲法学者、法制局長官経験者の「違憲」見解が無視されたが、日本の政治の流れは今も変わらない。理想的に民主的に思われたワイマール憲法が無実化していった前世紀のドイツでは1933年の「全権委任法」の成立が大きな転機だった。憲法というべき「ボン基本法」はその深刻な反省が込められているという。抵抗権の明記もその一つだろう。日本がその轍を踏むことがなければよいが。

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2017年 『滝井繁男先生追悼論集 行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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