〆切本2

制作 : 椎名 誠  平出 隆  村山 由佳  さくら ももこ  神近 市子  岡本 かの子  今井 邦子  宇野 千代  中條 百合子  美川 きよ  平林 たい子  子母澤 寛  川端 康成  バルザック  辻 佐保子  辻 邦生  田中 小実昌  澁澤 龍子  澁澤 龍彥  赤川 次郎  中島 らも  三浦 しをん  野間 宏  木下 杢太郎  笹沢 左保  筒井 康隆  江口 寿史  松尾 豊  冲方 丁  井上 靖  室生 朝子  室生 犀星  大庭 みな子  伊集院 静  ハルノ 宵子  タモリ  野坂 昭如  堀 道広 
  • 左右社
3.46
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本棚登録 : 308
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865281774

感想・レビュー・書評

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  • 「何があっても、〆切は絶対にやって来る」
    そんな真理を、教科書でお馴染みの文豪やその家族、平成の今をときめく売れっ子作家、一世を風靡した漫画家たち、はたまた、〆切破り常習犯の彼らにヤキモキさせられた編集者まで、それぞれの内容で表現した、80篇からなるエッセイ・アンソロジー。

    書き手も様々なら、内容も様々。
    〆切が迫ってるのに書けない!という苦しみを訴える、身近な人への手紙。
    書けなさすぎて、出版社に「カンヅメ」にされた時の話。
    はたまた、〆切があるからこそ書けるのだ、という話。
    〆切目前に東京から脱走した作家を愛知県で捕獲し、雑誌に載せる謝罪文を書かせたという編集者の手記と、その謝罪文の実物原稿。
    ありとあらゆる内容の〆切話が詰まっています。

    個人的に特に印象に残ったのは、以下のニ作品。
    一つは、漫画家兼エッセイストでもある、さくらももこさんによる、高校時代にデビューを目指してひたすらに作品投稿の〆切に間に合わせていたという話。
    結果が載った雑誌をスーパーで買ったけど、その場で見てショックを受けて動けなくなっては困るからと、はやる気持ちを抑えて帰宅する少女の姿が、哀愁あるタッチで綴られています。とてもしみじみとした気持ちになりました。

    二つ目は、夫の看取りと葬儀の間にも仕事をこなしたという、小説家の田辺聖子さんの手記。夫の葬儀で思いの丈を述べた喪主挨拶が、とある出版社の依頼で書き起こして雑誌に掲載することになるとは…しんみりした気持ちになると同時に、人気作家さんのある種の「業」みたいなものを感ぜずにはおれません。

    あと、すごくびっくりしたのは、タレントのタモリ氏が雑誌連載を「落とした」時に、その雑誌に掲載された「白紙文書」。
    タモリさんらしい諧謔的お遊びなのかと思えば、本当に〆切に間に合わなかったらしい。それにしても、テーマが「ハナモゲラ語の思想」って、どんな文章になるはずだったのか…気になってしょうがない。残念ながらそれは載ってないのですが。

    森鴎外、芥川龍之介、太宰治、川端康成、ドストエフスキー、バルザックといった、名だたる文豪。
    町田康、川上弘美といった現代の人気作家。
    赤塚不二夫、水木しげる、高橋留美子といった漫画界の大御所。
    はたまた、タレントのタモリやリリー・フランキー。

    たくさんの人の個性あふれる文章が一冊で楽しめるので、お得感のある作品集でした。

    • tsukiyomi777さん
      hotaruさん、初めまして!
      フォローと、たくさんのいいねをありがとうございます!とても嬉しいです(^^*)

      hotaruさんのレ...
      hotaruさん、初めまして!
      フォローと、たくさんのいいねをありがとうございます!とても嬉しいです(^^*)

      hotaruさんのレビューを読んで、この本が読みたくなりました(^^*)
      少し前にアンソロジーを読んで、遅ればせながらその魅力に気づき笑、次に読むアンソロジーを探していたのです(^^)
      良い出会いをありがとうございます!

      これからもレビュー楽しみにしています!
      よろしくお願いします(*^^*)
      2018/04/21
    • hotaruさん
      Tsukiyomiさん、こんにちは、初めまして。
      コメントありがとうございます。
      アンソロジー、同じテーマなのに、違う内容の様々な文体が楽し...
      Tsukiyomiさん、こんにちは、初めまして。
      コメントありがとうございます。
      アンソロジー、同じテーマなのに、違う内容の様々な文体が楽しめて素敵ですよね。
      私も、実は最近アンソロジーを読み始めました^_^

      これからよろしくお願いします。
      2018/04/21
  • 〆切りを過ぎたって別に死ぬワケでもないだろうが、
    精神的に追い詰められ、崖っぷちに立たされているような状況がヒリヒリと伝わってくるエッセイ本。

    <心のゆとり>は大事だが、
    <後がない>という切羽詰った立場にいる人の思考は、脳の隅々までピンピンと張り巡らされ、命を繋ぐ為に必要な武器を必死で捜し求める。
    PENを持って、作家はやはり戦っているんだなぁ。

    幅広い年代で活躍された作家さんの作品が掲載されているのが嬉しすぎ♪

  • 〆切と聞いただけで胃が、、、
    サイトに関連グッズ云々とあるけど、ちゃんと発売日に間に合うんでしょうね?!「〆切一筆箋」の次は何かなぁ???

    左右社のPR
    「やっぱりサラリーマンのままでいればよかったなア」
    あの怪物がかえってきた!作家と〆切のアンソロジー待望の第2弾。非情なる編集者の催促、絶え間ない臀部の痛み、よぎる幻覚と、猛猿からの攻撃をくぐり抜け〆切と戦った先に、待っているはずの家族は仏か鬼か。バルザックから川上未映子まで、それでも筆を執り続ける作家たちによる、勇気と慟哭の80篇。今回は前回より遅い…
    http://sayusha.com/catalog/books/p9784865281774%e3%80%80c0095

  • 江口寿史の漫画などもあってバリエーションは広がっている。田辺聖子の話はしみじみした。しみじみしても、ドタバタと忙しさに巻き込まれてしまうところも切ない、〆切人生は続く。

  • 最後の大トリは
    田辺聖子先生
    ご主人「カモカのおっちゃん」との
    最後のお別れで〆られていて
    なんだか しんみり じんわりきました

  • 1に引き続き、様々な〆切に対する文章の数々、かなり面白い。
    今回も、研究論文が入っているところが凄い。
    理系内容で、理解はできなかったけど、真面目に数式化しているところが、興味深く、頭が下がります。
    『面白半分』編集部のユーモアは最高。
    トリの山崎豊子には感動するしかない。
    総じて、ものを書くということには、自由と制約が必要不可欠ということが分かる。

  • ふむ

  • 【No.88】「自分に使うことの出来る言葉を限度いっぱいに使いたい、という切実な願望があったから、依頼はすべて引き受けた。仕事のための材料は僕が持っていた言葉であり、それを文章として支えるアイディアのようなものだったから、仕事とは言葉のさまざまな使いかたの実践であり、実践の機会は多ければ多いほど好ましく、仕事は増えていくいっぽうの時代でもあった」「待ち合わせに遅れた。〆切りに間に合わなかった。これは約束を守らなかったのではなく”間に合わなかった”という現象なのであり、相手を裏切ったこととはまるで異なることである」「やるだけやったんだし、ダメだったらまた何か他を考えよう。今は他には思いつかないけれど、そのうち何か思いつくかも知れない、とダメだった場合のときの事まで早くも考えていた。少しぐらい自信があっても、夢なんてそう簡単に叶うもんじゃない。そう思っていないと、現実の壁にぶち当たった時のダメージがものすごく大きいから、今回は用心して心に予防線を張ったのだ」「僕は、とにかくよく眠る。締切りが迫っていて、眠ってなんぞいられないときにかぎって、やたら眠ってしまうのである。十二時間は軽い。四時間寝ては二時間起き、原稿用紙の前でうーんとひと唸りしてまた寝る。これをくりかえして、結局一日十六時間眠っていた、なんてこともまれではない」「私は締切り日に間に合うということはほとんどないが、それかといって約束を放棄して、平然としているなどということは出来ない。それ故に私は自分の全力をつかいはたしてなお原稿が出来上がらないとき、どうして自分は原稿を書くことを承諾したのだろうか、と自分をのろわなければならない」「ちょっとだけと思って寝ころぶ。天井を向いているうちはなんともない。でも、横向きになったとたんにころっと次元が変わってしまう。その甘美さは麻薬なんか目じゃない」

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00235646

  • 文学

  •  タイトルのとおり、昨年刊行された『〆切本』の続編。
     明治時代から近年までの、小説家・評論家・マンガ家など広義の「物書き」による、〆切にまつわるエッセイ・手紙・日記・マンガなどを集めたアンソロジーである。
     続編が出るくらい、正編が売れたわけだ(本書巻末の自社広告によれば、『〆切本』は「堂々の3万部突破!」だとか)。

     値段もわりと高いし、まったく「実用的」でない内容だし、私は『〆切本』が売れるとは思わなかった。おそらく、作った側も続編が出せるとは思っていなかったのではないか。

     ……なので、「出がらし」のような薄い内容ではないかという危惧があったが、読んでみると正編と同じくらい面白い。むしろ、部分的にはパワーアップしている。

     正編を当ブログで取り上げた際、私は次のように書いた。

    《〆切をめぐる攻防は、物書きの舞台裏を語るにあたって最も面白いものの1つ。出版業界人の酒席で話が盛り上がる鉄板ネタでもあり、ここに収められていない面白い話がもっとたくさんあるように思う。

     たとえば、マンガ家の中でも遅筆で知られる江口寿史や平田弘史をめぐる話が、1つもない。文章系でも、小田嶋隆が自虐的に自分の遅筆ぶりを綴った初期のコラムがなかったりとか、わりと“抜け落ち感”がある(本人たちが収録を拒否したのかもしれないが)。》

     それを編者が読んで対応してくれたわけではあるまいが、本書には江口寿史の〆切ネタ・マンガも収録されている。
     『ストップ!! ひばりくん!』の中に突然挿入された、例の「白いワニ」のヤツである。

     おそらく、正編を出したあとでいろんな人から、「〆切ネタなら、アレが抜けてるよ」という指摘があったのだろう。

     たとえば、タモリが雑誌『面白半分』の依頼原稿を「落とし」て、編集部側がそのことを明記したうえで誌面を真っ白にして刊行した伝説的ページが、そのまま転載されている。

    《タモリ氏の『ハナモゲラ語の思想』の原稿は、まだ印刷所に到着いたしません。白紙のままでお届けすることを深くお詫び申し上げます。 編集部》 

     という但し書きがある(笑)。
     これは、「〆切ネタ」を語るにあたっては絶対欠かせない有名エピソードなのである。

     ほかにも、マンガ家デビュー間もないころの高橋留美子が自らの仕事ぶりを描いた4ページの掌編「けもの24時間」が収録されているあたり、「お、これを入れたか。やるなー」という感じ。
     (「けも」とは高橋のニックネームで、最初期に使っていたペンネーム「けも・こびる」に由来)

     この「けもの24時間」は、「おはようございます。えっ! 寝てません。電話を、掘っていたのです!!」というセリフで知られる作品。
     電話機が資料や原稿などの山に埋もれているのを「掘って」から電話に出る、という意味で、「電話を掘る」はマンガ界スラングである。
     もっとも、高橋留美子は〆切をきちんと守るマンガ家として知られており、「けもの24時間」も原稿を落とすたぐいの話ではないが。

     ライターが一年でいちばん〆切の山と格闘する時期――年末進行真っ只中に読むのにふさわしい本(笑)。

  • 明治から平成、そして海外まで。幻覚を振り払い、地方に逃亡して、それでも筆を執る作家たち。〆切と堂々と戦ってきた〆切のプロたちの作品を集めたアンソロジー。勇気と慟哭の80編。

    本当に締め切りに関していろいろあるのだなぁと笑った。猿に邪魔されるって・・・。

  • 面白いけど、2冊目はちょっと飽きた。
    全部読むのが時間的につらかったので、
    好きな作家をピックアップ。
    ただ、どの方々も今更ながら文章うまい。
    プロの物書き、ハンパない。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=329791

  • 914.68

  •  締め切りは守りましょう。

     去年から読んでたんだけど、途中で放置して中身忘れたので、もっかい頭から読み直し。
     基本、計画性のないひとは苦手です。
     自分の能力、締め切りまでの日数を考えて配分くらいしなさいね、大人なんだから。ビジネスなんだから。
     ネットで読める文章らしいけど、松尾豊「なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか」が面白かったです。
     自分の創作のこなし方を考えると、確かに書いてる最中は集中してるし、集中しようとしてるけど、集中する時間を計画的に作ってるという点では、やっつけ仕事のタスクのこなしかたと同じ気がする。

  • たくさんの作家さん作品が一度に読めてなんだか得した気分。
    田辺聖子さんの作品を読んで朝ドラの芋たこなんきんを思い出した。お葬式のシーンの弔辞がノンフィクションだったなんて驚いた。

  • 〆切が主題でなく、チラッと出て来るだけのものも割とあったので、前作の〆切!〆切!!〆切!!!という一冊通しての圧倒感がなくなったのは私としては残念だったが、色々な方の文章が読め、他の作品に触れたくなるものも多かったのが嬉しかった。
    亡くなった書き手と看取った方を並べて幾つか収録してあったのも良く、胸に迫るものがあった。

  • 相変わらず面白い。

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