博学者 知の巨人たちの歴史

  • 左右社 (2024年6月28日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784865284225

作品紹介・あらすじ

「全知全能の情熱が世界を動かした」

レオナルド・ダ・ヴィンチからスーザン・ソンタグまで。

情報量の爆発的増加、知識の断片化、押し寄せる専門家の波ーー
幾度の危機を乗り越え、いかに博学者は生き残ったか。
文化史家の重鎮ピータ・バークが、15世紀から21世紀の西欧で活躍した約500人の伝記を検証し、知識の社会的な動向を記した大著。
知ることに取り憑かれた者たちの肖像と、その大いなる冒険。

・哲学という語を創造した最古の博学者ピュタゴラス
・万能なのにいつも仕事は未完のレオナルド・ダ・ヴィンチ
・華やぐ宮廷でニュートンを翻訳したシャトレ侯爵夫人
・中国のライプニッツと賞賛された博識の沈括
・透視図法の初目いだけでなく何でも知っていたブルネレスキ
・哲学者デカルトが家庭教師をしたクリスティーナ女王
・生涯独身であらゆる知識に通じた修道女フアナ
・万余の文通で知識を得たペーレスク
・経済学だけでなく文藝や天文学史を著述したアダム・スミス
・スーザン・ソンタグは博学にして批評家

感想・レビュー・書評

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  • ⚫︎博学とは
図書館で題名に惹きつけられた。博学とはどのようなものか、想像以上に多くの博学者がいることがわかった。博学者は結局成し遂げることがないというのは残念だか、なんとなく腑に落ちてしまう。数百年前は「博学」というより、分野を分ける考えがないのだなと感じた。
    
現代は専門化することが当たり前で、何の疑問もなかったが、専門化の流れに反対する世論があったことが驚きであった。しかし、本書で博学の流れを知り、専門化への反対の意思もよくわかる気がした。橋渡しの博学者と専門家が必要なのだ。

  • ダヴィンチがいかに異端であったか。

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/720339

  • 【書誌情報】
    『博学者――知の巨人たちの歴史』
    原題:The Polymath: A Cultural History from Leonardo da Vinci to Susan Sontag (Yale University Press, 2020)
    著者:Peter Burke
    訳者:井山弘幸
    装幀:水戸部功
    定価:4,950 円(税込)
    ジャンル:哲学・思想 歴史・人類学
    刊行日:2024年06月28日
    判型/ページ数:四六判 上製 488ページ
    ISBN:978-4-86528-4225
    Cコード:C0020
    https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284225

    【目次】
    序文と謝辞

    序章 博学者とは何か
    さまざまな定義/修養分野/目的と方法/博学者の類型/博学者の神話

    第1章 東洋と西洋
    ギリシア人たち/ローマ人たち/中国/中世ヨーロッパ初期/イスラム世界/中世盛期

    第2章 ルネサンス的教養人の時代 一四〇〇−一六〇〇年
    普遍性という理想/普遍性の神話/行動と思想/学者たち/統一と調和/芸術家と技術者/レオナルド/ルネサンス女性

    第3章 「博識の怪物たち」の時代 一六〇〇−一七〇〇年
    博学者の時代/女性の博学者/博学者の言語/百科事典編者としての博学者、アルシュテット/汎知主義者としての博学者、コメニウス/博識の怪物たち/蒐集家としての博学者、ペーレスク/スコラ哲学者の博学者、カラムエル/憂国の士としての博学者、ルドベック/汎知主義者としての博学者、キルヒャー/批評家としての博学者、ベール/総合家としての博学者、ライプニッツ/二流の博学者たち/調和/独創性 vs. 剽窃/黄金時代を解きあかす/知識の危機/情報過多/断片化/砲火を浴びる博学者たち/レオナルド症候群

    第4章 「文人」の時代 一七〇〇−一八五〇年 
    十八世紀/衒学者と物知り/新しい理想/文人/女性の文人/フランス啓蒙主義/スコットランド啓蒙主義/イギリス啓蒙主義/スペインからロシアへ/新世界/イギリス/ドイツ/体系家/生き延びる文人/フランスの批評家/イギリスの批評家/新たなる女性の文人/科学者/ドイツの科学者/イギリスの科学者/新たな危機に直面して

    第5章 縄張り意識の時代 一八五〇−二〇〇〇年
    冬の時代の博学者/量の超過/専門化/制度の分離/博物館、学会、会議/専門雑誌/二つの文化/共同作業/大学の細分化/専門化を説明する/専門化が問題となる/博学者、生き残る/消極型博学者/批評家たち/密集型博学者/新しい専門分野/社会科学/社会学/心理学/人類学/コンピュータ科学/一般システム/記号論/六人の移行型博学者/巨人なのか詐欺師なのか?

    第6章 博学者集団の肖像
    好奇心/集中力/記憶力/スピード/想像力/エネルギー、精力/落ち着きのなさ/勉強/時間を計る/競争/遊びの要素/ハリネズミと狐/レオナルド症候群

    第7章 生育環境 
    労働倫理/ヴェブレン問題/教育/独立/強制された余暇/家族/ネットワーク/宮廷と後援/学校と大学/専門分野/図書館と博物館/百科事典と雑誌/共同研究

    第8章 学際性の時代 
    半公式の協定/知識の統一の理論と実践/大学における学際的研究/総合教育/政府の役割
    地域研究/新しい大学/雑誌と研究所/学際的な歴史/野心 VS.慎ましさ

    終章 第三の危機に向かって 

    訳者解説
    索引
    原註
    さらに読みたい人のために
    補遺 西洋の博学者500人
    口絵図版出典

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著者プロフィール

ケンブリッジ大学名誉教授。1937年生まれ。ケンブリッジ大学名誉教授、イマニュエルカレッジの名誉校友(フェロー)。オックスフォード大学卒業後、同大学聖アントニーカレッジで研究、博士論文執筆中にサセックス大学に招聘される。同大学で16年間の教員勤務の後、ケンブリッジ大学に移り、文化史講座教授を長く担任。
New Cultural History を提唱し、「文化史」概念を刷新。ヨーロッパ史家、文化史家として世界的に著名な歴史家。著書に、『イタリア・ルネサンスの文化と社会』、『ルイ14世 作られた太陽王』、『知識の社会史 知と情報はいかにして商品化したか』など多数。

「2024年 『博学者 知の巨人たちの歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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