ポップ・ミュージックを語る10の視点 (〈music is music〉レクチャー・シリーズ)

制作 : マスヤマコム&牧村憲一(プロデュース) 
  • アルテスパブリッシング
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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865592153

作品紹介・あらすじ

いま音楽を語るときに私たちが語ること──
注目の論客たちがポップ・ミュージックの現在を
多角的に論じた刺激的な連続講座、待望の書籍化!

〈music is music〉レクチャー・シリーズは、
音楽プロデューサーの牧村憲一と投資家/コンテンツ・プロデューサーの
マスヤマコム(桝山寛)のプロデュース、
『文化系のためのヒップホップ入門』著者の大和田俊之のコーディネイトによって、
2016年から18年にかけて東京・渋谷で開催されました。

登壇したのは、すぐれた耳とシャープな視点を持って音楽に取り組んでいる
プロデューサー(冨田ラボ)、ジャズ作・編曲家(挾間美帆)、
音楽学者(南田勝也、増田聡、細馬宏通、永冨真梨、輪島裕介、大和田俊之)、
ライター/ジャーナリスト/評論家(柳楽光隆、渡辺志保)の実力派10人。

最新型のジャズ、アメリカのヒップホップ、ロック、ポップス、
さらにはカントリーから東アジア圏のポップスまで、
いまポピュラー音楽を語るとき、どんな言葉が可能なのか?
音楽体験への新しい扉をひらく10の講座へようこそ!

感想・レビュー・書評

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  • どのレクチャーも良い内容で、すごく得した気分。

  • 『世代から見る「ロック」の50年』が、納得力があって良かった。

  • 鋭い考察がたくさん詰まった夢のような本。
    各ジャンルのエキスパートによるユニークな展開は新しい視点をもたらしてくれます。音楽をさらに知る為には不可欠な一冊。

  • 久しぶりにこういう音楽批評本を読んだ気がする。「音楽にとってパクリとなにか?」が面白かった。昔、B’zのがツェッペリンやエアロスミスの曲のパクリだパクリだって仲間内で駄話してたけど、懐かしいともに、あれは何を意図してのことだったんだろうと思った。まあ、売れているのは、先人のすばらしい意匠を借りてきているからでしょぐらいのやっかみはあったんじゃないか。同じ土俵に立ってもいないのに意味わかんね。本書に、オリジナリティは他者の評価の下にあるもので、内包されているものではないと書いてあったけど(?)おおむねうなずける。ヒップホップに初めて触れる人は、JBのドラムブレイクをサンプリングした曲を聞いて、こんなのパクリじゃねえかと思うだろうし。裏にある精神性とか文脈とか語り始めると、参加者全員が歴史の駆動のためだけに存在しているみたいで胡散臭さはあるけどさ。

  • 音楽を今後聞く上で間違いなく聞く耳(見る目)、探し方、出会い方が変わる一冊。様々な視点とテーマで音楽と深く向き合ってきた人たちのエッセンスが凝縮された贅沢すぎる読書体験。ストリーミングやYouTubeで本文中の曲はほとんど聴けるので都度都度チェックしながら読み進めることをおすすめする。

  • 『文化系のためのヒップホップ入門』でも知られるアメリカ文学者・ポピュラー音楽学者の大和田俊之が選んだ10人が、それぞれの専門分野の音楽ジャンルについて語るレクチャーをまとめた1冊。レクチャーに登場する音源については、Spotifyのプレイリストが公開されているため、さながら実況中継のよう。普通に読むだけなら2-3時間あれば読み終わるが、音楽を聴きながら読み進めることで、その何倍もの時間を楽しめる。特に気に入ったのは以下のチャプター。

    ・大和田俊之自身による「テクノロジーとアメリカ音楽」では、野田務が名著『ブラック・マシン・ミュージック: ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ』で明らかにしたブラックミュージックと宇宙との関係性をより現代にスコープを広げた上で論じつつ、さらにボイスチェンジャーなどのテクノロジーとの関係性を深く突き詰めた考察が面白い
    ・『Jazz The New Chapter』で現代ジャズの面白さを伝える第一人者たる柳樂光隆による「オルタナティヴなジャズ史の試み」では、Brad Mehldau、Robert Glasper、Kurt Rosenwinkelなどお馴染みのミュージシャンらの業績がその音楽的なバックグラウンド共に示される。Spotifyのプレイリストとセットで聞くと、Brad Mehldauの対位法的な演奏の先人としてのArt TatumやFred Hershらの演奏との比較ができてとても楽しい。また、現代ジャズ最高のギタリストの一人、Kurt Rosenwinkelが、ジャズ・ロックを代表するギタリストのAllan Holdsworthから受けた影響について述べられており、確かに並べて聞くと、その類似性と相互の音楽性の素晴らしさに感嘆する。Allan Holdsworth、大学生のときに聞いたUKが全くダメで以来聞いてなかったのが、こんなに素晴らしかったとは。
    ・富田ラボの「”録音された音楽”を聴くことの意味」では、細かいアレンジや録音技術というものが音楽に与える意味を希代の音楽プロデューサーの立場から解説される。「プロのプロデューサーはこのアレンジをこう解釈するのか」という発見が多かった。特にジャズ・ボーカリスト~ポップスシンガーのAl Jarreauの名曲「Never Givin` Up」 のパートごとの解説が素晴らしい。Al Jarreau、全く聞いたことがなかったのだが、何度も聞くうちに大変はまり、今日だけで10回くらいリピートしている
    ・ジャズ作曲家・アレンジャーの狭間美穂の「ラージ・アンサンブルの歴史と新展開」は、典型的なビッグバンド形式から徐々に楽器編成~音楽性を広げていった”ラージ・アンサンブル”という形態から、その音楽性の広がりを示す。ジャズの意味合いがあまりにも強くなりすぎた”ビッグバンド”という呼称では収まりきらない音楽性の多様さが”ラージ・アンサンブル”という統一的な概念の元に整理されるクリアな論考。かつ、自身の作曲した「Journey to Journey」については、メロディ・ベースライン・ドラムの楽譜が示され、ポリリズミックに工夫されたリズムアレンジの妙が解説される。
    ・細馬宏通の「デヴィッド・ボウイの「Away」感覚」は、本書の中で唯一、特定のアーティストを対象とした論考。名曲「Starman」と「Life on Mars」の歌詞の詳細な分析から、「日常生活から疎外され、どこか遠くへ行きたいと思うが、そこでも疎外されてしまう」という二重の疎外感という”Away”感覚がボウイの作品の通底に流れていることを示す。ここまで詳細にボウイの歌詞を読んだことがなかったので、その奥行きを感じると共に、この二重のAway感覚には、確かに我々がボウイの音楽に感じる魅力の理由が隠されていると感じた。
    ・カントリー音楽研究者である永富真梨の「カントリー・ミュージックの新潮流と多様性」では、古い録音も含めてアメリカのカントリーミュージックの誕生とその音楽的発展を示しつつ、トランプ政権の支持母体とも重なる「白人男性中心の超保守的な政治思想性」という現代カントリー音楽の過度なイメージングへのアンチテーゼを示す。実際に紹介される現代カントリーの楽曲は、黒人男性、女性、LGBTなどのミュージシャンによる素晴らしいものばかりで、プレイリストだけでも十分に楽しめる

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著者プロフィール

専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽研究。現在、慶應義塾大学法学部教授。著書『アメリカ音楽史——ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社)で2011年、第33回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞。共著に『文化系のためのヒップホップ入門』(2011)、『同2』(2018)、『同3』(2019、以上アルテスパブリッシング)、『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか――日本ポピュラー音楽の洋楽受容史』(2019、花伝社)、『村上春樹の100曲』(2018、立東舎)、『ラップは何を映しているのか』(2017、毎日新聞出版)がある。1970年、神奈川県生まれ。

「2020年 『〈music is music〉レクチャー・シリーズ ポップ・ミュージックを語る10の視点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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