熱帯の真実

  • アルテスパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865592184

作品紹介・あらすじ

ブラジル音楽界の至宝が激動の時代を縦横に語る
自伝的哲学的随想、ついに邦訳刊行!

50年以上にわたってブラジルのポピュラー音楽界をリードし続けてきた
最重要ミュージシャンのひとりで、カエターノ・ヴェローゾが
類い希な知性を発揮した著書“Verdade Tropical”の全訳をお届けします。

日本でも熱烈なファンの層が厚いブラジル音楽のなかでも、
カエターノ・ヴェローゾはその革新的な音楽性が最大級に評価されていて、
来日も4度を数えるスーパースターです。

生まれ育った街サント・アマーロでの幼少期の記憶に始まり、
“ボサノヴァの神様”ジョアン・ジルベルトとの衝撃の出会い、
プロのミュージシャンとしての道を歩み始める若き日々、
劇作家・哲学者・詩人・作家などとの豊かな交流、
ジルベルト・ジルやムタンチスらとともに牽引した
60年代トロピカリズモ・ムーヴメントの詳細、
プレスリーやビートルズ、ストーンズなど欧米のロックからの影響、
そして軍事政権下で拘束された2ヶ月と亡命先ロンドンでの2年間……

1950年代から70年代にかけてのブラジルの音楽と文化、社会、政治を語った
この大著は、ブラジルで1997年、大名盤『リーヴロ(本・書物の意)』とともに発表されたもので、
その全訳に、20周年記念版(2017年)の新たな(長大な)序文を加えたのが本書です。

改行が少なくてうねうねと続く複雑で独特な文章を翻訳したのは、
音楽ファンからの信頼も篤いポルトガル語通訳・翻訳の第一人者、国安真奈さん。
そして、訳者あとがきでの各章の解題に加えて、
J-WAVE「サウージ!サウダージ」でもおなじみの音楽プロデューサー/ラジオ番組製作者の中原仁さんと、
「ブラジル特報」編集人・岸和田仁さんのおふたりに、解説をご寄稿いただきました。
読み応えのある本編を理解するうえでの頼もしいガイドとしてお役立てください。

感想・レビュー・書評

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  • 帯の惹句には「自伝的哲学的随想」とありますが、まさにその通りの内容です。

    自伝の部分はほぼ時系列で、トロピカリア期~収監・亡命~帰国までが描かれています。
    そこに当時の前衛的な映画や演劇の批評、文化論?やエピソードなどが複雑に絡んだ文章で、私の場合は全てを理解するのは諦めました。そうして割り切った読み方をすれば、ファンとしては実に面白い本でした。

    気合を入れて読むと疲れてしまうので、面白いところを気楽に読んで、折に触れて後からリファレンスするような読み方で良いのではないかと思います。
    また、解説が丁寧で充実しているので、理解の一助になるはずです。

    何より、このコロナ禍において、カエターノのアルバムを聴きながらこの本を読む時間がとても豊かに思えて、忘れられない読書体験になりました。

  • 熱帯の真実
    著作者:カエターノ・ヴェローゾ
    発行者:アルテスパブリッシング
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    ブラジルのポピュラー音楽界をリードし続けたカエターノ・ヴェローゾの著書

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著者プロフィール

カエターノ・ヴェローゾ Caetano Veloso
カエターノ・エマヌエル・ヴィアナ・テーリス・ヴェローゾは1942年8月7日、バイーア州サント・アマーロ・ダ・プリフィカサォン生まれ。67年にガル・コスタとのデビュー・アルバム『ドミンゴ』を、翌年には初のソロ・アルバム『アレグリア・アレグリア』をリリース。『ジョイア』(75)、『エストランジェイロ』(89)、『リーヴロ』(97)、『セー』(2006)など、これまでに30を超えるスタジオ録音盤、16のライヴ盤、多くの編集盤を発表している。86年には映画『オ・シネマ・ファラード』を監督。
60年代に興ったトロピカリズモ・ムーヴメントの先頭に立ったカエターノは、ロンドンでの亡命生活を経て、70年代には盟友ジルベルト・ジル、実妹マリア・ベターニア、ガル・コスタとともにドッセス・バールバロスを結成。数々の作品はブラジル文化の様々な方面から反響を呼び、現在もなおブラジルで最もエネルギッシュで革新的な存在であり続けている。来日は四度を数える。
本書『熱帯の真実』のほか、歌詞108編をコメント付きで収めた2冊組『Letra Só』『Sobre as letras』(2003、コンパニーア・ダス・レトラス)と、音楽や文学、映画、演劇、政治についてのエッセー集『O mundo não é chato』(2005、同)を刊行している。

「2020年 『熱帯の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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