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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865640151

感想・レビュー・書評

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  • 特集「これからの仏教」。海外出身の僧侶の寄稿が多い号。
    仏教系の本は、これまでの軌跡を振り返る内容のものが多ように思いますが、この本では仏教を通じた未来が語られます。

    かつては葬儀の印象が強く「葬式仏教」などと揶揄されたこともある仏教ですが、今では瞑想やマインドフルネスが、宗教の枠を超えて支持されるようになっています。
    まさに、死に近かった宗教から、今を生きるためのツールへと、変わりつつあるもの。
    もはやその教えはお寺だけでなく、病院やIT企業などにも広がっています。

    無宗教と言われ、宗教感覚がかなり薄い日本人でも、2011年の東日本大震災の時には、生と死の意義を強く意識する中で、仏教の教えに支えられた人も多いと思います。

    あの時の否応なく不条理な現実にさらされて、人は誰しも衝撃を受け、生死について考えました。
    人間は答えを求めるものですが、仏教は「答えが出なくてもやって行ける道がある」という考え方。
    ニルヴァーナに関しては、どういったのものなのか、ブッダは何も語らず、なにも書かれていないそうです。

    現代は仏教を「死」に特化せず、「生きる道」として理解していく転機に差し掛かっているとわかりました。

    印象的だったのが、キリスト教と仏教の地獄の教えの違い。
    キリスト教は、人々に恐怖を与えるために地獄について教え、仏教は、地獄に落ちて苦しむ生き物に大悲の心を発させるため、人々に地獄の話をするそうです。
    地獄という概念は一緒でも、一方は恐怖で人を縛り、もう一方は憐みの心を起こさせようとする正反対のものだと知りました。

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ
Alubomulle Sumanasara

テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集 第八巻』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国WisdomPublications)など多数。

「2023年 『無常の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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