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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865640328

感想・レビュー・書評

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  • 今年で東日本大震災から5年がたちましたが、行方不明者はまだ2500人以上に上るそうです。
    大概の遺族は、お葬式は済ませていても、その多くは、いまだに遺族からの死亡届が出されていないのだとか。

    遺族は、もしも亡くなっている場合、お盆に帰ってこれるようにお葬式を行っておくものも、死亡届を提出するともらえる弔慰金は受け取りたくないという、複雑な気持ちを抱えているとのことです。

    行方不明者が4人家族だったとして、約1万人の遺族が今なお死亡届けを出さないというのは、なんとも説明がつきにくいこと。
    この平成の世でも、被災地には幽霊が出るという話があるそうです。

    また、霊は僧侶には憑かないのだそう。霊は一つのことをずっと気に病んでいる頭にとりつきやすいのだとか。
    「耳なし芳一」の話は、昔話でしかないようです。

    霊に関するアドバイザーというと霊能者が思い浮かびますが、彼らは受信の力は強いものの、発信能力は弱いのだそう。
    拝んで成仏してもらうのは、発信力の強いお坊さんがよいそうです。

    地方に今でも残る、死者の弔い方が紹介されていました。
    宮城県のむさかり絵馬は、初耳でした。
    また台湾の赤紙の手紙は、死んだ子供があの世で結婚できるようにと親が行う死後婚のことで、ちょっとホラーめいていますが、当人にしてみれば大真面目。周りがとやかく言えることではないのかもしれません。
    賽の河原は、青森では恐山のほかに、五所川原にもあると知りました。

    後半には、ミャンマーの高僧アシン・ウィラトゥのインタビューが載っていました。
    「仏教テロリスト」といわれて批判されながらも、2013年にタイム誌の表紙を飾った彼は、はっきりとした反イスラム教。
    中庸の立場をとる仏教徒にしては珍しい存在です。

    「アメリカや国連にはイスラム教の国々からのわいろが渡っているから、ミャンマーの側に立たない」とはっきり言う姿勢が、悪名に繋がっているのでしょう。この人物について知りませんでしたが、インタビューを読む限りは戦う僧侶という印象。

    今回は、瞑想が特集で、専門的な掘り下げはもちろんありましたが、上記の内容がとても印象に残りました。

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ
Alubomulle Sumanasara

テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集 第八巻』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国WisdomPublications)など多数。

「2023年 『無常の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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