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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865641554

感想・レビュー・書評

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  • 今回の特集は、経典や教義ではなく瞑想について。「心と身体が結びついているのが最善の状況」とする仏教において、瞑想は重要な修行の一つに考えられます。
    身体の調子を上げることで心の健康な動きを保たれるという意識は、昨今ではストレスを抱える現代人や成果を上げたいビジネスパーソンにも広く取り入れられるようになっているトータルバランス法。それを、きちんと仏教の流れに乗った形で紹介し、本来の理解を促す構成になっています。

    仏教の修行である禅や瞑想から発したヨーガやマインドフルネスは、今やスピリチュアルなヒーリング法として独自の発展を遂げつつあります。すそ野が広がれば広がるほど単純になり、発生元である仏教との関連性が薄れていくのは仕方がないことですが、巷に流通したエクササイズやストレッチと大きく違う点は、瞑想はあくまで身体ではなく心を主体とした精神の修行であるという点。身体を動かすことが目的というよりも、身体の動きを通じて心をあるべきよい形に働かせ、清らかな心持ちに達するのが目的です。

    今ではマインドフルネスの流行により、仏教から離れた日常生活の中で身体と心のバランスをとろうとする人々は増える一方ですが、この本に寄稿されたヨーガや瞑想の第一人者たちによる論文は、幅広い視点から語られた多岐に渡る内容となっており、おおもとの仏教とのつながりを知ることで一層マインドフルネスへの理解が深まるだろうと思われます。

    特集の中では、お寺カフェ「神谷町オープンテラス」を営む僧侶が動的禅として掃除を取り入れているという話が印象的。「仏教は宗教でも哲学でもない。むしろ習慣である」という考え方が新鮮でした。

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ
Alubomulle Sumanasara

テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集 第八巻』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国WisdomPublications)など多数。

「2023年 『無常の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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