- Amazon.co.jp ・本 (1144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865780833
作品紹介・あらすじ
全三部作がこの一冊に! 普及完全決定版!
「水俣病」患者とその家族の、そして海と土とともに生きてきた不知火の民衆の、魂の言葉を描ききった文学として、“近代”なるものの喉元に突きつけられた言葉の刃。半世紀の歳月をかけて『全集』発刊時に完結した三部作、第一部「苦海浄土」、第二部「神々の村」、第三部「天の魚」を一冊で読み通せる完全決定版。
感想・レビュー・書評
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マヤ@文学淑女さん私も学校でテストに出るから四大公害を覚えただけで、ちゃんと「知ろう」としたことなかったな、と反省しました。発展というのは諸刃の剣なのだなぁ、...私も学校でテストに出るから四大公害を覚えただけで、ちゃんと「知ろう」としたことなかったな、と反省しました。発展というのは諸刃の剣なのだなぁ、と感じます。リニア中央新幹線も賛否がありますし、本当に公害問題は今後も向き合わねばならない課題ですね。2016/10/15
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石牟礼道子が亡くなって3年半も経つということが、にわかに信じ難い。
三部作の合本は鈍器のように重いが、物理的な重さを超える重量と重力が宿る。執念いやむしろ怨念めいた筆致の裏には、彼の地に根付いてる宗教的人類への博愛と、断罪が滲んでる気がしてならない。
マイルストーンとはこういう作品のことだと思う。 -
指を切って血で清書させるくだりが強く印象に残った。何年もかけて綴られた文。文学。ペンの強さを信じ続けていたのだろう。方言や詩、報告書などの引用──様々な形態をとりながら描かれ、迫真の文学だ。
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民俗、歴史、文学の書
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読み終わった、にしたがとても読み終われるものではない。
衝撃。
途中、ユージン・スミスの写真集を傍らに読んだ。 -
近・現代社会が排除してきた、十全なメンタリティ。
それは、水俣病の被害者の方々にこそ守られていたのではないか?
筆者の表現力にも、敬意を感じた。 -
文学のあらゆるジャンルを総括してもなお、現代日本屈指の作品である。水俣病に苦しむ人々の姿を描き出したこの作品を、どんなおもいで書き続けたのか、と石牟礼さんに聞いたことがある。詩のつもりで書いたと語ったあと、彼女はこう言った。「闘いのつもり。一人で闘うつもりでした。」人は、独りでも大きな何かを戦い得ることを示した人生の書。
(選定年度:2019~) -
言葉が生きていて、突き刺さってきた。
この分厚い本を読み切ることができるのか?と思っていたけれど、どんどんペースをあげて気がついたら読み終わっていた。 -
1000ページ目くらいの加藤登紀子さんの解説を読み、これは日本人として読まねばならないと感じた。
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