- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865810332
作品紹介・あらすじ
中国の本質は常に“権力闘争”にあり!
激しい反日運動が起こる一方で、“爆買い”のため多くの人が日本を訪れるなど、その実体と本心がよくわからない中国と中国人。一体、中国という国の行動原則はどこにあるのか? 事件・出来事の背後には必ず“権力闘争”がある。面白さ抜群の中国ウォッチャーの著者が、毛沢東~鄧小平~江沢民~胡錦濤~習近平と続く歴代権力者たちの凄まじい暗闘と策謀を解説。タブーを破って過激な反腐敗キャンペーンを続ける権力者習近平の本質を書きまくり、中国の恐るべき今とこれからに迫る。
感想・レビュー・書評
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FK1a
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隣の大国が西洋の価値観とは全く別のルールで動いていることがよく分かる。アンチ・ヘイトに繋がりかねない書き方ではあるので、冷静に読む必要がある。
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鄧小平以降の江沢民の上海閥、胡錦濤の共青団、それらの力を排除しようとして腐敗撲滅運動をする習近平という流れをゴシップなどを含めて記載している。
CCTVは後宮という位置づけもすごいと思った。 -
ここ数年、中国の権力闘争についてのニュースを読み解くのに、福島さんの意見を参考にすることが多い。
断片的に見聞きする、中国からのニュース。
それも最新のもの、習金平政権による反腐敗キャンペーンによって、獄に繋がれ、あるいは死に追いやられ、または謎の死を遂げる大物政治局員たち。
その反腐敗キャンペーンは、国家人民のために行われているためでは決してなく、胡錦濤、江沢民の流れを汲む権力者たちとの闘争に、習金平が勝ちを収めていく過程に過ぎない。
本書は、その、表面的には反腐敗キャンペーンと糊塗されている権力闘争の真の姿を、細かく解説してくれる。
これは歴史ではなく、いま現在、現実に隣国中国で繰り広げられている闘争である。
その、不安定な国家は、現在、世界第二位の軍事国家であり、核兵器を保有し、隣接諸国との境界線を伺う状態にある。国内の不安定さを解消するには、国外の敵に対して一致団結するという方法も、選択肢のひとつに数えられるはずだ。
本書は、習金平がこれからたどると考えられる道を、4つのシナリオとして提示する。そのどのシナリオも、隣国である我が国に、大いなる影響を及ぼすことになるのだろう。 -
4頁:台湾方面と強調し漁民漁船作業の保護の名義で軍艦を釣魚島付近に派遣します。
・「協調」「名目」? -
★2016年2月13日読了 『権力闘争がわかれば、中国がわかる』福島香織著 評価B+
中国の国家主席習近平は、腐敗撲滅運動で中国一般大衆の絶大な支持を集めている。しかし、この活動は、よく知られている通り、中国共産党上層部内の権力闘争の一手段であって決して一般大衆のためのものではない。
そして、その運動の内情は複雑で、共産党幹部子弟を中心に形成されている江沢民を中心とした太子党と共産党内部を自らの能力と努力でのし上がってきた胡錦濤を中心とした叩き上げの共青団。上海地区から中央へのし上がってきた上海閥。石油利権関連からのし上がってきた石油閥。などなど多種多彩な集団間での利権の奪い合い。日本のように仲良く痛み分けはなく、食うか食われるかがいかにも大陸的。
したがって敗れたものは、裁判にかけられて下手をすれば、一生刑務所につながれる。
読んでいて感じたのは、組織は近代的でも内情は、王政時代と変わらぬ基本構図で、そこには、利権と女が絡む、歴代の腐敗した圧政王朝と変わらぬ世界がある。
それにしても北京の中央電子台の美人キャスターたちと中央政界重鎮とのドロドロとした愛人、婚姻関係はすさまじいですね。ここまでとは知りませんでした。
これらに比べれば、どこぞのヒヨッコ議員が不倫した?程度で辞職していたら、中国ではいくつ生命があっても足りないですね。それほど、酷い。ある意味ではついこの間まで、日本も同じようなところがあったわけで、人間の本質ではあるのでしょう。残念ながら、その舞台が、各国によって異なり、私企業なのか、政府なのか、共産党なのかの違いというわけでしょう。
それにしても、これらの中国国内政治の腐敗、混乱への大衆の不満を日本という仮想敵国に向けていただきたくないなあというのが正直な感想です。