マフィア帝国 ハバナの夜 ―ランスキー・カストロ・ケネディの時代

制作 : 伊藤 孝 
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865810547

作品紹介・あらすじ

全米ベストセラー!頭脳派マフィアが築いた悪徳の帝国!

バティスタ独裁政権下のキューバの首都ハバナは世界有数の享楽の都だった。豪華なカジノホテル、華麗なショー、一獲千金のギャンブル、赤裸々なセックスと女、流行のラテン音楽を求めて、世界中から大勢の観光客やセレブが訪れた。それらの〝ビジネス〟を取り仕切ったのが、ランスキー率いるアメリカマフィアだ。マフィア随一の頭脳派ランスキーは、この地にマフィアの犯罪帝国を打ち立てた。

バティスタを巨額賄賂で取り込む一方、敵対マフィアを暗殺し権力集中をはかるランスキー。だが、マフィアたちの野望の前に、バティスタ打倒を掲げるカストロの革命軍が現れた--。

ニューヨークタイムズ・ベストセラー!1959年のキューバ革命の裏にあったマフィアの策動を描く犯罪ノンフィクション!有名マフィア多数登場!衝撃の口絵8ページつき!『ゴッドファーザーⅡ』の真相がいま明らかに!

感想・レビュー・書評

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  • 新年になって早々、NHK-BSが映画「ゴッドファーザー」「ゴッドファー
    ザーPart2」を連続して放映した。勿論、見ましたとも。私の好きな映
    画なのだもの。

    マフィアの親子2代にわたる物語は、実際にあったマフィア絡みの事件
    がエピソードとしていくつも散りばめられている。長編映画2本を見終
    わって書庫を漁って掘り出したのが本書だ。

    「Part2」には父の跡を継いで、ファミリーおドンになったアル・パチーノ
    演じるマイケル・コルレオーネが革命前夜のキューバの首都ハバナを
    訪れる場面があるのだが、本書ではアメリカで財を蓄えたマフィアたち
    のキューバ進出とフィデル・カストロ率いる革命軍によってキューバ情勢
    ががらりと変わってしまうまでを描いている。

    スペインからの独立を勝ち取り、何度かの政権交代が起きたキューバ
    は北米からの観光客に人気が高かった。そこに目をつけたがマフィア
    たち。

    何もなかったラスベガスをギャンブルとエンターテイメントの都に作り上
    げた手法そのままに、首都ハバナを一大歓楽地にする為に大物マフィア
    たちは資金を集め、絢爛豪華な帝国を築いた。

    そこには勿論、キューバ政府の協力も不可欠だった。一介の軍曹から
    大統領に登り詰めたバティスタはじめとした政府高官への賄賂、カジノ
    やナイトクラブ等の権利の分配。

    マイアミの目と鼻の先にあるキューバには夢の都を堪能しようと、北米
    各地からセレブリティなどの観光客が押し寄せた。

    しかし、繁栄は長く続かない。アメリカの傀儡であり、偽の民主主義者
    バティスタ打倒を目指し、シエラ・マエストラ山中に潜み、着々と支援者
    を増やしていたフィデル・カストロたちの革命軍は徐々に首都に迫る
    勢いを見せていた。

    もうこの辺りは映画「ゴッドファーザーPart2」のハバナの場面そのまま
    なんだわ。1958年の大晦日から1959年の新年にかけて、ハバナを目指
    し侵攻して来る反乱軍を前にバティスタはいち早くキューバを脱出し、
    繁栄と巨額の収入の上に安泰を感じていたマフィアたちは慌てふため
    いてカジノやナイトクラブから現金をかき集め、自分たちの帝国を守ろう
    とする。

    この場面は圧巻だ。特にハバナで絶対的な権力を握ったマイヤー・ラン
    スキーの沈着冷静振りはマフィアのなかでも「最も賢い男」と言われただ
    けあって状況判断の的確さには驚きを禁じ得ない。

    マイヤー・ランスキーだけではなく、大物マフィアの名前や彼らにまつわる
    エピソード盛りだくさん。革命までのキューバの歴史も詳細に綴られてい
    る良書なのだが、残念な点もいくつか。

    本文内で引用されている参考文献の日本語訳が出ているのかが不明な
    点と、ドル表記の金額が日本円でいくらに相当するのかの補足説明が
    ないこと。原書の参考文献一覧が虫眼鏡が必要なくらいの小さなコピー
    で済ませていること。

    ノンフィクション好きは参考文献が気になるんだよね。まぁ、それが積読が
    増える要因にもなるのだけれど、ここはきっちりと表記して欲しかった。

    尚、原書出版時はフィデル・カストロがまだ存命だった。アメリカとの国交
    が回復し、今後、アメリカ資本がキューバに投入された時、「ハバナの夢
    よ、もう一度」とばかりに「酒とバラの日々」を再現しようとする人々が
    キューバを変えてしまうのか気になるところだ。

    サブタイトルに入っているジョン・F・ケネディの話も出て来るが、本書を
    読んでいるとケネディ暗殺はやっぱりマフィアの仕業か?と思えてしまう。

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