ある限界集落の記録 昭和二十年代の奥山に生きて

  • 冨山房インターナショナル
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866001166

作品紹介・あらすじ

著者の生まれ故郷、岡山県新見市上熊谷の指野集落は、中国山地の奥深くに位置しており、電気がついたのは昭和22(1947)年、道路が通じたのは昭和35(1960)年だった。昭和20年代に12軒、数百人を超える住民で賑わっていたが、現在は3軒に暮らす、十人にも満たない人々を残すのみとなってしまった。著者は青年期に故郷を離れ、ドイツ文学の研究者となったが、いま改めて、故郷の忘れられゆくかつての暮らしを残しておこうと記録したのが本書である。昭和20年代の集落の様子と生活がつぶさに描かれ、高度経済成長期以前の奥山の暮らしと、そこに生活する人々の喜怒哀楽が甦る。筆者の母や兄弟の人生も語られ、戦後日本の山村出身者一家のひとつの歴史を見ることが出来る。それは、地縁や血縁の共同体のかつての姿と、それらが消滅していく過程でもあった。

発行=富山房企畫
発売=冨山房インターナショナル

感想・レビュー・書評

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  • 中国山脈の奥深く、舞台は岡山県新見市大字上熊谷の指野という集落が、現在は限界集落となった記録である。
    昭和初期から戦後の昭和、平静を経て令和に至る九十年前後を生きた者たちの記憶。

    集落の風景のなかで家の造りや間取りを見て、母方の祖母の家のことを思い出した。
    土間があり、屋外に五右衛門風呂があったことを…

    自給自足の食卓や節目の行事ごとも記憶にある。
    葬式や法事の煮炊きは親戚や近所のおばさん達が、作っていたことも思い出す。
    今では葬式に和装姿を見ることもなく、葬儀場にすべてお任せしている。
    それも時代だろうが、今ではお経を唱える年長の親戚たちもいないのだから仕方ないのかもしれない。
    我々のような子ども世代に引き継がれることなく、すべて簡単に済ませるようになった。

    その祖母の古い家には誰もいない。

    消えゆくふるさと、とは寂しいものだ。






  • 限界集落でも、最期まで暮らし続けたい - 記事 | NHK ハートネット(2019年04月17日)
    https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/206/

    小谷 裕幸 (Hiroyuki Kodani) - マイポータル - researchmap
    https://researchmap.jp/read0017669

    ある限界集落の記録ー昭和二十年代の奥山に生きて – 冨山房インターナショナル
    https://www.fuzambo-intl.com/i-310/

  •  昭和20年代、中国山脈の岡山県奥深い山村にある一集落の伝記。1940年生まれ、小谷裕幸「ある限界集落の記録」、昭和20年代の奥山に生きて、2023.8発行。4つの章立て: 集落の風景、四季のいとなみと行事、日常の楽しみと苦労、日々の暮らし。子どもの遊びでは、私も同じ遊びを楽しみました。ビー玉、メンコ、釘立て、コマ回し、三角ベース、竹馬など。

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  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/569018

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著者プロフィール

1940年生まれ。岡山県出身。大阪大学文学部卒業。同大学大学院修士課程修了(独文学)。現在、鹿児島大学名誉教授。専門は、ドイツ語、独文学、児童文化論。翻訳書に『ふしぎなどうぶつえん』『びっくりどうぶつえん』(サラ・バル作、冨山房)、『東洋紀行』(G.クライトナー著、平凡社)がある。

「2016年 『ドナウ民話集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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