日本の時代をつくった本

制作 : 永江 朗 
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本棚登録 : 24
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866210407

感想・レビュー・書評

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  • 小布施の図書館で見つけました。

    本が時代をつくる
    というところに興味を持ちました。
    どんな本が、どんな時代をつくったのか。

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    書物は時代を映す鏡だ。時代が書物をつくる。
    (中略)
    それだけではなく、書物が時代をつくることもある。たとえば福沢諭吉「学問のすゝめ」は明治の精神に大きな影響を与えた。
    (中略)
    ひとつひとつの書物を見ながら150年を振り返ると、これからの150年がおぼろげながらも見えてくる。
    -p3.4
    ---

    「学問のすゝめ」は1872(明治5)年に出版されました。
    鳥羽伏見の戦いが明治元年、その翌年には五稜郭が落城、戦は終焉。
    年号は江戸から明治へと変わっていましたが、まだ人々の感覚は江戸時代のままでおり、世の中はこれから新時代へと変化していこうとするタイミングでした。
    そこからわずか数年で、政治や社会制度などが急速に近代化していきます。

    ---
    こうして政治や生活はどんどん新しくなっていくが、新しい世の中で人々はどのように生きればいいのかということは誰も教えてくれない。そこにタイミングよく発売されたのが「学問のすゝめ」であった。
    -p26
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    最終的には約340万部売れ、これは当時の国民の10人に1人は読んだことになる。
    -p27
    ---

    10人に1人。
    まさに時代をつくった本。
    ここから人々は、必死で学問をし、日本を世界第2位の経済大国へと押し上げていきます。
    西洋列強に追いつけ追い越せの精神で、近代化を進め、隣の大国である清(中国)やロシアに勝利し、西洋列強の仲間入りを果たしたと喜び、国を拡げようとし、自らの力を過信し、自らを省みて、今に至ります。

    この先どうなっていくのか。
    どんな時代が待っているのか。
    そういう部分を大まかに把握した上で、では自分はどう振る舞うのか、ということを選択していきたいという思いが強くあります。

    この本には、把握する上でのヒントがあるような気がして、手に取りました。

    もくじは、
    「江戸時代」から、「昭和後期(戦後)・平成」まで。
    明治時代からは、代表的な作品がそれぞれ10ー30作ほど紹介されています。

    明治時代
    国のあるべき姿についてなど政治に関すること、西洋化の流れによる葛藤など、それにより失われつつある日本の古き良き文化の再評価などに関すること、などの内容の本が多い印象。

    大正時代
    明治時代に比べて、政治に関するものは少ない印象。
    小説や、近代化により取り残された人々に焦点を当て問題提起をするような内容の本など。

    昭和前期(戦前)
    日本の「いき」、日本の「美」、戦時中に関する内容の本など。

    昭和後期(戦後)
    戦争の影に関するもの、高度経済成長の勢いにのった小説や雑誌など、高度経済成長による弊害(公害問題など)に関する内容の本など。

    昭和後期(戦後)・平成
    青春小説、男女の自由な恋愛に関するもの、若者の日常をありのままに切り取ったもの、などに関する本。
    これまでの時代と比較して、かなり軽い、という印象。

    ---
    人間の内面や主体を重んじた近代文学と一線を画し、高度資本主義経済のまっただ中で乾いた会話を特色とする世界観で村上は後世の作家に影響を与えた。世界や歴史とのつながりが希薄で、自分の手が届く範囲しか確かに信じられるものもないし、興味もない。それはまさに21世紀を生きる私たちの世界を映し出しているのだろう。
    -p223
    ---
     
    世界とは容易に繋がれるようになりました。インターネットを開けば世界の景色は見られますし、ちょっとお金を貯めればすぐに海外へ行けます。
    そのことがかえって、簡単に手に入るということがかえって、世界への関心を薄くしているのかもしれない、と思いました。
    すごく欲しくて欲しくてたまらなかった洋服が、いざ手元にきた途端に、なんの魅力もなくなってしまう、的な?
    あとは、ある種のあきらめ。
    自分ひとりがどうこうしたって、世界変わらないし、よくならないし。
    それより今が楽しければそれでいいやー\ハッピー/
    世界を変えたいとかって言うのって、ダサくない?
    カッコつけてるだけじゃん。
    的な?
    政治とかよくわかんないしー。
    的な?
    今の中高生って、将来のことどんな風に思っているんでしょうか。気になります。
    日本をよくしたい!世界をよくしたい!と思っている人半分、将来とかわかんないしー半分、くらいでしょうか。
    そう思うと別にいつの時代もあまり変わらないか、と思ったりしますが。
    私が高校生の時もそんな感じだったし。

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    河上徹太郎が「混沌暗澹たる平和は、戦争の純一さに比べて、何と濁った、不快なものであるか!」と書き、それに対して、亀井勝一郎は「奴隷の平和よりも王者の戦争を!」と応えた。
    -p159
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    1942(昭和17)年、雑誌「文學界」の9月号、10月号に掲載されたのが座談会「近代の超克」だ。(中略)
    司会の河上が「これだけの人数の一流の人たち」と語っているように、(略)当時の論客が集まった。
    座談会では西洋的近代についてや、それが日本に何をもたらしたか、日本がその矛盾を克服する可能性があるか、について論じられた。
    -p158
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    経済が行き詰まるとナショナリズムが顔を覗かせるのは歴史が物語る。「近代の超克」で一流の知識人が果たした戦争合理化の側面を我々は忘れてはならないだろう。
    -p159
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    のんびりとした平和。
    有り余っているエネルギー。
    グローバル化に伴って、世界の中の日本、という位置づけを意識せざるをえない状況、日本って何?ということを考えざるを得ない状況。
    民族って、ナショナリズムって。
    今こそ日本国民の誇りを取り戻そう!伝統文化の良さを見直そう!
    明治維新の立役者を見習おう!
    もう戦争から70年経ったんだしいつまでも責任引きずらなくてもよくない?
    そんな流れ。
    嫌な流れ。
    のような、気がしています。
    でも、どうしたらいいかわからない。
    どっちに進めばいいか。
    今のタイミングで、「学問のすゝめ」的なのが出たら、きっと大ベストセラーになるでしょう(勘)。

    まあ、一朝一夕で答えは出ません。

    でも、もっとエネルギーを外に出していいと思います。
    世界の平和へ、世界の発展へ。
    この国を良くしていくパワーへ。
    声を大にして、日本のこと、世界のことを語ることは、いいこと。
    偽善者ぶっていて、いい。
    いい人ぶっていて、いい。
    頭のいいフリ、でいい。
    日本が世界とどう関わっていくか。
    経済成長のための技術協力。
    あ、原発はなしで。
    BOP、草の根、いいですね。
    国際交流、それこそ旅。
    あ、でも感染症とか怖いですいま。
    観光大国目指そう、あ、目指しているか。観光立国。
    先例ってある?ギリシャとか?
    世界でていきましょー!!
    他国の戦争に首をつっこむ必要はないと思います。
    目指せ、コスタリカ。

    私は。
    国際交流、旅、もっと推していきます。
    外へ出て、暮らして、いろんな国籍のいろんな価値観を持った人たちと交流します。
    観光大国、観光立国については大きな視点で知ります学びます。
    日本の憲法のこと、基地のこと、日米安保のこと、知ります学びます。
    知って学んで、話をして、話を聞いて、文章にして、また知って学んで。
    自分ひとりができることなんて、これっぽっちだとわかっています。
    それでも、自分が行きたいと思った方に進みます。
    アフリカ、行きたいなあ。

    濃い本に出会えました。

    「日本の時代をつくった本」展とかあったら面白そう。
    時代の流れを肌で感じられそう。
    ここに出てきた本をその場で読めたり。
    その時代の映像とか流れたら更に感じやすいかも。

    なんて妄想でした。

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