元大統領顧問が導く「自立国家」日本の創り方

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  • ダイレクト出版株式会社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866220796

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  • 「自立国家」日本の創り方 北野幸伯 ダイレクト出版

    末期のソ連で鍛えた情報収集と読み解き方から
    日本の今を読み目からウロコの未来を創造する
    実に端的な文章で読みやすく理解できる
    耳を傾けるべき面白い内容だ

    日本はその昔国譲りと言う身の引き方で
    競争原理に侵されることなる事なく
    自らに従った稀有な民族のようだ
    それがお上信仰となって
    今に至っているのかもしれないと思っているが

    この本による日本は自立を目指すことのない
    依存国家であると言い
    この先自立を目指さないと消滅すると占う
    そしてそのやり方を具体的に解説する
    過去12年に渡る予言を的中させてきた実力を
    背景にした説得力を持って力説している
    聞くに値する面白い内容だが

    しかし国家と言う利権組織の背景には
    それぞれの環境で育った個々の人間が
    大自然と共にいることを
    忘れるべきでないと私は思う

    物の所有に特化した唯物的世界観からすれば
    「自立」なのだろうが
    精神という意識を根底とするならば
    調和を意識した切磋琢磨による
    相乗効果を得る必要があり
    「自律」と言う広い視野で宇宙を
    とらえなければならないと思うのだが

  • この手の本にしては非常に読みやすくおススメ。
    私でも理解できましたので…

    ・日本は高付加価値の富裕層向けの高価格製品、サービスを提供すべき。金融=アメリカ、製造(安価)=中国には敵わないのだから。90%の富を持っている世界の10%向けに商売すればよい

    ・自虐思想を植え付けたアメリカと日本の教科書問題。なぜ自国にマイナスな教科書を作成したのか?⇒教科書を作ったのは共産主義者の多い歴史学研究会。戦前の体制を否定する思惑とアメリカの意向とが合致したため

  • 20210430読了
    4.4評価で四捨五入☆4つ
    覚書
    改訂にあたって2020年版の序文
    序章
    第1章 移民労働者大量受け入れに反対!
    第2章 平和ボケ 外交音痴 日本の行く末
    第3章 食糧危機をどう乗り切る?
    第4章 世界一教育熱心な国 日本が失った“教育”
    第5章 脱アメリカ信仰!日本は世界から愛されている
    おわりに 私には夢がある

    動画を見ている時に入った広告、
    「今だけ金だけ自分だけ」系の本が面白そうで数冊、
    取寄せた中の1冊。
    ゴルビーにあこがれて日本人初のモスクワ国際関係大学
    国際関係部に入学した翌日、ソ連崩壊を経験した著者。
    ざっくり言うと、とても読みやすかった。
    現代のような格差社会は、いつかなくなるであろうと
    信じたいが、今を生きる・生き抜くにはという面で
    いろいろ参考になった。
    日々、食事を作る主婦ゆえに日本マックの元社長&会長
    だった藤田田氏の某台詞が忘れられない。
    私だったら、そうはさせまい。(謎笑)
    著者がおっしゃった、習うは真似る。
    ちょっと忘れていた↑この言葉。
    またこの著者の本を読んでみたいと思った^^

  • コロナで生活が変わったのが、私の場合は2020年の3月からとなります。通勤時間が1時間程度あるので、毎朝その時間を利用して読書をしていましたが、在宅勤務になってからはその時間を散歩に当てているため、読書量がかなり減少しました。なので、本を読み始める前と、1割程度読み終わった時に、全部読むべきかを考えながら読む様になりました。

    この本は在宅勤務生活が始まって丁度1年程度経過した時にネットで宣伝されていて取り寄せた本です。この本は昨年7月に発行されたものですが、ベースは私が今の会社に転職した頃の2008年に書かれたものです。前書きによれば、その時に予測した3つのことが的中(アメリカ没落、親中政権の成立、尖閣問題により日中対立)したそうです。

    以下は気になったポイントです。

    ・2008年9月に出版した時に予測した3つが的中している、1)アメリカが没落、2)日本に親中政権(はとやませいけん)ができた、中国の経済成長、3)尖閣問題から日中対立が激化(p5)

    ・世界最大の赤字国、借金国の通貨ドルの下げ幅がこれまで比較的緩やかだったのには2つの理由がある、1)ドルは還流している(高金利、米国債、株高、為替介入)、2)ドルは基軸通貨である(p14)

    ・ソ連崩壊後に状況は変わる、92年には2600%ものハイパーインフレが起こり、ロシア国民は貧困に突き落とされた、93年には極右のロシア自由党が第1党になっている、この当時から民族差別が深刻化する。連邦崩壊後に旧ソ連からモスクワに来た人たちは、おそらく90%以上がロシア人の嫌う仕事をしている(p57)日本人がヤリたららない仕事は、貧しくて安く雇える外国人にやらせればいい、という差別的移民はやめるべきである。3K移民以外はどんどん入れるべき(p61)日本人も尊敬してしまう外国人を受け入れる必要がある(p62)

    ・生産性をあげるには、IT化とロボット化でやれば良い。翻訳ロボット、秘書ロボット、お掃除ロボット、窓拭きロボット、(ほぼ)無人タンカー、(ほほ)無人貨物船、介護用ロボット、建設ロボットなど(p65)

    ・金儲け外交というと品格がないので、経済的相互利益を追求する外交、というべき(p88)

    ・欧州やロシアに来ているアメリカ企業の労働環境は、決して非人道的ではない、残業はあまりなく、あればきちんと残業代をはらい、長期の夏休みを与えている。なぜアメリカ企業は日本人をこき使い、欧州人やロシア人に優しいのか、それは労働者の権利を各国が法律で定め、外国企業に厳格な実行を求めているから(p93)

    ・アジア共同体の枠内で「人の移動の自由」という取り決めができていれば、移民の禁止は難しくなり日本人の失業率は激増するだろう。日本企業は中国、インドに出ていって儲かる、日本にはアジア全体から貧民が殺到し、日本人労働者は失業する、国はサービス業のみになり国力は衰える。アジア共同体とは、企業と発展途上国に美味しい話で、日本には何の利益ももたらさない(p95)

    ・中国の最新兵器は全てロシアからの輸入である、アメリカが中東を抑えれば中国は陸続きのロシアから石油・ガスを買うしか道がなくなる、中東・ロシア・中央アジアを抑えれば中国は戦争をする燃料がなくなる。中ロを分断するには、東シベリアー極東ナホトカ石油パイプラインの建設に協力すれば良い(p113)

    ・2016年12月、プーチン大統領が訪日し、日露関係は劇的に改善された、安倍総理は、日米・日露・日韓関係を改善させることで、「反日統一共同戦線戦略」を無力化させた(p122)

    ・今の世界貿易システムには大きな欠点がある、ある国が「輸入制限」をする、例えば高率の関税を課すなどすればWTOから罰せられるが、輸出制限をしても誰も何もできない。つまり、穀物の輸出制限はこれからも起きる、ということ(p145)

    ・個人や国の発展に必要なのは、第一に学ぶ力(記憶力)、第二に創造力である。学ぶは「まねぶ」の変化した言葉で、教われた通りに覚えること(p164)記憶力は年とは関係がない、勉強をし続ければ、年とともにますます良くなっていく(p172)

    ・仕事を楽しめるようになるには、1)自分の好きなことを仕事にすること、2)仕事を好きになること=どんな職業についても、その仕事が転職だと思って楽しむ、職業を道楽化することが幸せの秘訣である(p179)

    ・真実は相対的なもの、日本が正しい道を洗濯する第一歩は洗脳から抜け出すこと、このためには「いくつかの異なる見方を知ること」である(p201)

    ・アメリカがイラクを攻めたのは91年の湾岸戦争に続いて二度目であるが、2003年のイラク攻撃は全く意味の異なる戦争である。この時は国際世論は戦争反対であった、つまり、世界12億のイスラム教徒はイラク戦争に反対、キリスト教のカトリックと2億人の東方正教会は反対、人口13億の中国も反対、これだけで世界人口の約60%が反対であった(p214)

    ・野球の二軍選手、一軍選手、スター選手では、年収が1桁ずつ違う。2軍選手が100万円の車を買うのと、スター選手が1億円の車を買うのは同じ感覚である。ビジネス、スポーツ、芸能界でも、トップ1%が大富豪、10%が金持ち、残りはなんとか生活できるレベル、というのが事実らしい(p220)日本は、世界に10%いる、お金持ちをターゲットに商売をしていけばいい(p221)

    ・ロシアにいて何を聞かれるか、「禅の本質を教えてくれ」「武士道の本質を教えてくれ」ということ、日本人の私(筆者)に、英語を教えてくれ、と頼むロシア人はいない。苦境に陥った時に力を与えてくれるのは外国ではない、それは私たちの歴史であり、文化である(p233)

    2021年3月21日作成

  • 2008年の「隷属国家日本の岐路」に2020年版の答え合わせとなる補足をつけたもの。

    元々よく出来た本(本質をついていてしかもとても分かりやすい)ですが、こういう形でリメイクして再度稼ぐ方法もあるのかなと。

    しかし、同じタイトルの2020年補足版として出すならともかく、別タイトルで出すにしては、新規情報が少なすぎやしませんかと思いました。

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著者プロフィール

国際関係アナリスト。1970年生まれ。19歳でモスクワに留学。1996年、ロシアの外交官養成機関である「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を、日本人として初めて卒業(政治学修士)。メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」(RPE)を創刊。アメリカや日本のメディアとは全く異なる視点から発信される情報は、高く評価されている。2018年、日本に帰国。
著書に『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』(草思社)、『隷属国家日本の岐路』(ダイヤモンド社)、『日本人の知らないクレムリン・メソッド』(以上、集英社インターナショナル)、『日本の地政学』(小社刊)などがある。

「2022年 『黒化する世界 ――民主主義は生き残れるのか?――』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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