なぜ鏡は左右だけ反転させるのか 空間と時間から考える哲学

  • 教育評論社 (2024年5月20日発売)
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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784866241005

作品紹介・あらすじ

時間と空間の身近な謎に分析哲学のアプローチから迫る!
鏡像反転、タイムトラベル映画に潜む哲学的な問いかけ数学や物理学、回転座標や宿命論、デカルト、カント、ガードナー、ブロック、ダメット、テイラー……など
あらゆる手段を駆使して論理的な答えを追求する。
〈当たり前〉を見つめ直し、世界が包有するさまざまな可能性を見出す試み!
2003年に哲学書房から刊行された『なぜ私たちは過去へ行けないのか――ほんとうの哲学入門』の改訂版。カント生誕300年を記念し、カントの空間論についてより踏み込んだ内容を加筆しました。

感想・レビュー・書評

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  • 半分も理解はできてない。。
    ただ、xyz座標で出すとそのままだと理解。
    未来に行けない、過去に戻れない、というのは今しか体験できていないから変わったかどうかそれが真実かどうかはわからない、ということであれば変わらない、という結論を自分としては出してみた。
    162冊目読了。

  • デジカメが出現してから撮り直しが増えたなぁ~。
    メンドクサイなぁ~。
    必ず撮り直す友達に、何故か
    と聞いたら写真写りが悪いから。と
    うん?
    いや、ちゃんと写っているよ
    と、言っても納得してくれないし、何故か?
    あなたが見ているあなたの顔は鏡で見ている顔でしょ?
    本当の顔は写真に写っている顔だよ。
    え?
    鏡で見ている顔は左右反対だもん、ね。

    なぜ?鏡は左右反対なの?

    と聞かれた事か!

    この本を読んでも、説明できない自分が情けないよ。


  • 鏡が前後を反映するという3次元の話は知っていたが、そこがスタートとは。。
    頭がついていけなかった。。
    気楽に読むことはできない

  • ふむ

  • 題名に惹かれて読んだけど、なんかスパッと分かる説明はない。
    後半はもはや鏡の話しでもない。

  • 2003年に初版が出てからの20年後の改訂版である。注やあとがきで初版からどのように改訂されているかが丁寧にかかれている。また埼玉大学での哲学の入門の授業であるために、初学者でも読みやすくなっている。教員養成系大学の学生も教師の教養として哲学は必須であるので、西洋の哲学者の歴史を学ぶよりはこうした哲学書を読むことがよい。鏡の左右反転が前半でターミネーターが後半であり、学生にとってもなじみやすいと思われる。

  • 科学(自然科学)の本かと思ったら哲学書だった。個人的には「鏡が反転させるのは左右ではなく前後」という理解をしていたが、本書ではそこに止まらず、さらに踏み込んで考察している。そしてその領域は科学というよりも哲学なのだというのが分かりやすく解説されている良書だった。後半の「なぜ私たちは過去に行けないのか」も同様の考察をしているが、こちらは分かったようなわからないような話だった。

  • 「なぜ私たちは過去へ行けないのか:ほんとうの哲学入門(魂の本性 1)」(加地大介著、哲学書房、2003.11.01)の新版。

  • 本書のタイトルになっている命題について考えた時、人間の両目が左右に並んで付いているからかな? と私も著者と同じことをまず直感的に思ったが、もちろんそんな単純な話で終わるわけはなく、しっかりと納得がいくように理屈で説明してくれる。
    ただ個人的には、紹介されているネッド・ブロックの主張から演繹できる理屈によって充分腑に落ち、そのあとに続くデカルト座標を用いた解説等よりも、大多数の人にとってはイメージすることが容易なのではないかな…と感じた。
    回転軸云々についても、後半に展開される説明は実に難解。
    "パリティ対称性の破れ"については初めて知り、勉強になった。

    タイムトラヴェルに関して論じる第二章では、特にまとめにかかるあたりから、種々の理論を広範に紹介するという形を取りつつも、詰まるところ著者が明確に主張したいところへと多少の強引さを以て引っ張っていく、力業のような印象を持った。
    自然科学の観点に立って論ずるのではなく、あくまで哲学者である著者が語る論理であるから当然と言えるのかもしれないが、いわゆる思考実験に終始しており、恣意的な解釈で煙に巻かれたような? とはあまりにネガティヴな評価に過ぎるか…?

    いずれにせよ、哲学と数学や物理学は不可分だということを、通読して改めて感じた次第。
    論理学にまつわる議論でさえ、物理法則と密接に絡み合っているではないか。
    また、旧版は編集者の意向により第一章と第二章が逆だったそうだが、新版を出すにあたり著者本来の企図に従う順に戻したとのこと、こちらが明らかに正解だろう。
    第一章に敬意を表し、星4つ。

    旧版あとがきを読み、形而上学というものも一度きちんと学んでみたい、と思った。

    「私たちの『背骨』ことが空間認識における回転軸となっていると考えられるでしょう。~中略~
     私たちは決して鏡像を『デカルト座標的に』あるいは『物理学的に』『宇宙論的に』見ていません。『回転座標的に』あるいは『生物学的に』『環境論的に』見ているのです。」
    「いぜれにせよ、やはり結局は、左右にまつわる問題に回答するためには、『空間とはそもそも何か』という空間の『本質』についての考察が求められることとなるでしょう。」

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著者プロフィール

1960年、愛知県に生まれる。1983年、東京大学教養学部(科学史科学哲学分科)卒業。1989年、東京大学人文科学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得退学。2007-08年、ニューヨーク大学、ダラム大学(いずれも哲学科)客員研究員。現在、埼玉大学大学院人文社会科学研究科教授。専門は形而上学および論理哲学。主な著書に『なぜ私たちは過去へ行けないのか――ほんとうの哲学入門』(哲学書房、2003年)、『もの――現代的実体主義の存在論』(春秋社、2018年)、『論理学の驚き――哲学的論理学入門』(教育評論社、2020年)などがある。

「2023年 『穴と境界 存在論的探究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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