言語学者も知らない謎な日本語 研究者の父、大学生の娘に若者言葉を学ぶ
- 教育評論社 (2024年10月28日発売)


- 本 ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866241074
作品紹介・あらすじ
「わかりみが深い」「あの発言、メタい」
「ちょっと待った! 例文を頼む!」
言語学者の父が娘たちと繰り広げる“謎な日本語の世界”
めくるめく言葉の海に父と娘が飛び込む! ! !
(例)●旅行に出発する朝のこと
「それブーメランだよ。お父さんだってスーツケースと、それにあの釣り道具。1人じゃ持てない量じゃない…」
「大人はいいんだよ、大人は。それよりブーメラン? 投げると戻ってくるあれのことか?」
「出た、大人の理不尽。私だって成人してるんだけど…。 そして、ブーメランはそっちのブーメランじゃない! 自分の発言が自分に刺さることだよ」
「自分に刺さる? 分かるような、分からないような…。よし、例文だ!」(本書1章より)
「はじめに」(本書より抜粋)
若者言葉を知っていますか。
そう、「ヤバい」とか「ガチで」とか「それな」とか、若者がよく使う言葉のことです。10代から20代、とくに10代後半から20代前半の学生世代が仲間うちで話すときに使う、その世代特有の表現のことで、若者語とも呼ばれます。若い世代が持つ気持ちを表せる感覚的表現が多いことが特徴で、使うことで仲間の共感を得やすく、会話が弾むため、同じ世代の会話で多用されます。
一方で、他の世代には通じないことが多く、嫌われたり敬遠されたりすることもあれば、時代の先端を行く流行語として、社会的に関心を集めたり注目を浴びたりもする、なかなか忙しい言葉です。
そんな現代の若者言葉の実態を描きだす本書の筆者は二人です。
そのうちの一人、石黒圭は、この「はじめに」を書いている50代の研究者です。東京都立川市にある国立国語研究所で日本語の研究をしています。一橋大学大学院言語社会研究科と総合研究大学院大学という二つの大学院で研究指導を担当していますが、大学院生は大人なので、若者言葉に触れる機会はあまりなく、たまに触れる若者言葉が珍しくてたまりません。
もう一人の筆者、石黒愛さんは、首都圏にある某大学文系学部に通う学部2年生です。石黒圭の娘ですが、日本語が専門ではないごく普通の大学生です。流行には鈍感で、周回遅れになるタイ プですが、オタク道を極めることに熱心で、家庭内でその方面の 若者言葉を使っては、日本語研究者の父親の質問攻めに遭っているかわいそうな存在です。
本書では、家庭内で若者言葉を使う三姉妹が出てきて、父親とかみ合わない会話と繰り広げます。実際の石黒家も愛さんを長女とする三姉妹ですが、会話自体はフィクションであり、実在の人物とは、たぶん関係がありません。(略)
若者言葉の世界は、一見すると軽薄な言葉ばかりのように感じられ、浅く見えるかもしれません。しかし、一つひとつを丹念に掘り下げていくと、どの言葉も深みと味わいがあり、一度ハマると抜けだせない深い沼です。
それでは、これから読者のみなさんとご一緒に、不思議な魅力でいっぱいの「若者言葉の沼」の探検に出かけることにいたしましょう!
感想・レビュー・書評
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若者言葉は、ある種の隠語として若者の間で話される言葉ですが、若者の中だけでなく広まって、一般的な言葉になったものも多いです。
最近の若いモンの言葉は乱れている! と捉えるか、これも日本語の変遷の一形態と捉えるか。その判断には一定の期間が必要です。
この本は、言語学者・日本語学者の石黒 圭先生が、大学2年生の愛娘ちゃん、その名も愛さんから、若者言葉を教授してもらう本です。
面白いです♪ 興味深い言葉・事案がたくさん出ています。
言葉の言い替えや意味の変化には、実は深い理由があったりします。
わたしのようなオバちゃんが、若ぶって使うと、とてもイタイ若者言葉ですが、わたしは結構好き、、、いえ、ダイスキですw
でも、使い始めると、若者の間ではすでに死語になっているケースも多いですから、要注意ですw
大人のみなさんは、若者言葉の取り扱いには注意しましょうね♡
はい。この本でお勉強しましょ♪
分かりみ、ハンパないですよw -
親子の会話で解説してくれるのが
ちゃんとオチもあり、ふふふっと笑える
新しい言葉の解説本。
若者よりも言葉をわかりたい大人が気軽に読むタイプの本。
最近の言葉はけしからんと思ってる方には
刺さらない本かもしれません。 -
それな!わかりみ、えぐい、秒で。若者言葉の用例と成り立ちを解説。会話が密な世代は次々と新しい言葉や組み合わせを作り上げていく。そして今この瞬間に本書の言葉も古びていくだろう。言語学者ならではの視点は非常にためになる。幅広い世代に推したい本だ。
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#読みたい本
若者言葉、それはいかがなものか、と思うものも多いが、中には感心して積極的に使ってみたくなるものもある。内容紹介の「旅行に出発する朝の例」レベルが頻出ならば読む気は失せるが、はたしてどうなのか確かめたい
#謎な日本語
#石黒圭
#石黒愛
24/10/28出版
https://amzn.to/40HbA97 -
日本語研究者の父が三人の愛娘たちから若者言葉を学ぶ。やりとりも楽しいけど、各章の間に書かれているコラムもためになる。日本語学者の本はどれも中身が硬いけど、この本は日本語の変化球を手軽に楽しめて、ちょっと賢くなれる本でした。
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タイトル通りの内容。若者言葉と言っても全く知らない見たことも聞いたこともないという言葉は無いというのは本というメディアの限界かな。ネットスラングとは微妙に違うものかとも思いました。
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感想
言葉は変化する。使いやすく、面白おかしく。仲間内だけで通じる符牒。だがそれは言語の真の姿。ウチとソトを区別する。本質は変わらない。 -
電車内に貼ってある広告にあった「タイパ」がわからないまま数ヶ月通勤で乗っていたのですが、この本を読んで解消されました。読みやすくわかりやすかったです。
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<目次>
第1章 若者名詞
第2章 若者造語
第3章 若者略語
第4章 若者形容詞
第5章 若者動詞
第6章 若者構文
第7章 若者副詞
第8章 若者接続詞・若者感動詞
<内容>
国語学者の石黒圭と娘の愛が会話形式(圭氏の次女、三女も参加)で今どきの「若者ことば」を解説していく。まず作りで成功している。ヘンな解説は少ないし、会話文の解説も端的。2024年刊なのでその年近辺の「若者ことば」が十分に盛り込まれている。高校生相手の私も納得。こういうことを研究したがる生徒もいるので、この本を紹介しよう! -
気づいたら自分も若くないなと感じてきた今日この頃。こないだ、ヤバたんって言ったら、ヤバみでしょって教えられました。やばたにえんってのもあるみたい。
印象に残ったのは、大人が無理をして若者言葉を使うと、「痛い人」になること。大人としてのきちんとした言葉遣いで距離をとって接した方が、若い世代と良好な関係を築くことができるということです。気をつけながらも、上手く使いながら距離を図っていきたいです。
著者プロフィール
石黒圭の作品






そうなんですよね。
言葉は生き物ですよね。
だから古典なんか同じ日本語なのに、雰囲気は日本人だからわか...
そうなんですよね。
言葉は生き物ですよね。
だから古典なんか同じ日本語なのに、雰囲気は日本人だからわかるけど、読めない笑。