ルポ 川崎(かわさき)【通常版】

著者 :
  • サイゾー
3.93
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  • (1)
本棚登録 : 260
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866250908

作品紹介・あらすじ

ここは、地獄か?工業都市・川崎で中1殺害事件をはじめ凄惨な出来事が続いたのは、偶然ではない-。その街のラップからヤクザ、ドラッグ、売春、貧困、人種差別までドキュメントし、ニッポンの病巣をえぐる!

感想・レビュー・書評

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  • 川崎のディープエリアをそこで生まれ育った人たちへのインタビューを中心に川崎の過去、現在そして未来への希望を記した本。
    現在でこそ、川崎は高層マンション、大きなショッピングセンターやコンサートホールができ普通のにぎやかな街の様相を醸し出しているが、かつては工業地帯とそれに伴う公害、風俗店(これは今でもあるが)等、一定年齢以上の人たちにはあまり良いイメージの街ではなかった。
    本書はそのようなバッドイメージにつながるような、川崎のダークサイドを浮き彫りにしているが、単にその部分を強調するわけではなく、その中で川崎を愛し、必死に生きている若者たちの模様を明確にすることで将来への希望を描いていて、単なる興味本位のルポとは一線を画した良書である。

  • 「ここは、地獄か?」という帯のコピーと黒煙を上げる工場の無機質な写真。音楽ライターでもある著者による本作は、近年、凄惨な殺人事件・放火で話題になった川崎の実態を描いた傑作ルポルタージュである。

    アメリカのデトロイトを彷彿とさせる劣悪な環境下で生まれた近年のヒップホップや、歴史的なヤクザとの関係性、売春、ドラッグ、人種問題など、極めて生々しい実態が克明に描かれる。そんな中である若者はヒップホップに、またある若者はダンスに、スケートボードに、と自身が進むべき道を見つけられた者たちはまだ幸福なのだと思う。彼らの背後には、そうした道を見つけられずに、地元の不良からアウトローへの進まざるを得なかった仲間の姿が容易に想像できるからである。

    それでも音楽やダンスといった文化が一抹の光になっているということは、読者である自分にとっても多少の救いにはなる。だからといって自分に何ができる、というわけではないにせよ。

  • これ日本の話?的な。

  • 負の面をうまくプラスに転化できた街だと思う。

  • 読み物としても面白いんだけど、行きつくところにあるものが文化であり、それを乗り越えていくのもまた"文化"なのだと思う。アンダーグラウンド・川崎を形成する磁場には、ヒップホップが強く息づいていて、若者の夢と未来を投影している。

  • 「川崎ってダサい」とか「川崎って公害の街」とかよく耳にする。最近は、中学生の殺人事件とか、老人ホームの殺人事件、簡易宿泊施設の放火事件とか、耳にしたくないような事件も続発した。そんな川崎の「今」を描くルポ。
    ということで手にした。
    構成としては、「不良版 現代の肖像」として『サイゾー』に連載されたものをまとめたというだけあって、文中は、同じ人ばかり登場してきて、整理すればいいのに…という印象はぬぐえない。
    また、川崎南部と北部は、住んでいる人たちもライフスタイルも、たぶんカルチャーも全然違う。北部のことも書かれていたらおもしろいと思う。これでは、『ルポ川崎区』かも。

  • 川崎は川崎でもほとんどが普通の川崎だけどね。

  • 2018.6.7
    不良も突き詰めてやった人は真面目なんたと思う。ちゃんと海外へ行って本場の文化に触れたりしてるし。自分たちの子供のこととか、次の世代のことを視野に入れて行動してるし。
    見た目だけでは全然わからないですね。

  • 現代の「リバーズ・エッジ」=川崎。
    「窓の外に広がる川崎の風景は夕陽に染まっている。また闇に飲み込まれるのだとしても、それはこの瞬間、確かに美しかった」

  • 川崎では昔4年間バイトをしていたから、知らぬわけではないのだが・・・
    現在でもサウスサイドでは、昼間から公園で中学生がラリって、酔いつぶれた親父が倒れているという光景が広がっているという。
    鶴見や東京の不良との抗争も、以前と変わらぬ世界だ。
    私の知る川崎は、ギャンブルと性風俗とヤクザとホエールズの町であったが、現在もさほど変わらぬ場所もあるようだ。
    でも外国人は更に増え、地元ではお互い上手く付き合っているのに、ヘイトな人間が遠征してきて、地元のカウンターと衝突したりする。
    それとラップの聖地となっているのも大きな変化だ。
    武蔵小杉辺りの再開発が、大きな成功を納めているが、この本に描かれる川崎の文化に変化は起こるのであろうか?

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