エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の“余命年”論

  • サイゾー
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866251776

作品紹介・あらすじ

『末期がん患者との対談本って、 今までにない前代未聞の企画じゃないですか?

いやーかなり楽しかった!

皆さまご協⼒ありがとうございました。

おかげさまで伝説になりそうな本が完成しました。』――叶井俊太郎 まえがきより



『夫のがんが判明した昨年は、⼈⽣で⼀番泣いた⼀年だった。

「なんで泣いてるの」 泣く私に、いつも夫は⾔う。

「泣いても仕⽅ないでしょ、治らないんだし。泣いて治るなら俺も泣くけどさ」

夫はがん告知されてから⼀度も泣いていない。』――妻・倉⽥真由美(漫画家)あとがきより



映画業界では知らない人のいない名物宣伝プロデューサー・叶井俊太郎(かない・しゅんたろう)。



数々のB級・C級映画や問題作を世に送り出しつつも結局は会社を倒産させ、

バツ3という私生活を含めて、毀誉褒貶を集めつつ、

それでもすべてを笑い飛ばしてきた男が、

膵臓がんに冒された!しかも、診断は末期。余命、半年──。



そのとき、男は残り少ない時間を治療に充てるのではなく、仕事に投じることに決めた。

そして、多忙な日々の合間を縫って、旧知の友へ会いに行くことにする……。



本作は、膵臓がんで余命宣告を受けた叶井俊太郎の対談集です。



対談相⼿は、鈴⽊敏夫、奥⼭和由、Kダブシャイン、ロッキン・ジェリービーン、樋⼝毅宏、柳下毅⼀郎、宇川直宏、中原昌也、江⼾⽊純、河崎実、清⽔崇、豊島圭介といった、叶井をよく知る映画監督、⼩説家、評論家、デザイナーなどに加え、妻・倉⽥真由美との出会いにかかわった編集者・中瀬ゆかり、作家・岩井志⿇⼦、中村うさぎといった⼥傑たちまで、実にさまざまです。



話題は叶井俊太郎の特異な処世術・仕事術や、90年代サブカル映画界隈のハチャメチャすぎるエピソード、バツ3の叶井俊太郎に友⼈を紹介する奇特な⼥性たちとの思い出話など。それらが爆笑とともに(本当に笑っている)語り尽くされます。 また、対談の後半では叶井俊太郎が対談相⼿に「余命半年を宣告されたら、あなたならどうする?」と質問。末期がん患者を相⼿に⾃らの余命に思いを巡らせるという、厳かでスリリングな展開が訪れます。



この本は、ひとりの映画⼈の業界冒険譚であると同時に、各界の⽂化⼈たちの“余命半年”論を通して、命との向き合い⽅を考え直すものとなっております。

感想・レビュー・書評

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  • 叶井俊太郎の名前はこの本で知ったし、映画も詳しくない。
    どちらかと言えば、映画こそが至高の娯楽、なんなら芸術みたいなことを言う人間は嫌いだ。

    対談の掲載順は、業界の大御所、叶井俊太郎から見て年長者から始まり、映画から離れ、プライベートな付き合いへ変わっていると思う。

    当然、最初のうほうは昔の映画の話しが多く、はっきり言ってつまらない。
    20年ぶりに会った人との話しが面白いはずがない。
    読了しないと寝覚めが悪いなくらいの義務感で目を通していた。

    江戸木純あたりから内容が変化した。
    叶井俊太郎の人間性をきちんと評価しているのが伝わってきた。

    共有する話題が現代に近づき、よりプライベートな内容になる後半の対談はほんとうに面白かった。読むスピードも加速した。

    叶井俊太郎がどんな仕事をしたか一番理解できたのは、RJBに話した「つまらない映画をいかに面白く見せるかを考えるのが楽しいんだよ」というフレーズ。

    サブタイトルの「文化人15人の“余命半年”論」もこってりしていて、わざわざ文化人って入れるのあざといなと思ったが、より面白い本だと思わせ、読者数を増やすためにつけたんだろうな。成功してるよ。

  • 強い人だ
    自分だったらどうだろうか
    言葉では『どうせ死ぬし』なんて言えるけど
    もう言わない
    いやマインドとしては重要か

  • 2025.01.25 朝活読書サロンで紹介を受ける。映画プロデューサー。『アメリ』。倉田真由美の元夫。

  • ネットニュースでも話題になっていたので
    くらたまの旦那さん、アメリ買い付けた人くらいの予備知識で読んでみました。
    膵臓がんで余命半年。治療はせずに残りの人生を大好きな映画の仕事をして生きると決めた叶井さん。
    我が人生に一点の悔いなし。死ぬの全然怖くない。ってスタイルがほんと羨ましい。
    こうやって潔く楽しく死と向き合えるって理想だけどなかなか…
    くらたまや娘さんの気持ちを考えると切ないけど。

  • 末期癌患者の対談本とはなんぞや?と思い買ってみました。対談相手と昔話をしながらしんみりするかと思いきや全くの逆でした。
    読み終わってから、私なら余命半年と言われたらどう死にたいかワクワクしながら考えました。

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著者プロフィール

1967年東京都生まれ。フランス映画『アメリ』のバイヤーとして知られ、『いかレスラー』『日本以外全部沈没』などの企画・プロデューサーとして日本映画界の発展に貢献。現在は、映画配給レーベル・エクストリームの宣伝プロデューサーを務める。2009年9月に漫画家・倉田真由美と入籍。22年6月、膵臓がんで余命半年の告知を受けるが、23年10月現在、笑いながら存命中。

「2023年 『エンドロール!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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