- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866291888
感想・レビュー・書評
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谷岡の姉御に参った。二日酔いもどしゃぶりもなんのその。短歌できなきゃ、死ぬ気で書け!「風の夜はアダムスキー型円盤に掠われ赤き星に行きたし」「怪人の噂もすでに遥けくて霧の波止場にコンビニ点る」「今日もまた夕陽の色のバスが来て乗らねばならぬ気持ちが兆す」「混沌の記憶の海の夕空に水満ちて浮く惑星ソラリス」「深夜また冷たい便器にひざまづき罪の報いのごとく吐きおり」「酒と薔薇の日々、だとしても泥水に喉まで浸かり雨を見ている」「悪運を罵りながら闇雲に夕日に石を投げる人あり」「収奪の地に朝日差しピアソラのバンドネオンがまた流れ来る」「昭和とは国鉄土讃線踏切の彼方の夕陽にじむオレンジ」「店頭にカボチャの王のごときありカボチャの王は我を憐れむ」「雨の夜の雨の釜山の雑踏でタクシーを降り銃撃ちに行く」「ルーレット赤の15にこの先の全ての運を積み上げており」「分別され死を待つ彼らの無表情に凍りて冬の映写室出ず」「黄昏の電脳都市と思うまで質屋のネオンの孔雀またたく」「スプートニクに幽閉されし宇宙犬ライカは帰還叶わず死せり」「冬天に大いなる振子垂れており神は人間を殺すか否か」「ワレワレハ宇宙人である当然を忘れて時々空を見上げる」「またここへ戻って来たという思い兆して朝の市場(バザール)を歩く」「黒南風(はえ)が吹きて西日が衰えて鳥が騒いでスコールが来る」「天智帝の墳墓にありし水時計思えり消灯後の薄闇に」
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