ヘミングウェイで学ぶ英文法

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866392806

作品紹介・あらすじ

柴田元幸氏(東京大学名誉教授・翻訳家)、阿部公彦氏(東京大学教授) 推薦! !

こんな英文法の学習書が欲しかった! ヘミングウェイの名文を通して、英文法の「心」に触れられる、理想の学習書です。

〈本書の特徴〉
●アーネスト・ヘミングウェイは「老人と海」だけではなく、実は短編小説の名手としても知られています。英語自体はそれほど難しくなく、極端に長い文もありません。「文法的なテクニックによって、内容の面白さが生み出されている」という特徴があるため、 ヘミングウェイの文章は、文法を学ぶのに最適なのです。

感想・レビュー・書評

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  • 説明が丁寧なのでとても読みやすい。日本語訳が先、というのがわかりやすい。英語で注意する場所に下線が引いてあり、それをどのように回答するかを求めている。すぐに説明がないのがいいかどうかわからない。文法や単語の簡単な復習にもなる、

  • ディケンズの『クリスマスキャロル』原文に歯が立たず、一旦英文学の読み方をお勉強。

    <良い点>
    一つの単語、語順、時制などから丁寧に文意を汲み取っていく読み方は勉強になった。阿部公彦氏の『小説的思考のススメ』で主張される読み方を英語に応用するとどうなるのか?という視点を多少齧れる。
    これは試験用に英語を勉強していては絶対に身につかない。

    最近、茂木健一郎氏のtoeicは要らないって動画で爆笑したが、本当その通りだと思う。試験用に勉強した英語はある程度役立つだろうが、やはり生の英語に触れてこそ得られる英語力を蔑ろにしがち。特に日本人は。

    丁寧に英語を読む教材としてヘミングウェイの作品は適しているんだなと認識。

    <悪い点>
    対象の英語レベルが不明瞭。初心者が手を出すには難しすぎるし、ある程度英語ができる人には文学的要素以外は基本的な解説も多い。
    それを表しているのが単語の注。本文の「この単語を知りたい」と思うものは説明されておらず、ものすごく基本的な単語が並んでいることが多い。

    多分この本は初心者〜上級者を幅広く対象にしてしまったが故のこのような構成になったのではないかと推測します…。


    まぁ、英文学かじったことない人にとっては総じて面白くて勉強になるので是非!

  • いわゆる一般的日本人中学生の英語力では、英語で書かれた小説を読むのはなかなか大変かもしれないけれど、本書はイケるかもしれないと思った。
    中学英語教科書なんて、言葉は悪いけれど中学生をバカにしきったほんとにクソみたいな内容だから、本書に一筋の光を感じた。本書に掲載されている短編に、1人でも感応する中学生がいれば、きっとそれだけでもうけものだ。
    ただ本書、誤字が多いのが気になるんだよな。。。

  • ヘミングウェイの短編を原語で読みながら、英文法の復習ができる。

    ヘミングウェイは、短編を多く残しただけではなく、文章が簡潔で一文がとても短い。しかし、倒置や時制の変化、助動詞の使い分けなどによって、状況の変化や登場人物の心理を絶妙に表現する。

    そういったことから、ヘミングウェイの作品は、生きた英文法を学ぶ上でもうってつけの素材になっているのだと感じた。

    本書でも、現在分詞と過去分詞の使いかた、to不定詞のさまざまな役割など、昔習ったことであって記憶から遠ざかっていた文法の解説に久しぶりに触れて、改めて理解をすることができた。


    さらにそれだけではなく、本書を読むことでヘミングウェイの文学の魅力にも改めて触れることができた。

    南部アメリカ的で男臭い作品を書く作家というイメージを持っていたが、人間同士の関係性の微妙なズレや揺れ動きを繊細に描いた作品が多く、この作家に対するイメージを新たにすることができた。

    本書で取り上げられた作品では、男女の間のすれ違いやジェンダーの問題を、それぞれの視点から描き分けており、読み手の視点によってさまざまな印象を受けるような作家であると思う。

    文法の解説だけではなく、アメリカ文学やヘミングウェイ研究の知見を踏まえた解説も取り上げられているため、文学を味わう本としてもとても楽しく読むことができる。

    一冊で文法と文学作品の両方が堪能できる、とても密度の濃い本であると感じた。

  • 時制や句順をじっくり味わいながら、鋭利にカッティングされた鉱石のようなヘミングウェイ短編を読む練習。詳しい解説がついているので、講義を受けているような感覚を味わう。

  • ヘミングウェイの短編が6編。問題集みたいに、文中に線が引いてあって、この○○はどういう意味ですか?とか、これの品詞はなんですか?とか問題があって、そのあと詳しい解説や関連する英文法の説明とか、内容の解釈とかがあるっていう形式で。
    きっと難しいんだろうなと思っていたら予想外にヘミングウェイの英文は平易で読みやすかった。英文法の問題もそう難しくなかったのでほっとした。仮定法過去とかto不定詞とか。(仮定法過去って学校で習ったときは決まりはわかってもいまひとつピンとこない感があって、それが英文を読むようになったらやたら出てくるので、こういうふうに使うのかっていうのがわかってきたという感じ。)逆に、もうちょっと難しい問題でもよかったかもとか思ったり。。。
    あと、やっぱりわたしがたぶんバカなので、ヘミングウェイのすばらしさはあんまりわからなかったかも(大変失礼)。。。すみません。。。

  • 本の構成的には少し読みづらい部分があるが、小説という楽しめる題材をベースに文法や細かい意味の使い分け、意味の取り方を学べる。網羅的ではないが特定の文法表現について深く学ぶことができる。

  • 平易な語彙で書かれたヘミングウェイの短編を通じて、文法に関する知識を深めながら、「作品を読み通す喜び」を味わえる英語学習書。英文、和訳、文法・作品解説等を収録。朗読音声をダウンロードできるシリアルコード付き。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40262957

  • 小説を読みながら文法を理解するというコンセプトの書籍。収録されているのはいずれも5ページ前後の短編なので読みやすいです。文法解説も教科書的な内容というよりはニュアンスや含意に焦点が当たっており理解が深まりました。

  • 英文法の解説が詳しいだけでなく、難解な作品を誰もが楽しめるように工夫されている。一読では意味が分からない場面でも、解説を読んでそういうことかと膝を打つことが何度もあった。私のように、英文学を読んでみたいけど敷居が高いと感じている方には本当にお勧めしたい。

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著者プロフィール

1976年生まれ。杏林大学外国語学部教授。博士(英語学)。専門は英語学、文体論。日本文体論学会代表理事(2018 年~2020 年)、会長(2020 年~)、日本ヘミングウェイ協会運営委員。著書に『ヘミングウェイで学ぶ英文法』『ヘミングウェイで学ぶ英文法 2』『オスカー・ワイルドで学ぶ英文法』(アスク)『英文解釈のテオリア』(Z会)、『バッチリ身につく 英語の学び方』(ちくまプリマ―新書)などがある。

「2023年 『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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