AMETORA(アメトラ) 日本がアメリカンスタイルを救った物語 日本人はどのようにメンズファッション文化を創造したのか?

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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866470054

作品紹介・あらすじ

アメリカで出版され、話題を呼んだ書籍『Ametora: How Japan Saved American Style』の待望の翻訳版!
日本人は「憧れ」をビジネスにし、独自の文化と伝統を創ってしまった!

アイビー、ジーンズ、ストリートウェアなど戦後アメリカから輸入したスタイルを、
日本人は独自の解釈と評価を加え、研究し、マニュアル化し、継承してきた。

そして、90年代以降は、アメリカや世界のメンズファッションが、
日本を参考にしているという状況を描いた傑作ノンフィクション。

VANやマガジンハウス、メンズクラブ、小林泰彦、穂積和夫、くろすとしゆきなど……
先駆者、仕掛け人、関係者への取材と現存する資料をもとに、歴史的視点から俯瞰して、
日本の戦後メンズ服飾史に新たな光をあてる。


石津祥介、木下孝浩(POPEYE編集長)、中野香織、山崎まどか、
ウィリアム・ギブスン、ジョン・C・ジェイ(ファーストリテイリング)ほか、絶賛!

感想・レビュー・書評

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  • いやー、これは力作。
    「日本におけるメンズファッション」にフォーカスした日本の戦後サブカル史。しかも内容は具体的にして詳細。1978年生まれのアメリカ人がよくもまあこれだけ綿密に取材・調査したものだと感心します。

  • アイビー、ジーンズ、ヤンキー・スタイル、プレッピー、DC、シブカジ、裏原、ビンテージ、レプリカ...etc。1950年ごろからの日本のアメリカ的なファッションの生い立ちを見事に解説している良書。

    背中を追ったもの、まさにハマったもの、手を出さなかったもの様々であるが、街中で見かけたり、テレビで見かけたりと記憶にあるものばかりであり、懐かしい感じがするとともに、それらのファッションの背景を知れたことが何より面白かった。

    ファッションの多様化の歴史書でもある。さらに多様化が進んだ現代を後世から振り返るとどんな表現がされ、またその裏側に潜んでいるドラマはどんなものがあるのだろうかと想像を掻き立たれらる一冊でもある。

  • American TraditionalではなくAMETORA(アメトラ)。この種の本は著者の主観的なものが多いように思うが、本書は細かく客観的な調査を行なっているようだ。
    論稿が西洋的な楽観論に貫かれているところは清々しいが、果たしてアメリカンスタイルを救ったのか、それは文化盗用とどう異なるのか、もやっとした疑問も残る。

  • 《雑誌は1974年10月、『SKI LIFE:スキーについて考えなおす本』のタイトルで並んだ。日本でのスキーに関するベーシックなガイド本を依頼した読売新聞社がその代わりに受け取ったのは、スキーをやらないスタッフがつくったウィンター・ファッションの雑誌だった。しかしティーンのニーズは、疑いなくそこにあった――雑誌は記録的な短時間で売り切れたのだ。》(p.154)

    《日本は不良文化全般をあらわす新たな言葉を必要としていた。そんななか広く受け入れられたのが、ティーンの不良をあらわす大阪の言葉――”イー”もアクセントをつけた”ヤンキー”だった。この言葉のルーツは明らかに、スカマンやキャロルの”ヤンキー・スタイル”にあったが、直接の起源は、リーゼントのヘアスタイルを””
    ”ヤンキー”と呼んでいた大阪の床屋だった。しかし1980年代の初頭ともなると、右翼的なコスチュームに身を包んだ過激な日本人のティーンがアメリカ人となんらかのつながりを持っていることなど、完全に想像の埒外にあり、多くの人々は”ヤンキー”が「やんけ」という音で文章を終える、大坂のティーンの局地的な方言に由来すると考えていた。当のヤンキーはまちがいなく、この言葉の歴史などいっさい知らなかった――彼らが模倣していたのは、うす汚れた横須賀のバーのGIではなく、自分たちの兄や、日本の高名な無法者だったのである。》(p.209)

    《今の目でふり返ると、日本の不良のあいだに広まったアメリカ産ファッションは、この国の衣類と日本との関係について、重要な、だが見過ごされやすい事実を明らかにしている。ヤンキーのファッションは、日本の若者はつねに敬意を持ってアメリカのオリジナルを模倣してきたという、広く信じられている前提に異議を申し立てるものだ。(…)不良たちは完ぺきな模倣にはほとんど関心がなかった。彼らはアメリカから受けた影響――リーゼントの髪型、アロハシャツ、汚れたジーンズ――を人々を威嚇する手段として用い、しかし右翼的な服装のほうがインパクトが強いと見て取ると、なんの未練もなく捨て去った。》(p.210)

    《プレッピーにはたしかに、奥深い精神的共鳴が欠けていたのかもしれない。だがそれは現在もなお、日本の文化が世界的なトレンドをリアルタイムで体感しはじめた歴史的な瞬間として、重要な意味を持つ。かつてビームスで働き、現在はユナイテッドアローズのクリエイティブディレクション担当上級顧問を務める栗野宏文はこう説明する。「(アメリカと日本の)差はなかった。そこで一気に縮まったわけ。だから僕は『ポパイ』の役目ってすごいと思うのは、”シティーボーイ”という言葉を出したのね。つまり”シティー”というコンテクストでくくればニューヨークもロンドンもミラノも東京もみんなシティーじゃない? それまでは”国” ”ネイション”という概念だった。でもシティーという概念はネイションを超えちゃうんだね。今の言葉で言えば”グローバリズム”の始まりなんだろうね。》(p.233)

    《日本の親世代は、アメリカの中古衣料ブームが、バブル経済の終焉を受けた、景気後退期特有の重苦しい心情を反映しているのではないかと懸念した。しかし若者たちの心情は、180度違っていた――アメリカの古着は貧困の象徴ではなく、文化的、経済的な進歩のあらわれだったのだ。1950年代のリーバイス501XX以上にリアルで、アメリカ的な――そして高価な――ものは存在しなかった。》(p.298)

    《日本のファッションは、文化行為が、世代から世代へと切れ目なく伝えられる永続的な国民性の発露ではないことを、はっきりと示している。》(p.345)

  • アイビーの歴史、アメリカトラッディショナルの歴史が詰まっていた。
    今をときめくニゴや、藤原ひろしなどの出自も理解でき、日本のファッション業界のこれまでの偉大な業績が少しは理解できた。

  • 第二次世界大戦後、日本のファッション文化はどの様な流れでここまで進歩してきたのか。
    アメリカントラディショナルの原点とも言える石津謙介率いるVANの誕生と設楽洋のBEAMS設立、自分がアメトラ好きになったキッカケでもある。
    伝説のバイブル。

  • 本との出会いはいつも書店で出会い頭、な私ですが、この本は原本がアメリカで出て、翻訳が進んでいるという段階から発売を心待ちにしていた一冊。日本のメンズファッションの変遷を、外国人がまとめた興味深い一冊。みゆき族、アイビー、トラッド、クリームソーダ、竹の子族、裏原宿、古着屋にヴィンテージジーンズにレプリカジーンズ、そんな風にアメリカ文化を咀嚼しながら全く日本独自のものにしてしまった日本のメンズファッション文化の歴史本。そしてそれらのブームは決して自然発生的ではなく、常に熱意ある人間によって作られてきたということがよくわかる。ファッションのみならず「日本文化とはなんじゃらほい」と考える向きにもお勧め本です。

  • 懐かしいイラストに惹かれ「ジャケ買い」した一冊。一見カジュアルな装丁とは裏腹に、中身は戦後から現代に繋がる日本のメンズファッションの変遷を細部まで網羅した力作。アイビースタイルの歴史、ジーンズの進化、そしてストリートファッションの盛衰など、よくぞここまで盛り込んだものだと感嘆するばかり。

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著者プロフィール

1978年、オクラホマ州生まれ、フロリダ州育ち。2001年にハーバード大学東洋学部卒、
2006年に慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程卒。日本の音楽、ファッション、アートについてNEW YORKER, GQなどに記事を書き、ウェブジャーナルのNEOJAPONISMEを編集。東京在住。Twitter @wdavidmarx

「2017年 『AMETORA(アメトラ) 日本がアメリカンスタイルを救った物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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