先に亡くなる親といい関係を築くためのアドラー心理学

著者 :
  • 文響社
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本棚登録 : 119
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866511603

作品紹介・あらすじ

老いた親とどう向き合うべきか。アドラー心理学の第一人者が、親の老いと病気の現実をありのままに受け入れ、尊敬と信頼にもとづいた家族関係を構築する方法を伝える。



<目次>
第一章 老いた親が教えてくれる人生の意味 
第二章 忘れるのではなく、過去が変わる
第三章 親に返せることはない
第四章 不完全である勇気
第五章 「ありがとう」を親から期待しない 
第六章 生きていることを肯定する

感想・レビュー・書評

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  • オーディオブックで。
    アナウンサーの方の声が優しくて、内容に合っていた。
    途中で1.5倍速にしましたが。

    親の介護にはいろいろ思うところがあるので、こんなふうにできなさそうですが、おだやかに向き合えますように。

  • 親との付き合い方全般についての本かと思っていたら、介護を必要とする親との向き合い方に関する本でした。
    最後まで読んでみると、『介護のための心理学入門』の改訂版だったことがわかり、なぜ介護中心の本だったのかは納得。
    しかし、文章そのものは、今一つでした。

    同じ著者の『嫌われる勇気』などを読んだときには気にならなかったのですが、この著者、文章があまり上手ではないのですね。
    おそらく、『嫌われる勇気』のときには、よい編集者がついていたのだと思いますが、この本の編集者は、あまり力がなく、著者の文章を活かせなかったのだと思います。
    内容的に、介護という重いテーマを扱っていて、決して読みやすいわけではないのに加え、文章がうまくないので、読みにくい本になってしまったように思います。

    タイトルも、編集も、もっとやりようがあったように思います。
    全体的に手抜き感がぬぐえない、という意味で、残念な本。
    「著者の名前」と「アドラー心理学」の組合せだけで売れる、と安易に考えたのかも、と勘繰ってしまいました。

  • 介護のこころがまえ。

  • 実際に介護をしている人が介護にかかわる心持ちについて主に書かれているので、いつか実際に家族の介護をする必要ができた際に読むと新たな発見はあるかもしれない。

  • タイトルとは違い、著者による介護体験記のようなものでした…今の自分が求めるものではありませんでした。
    アドラー的な要素は、復習の意味にはなりましたが。。。
    一つ挙げるなら、仲間との関係性において、何か自分が貢献しなければいけない、と思う人がいますが、ただ存在しているだけで貢献している、安心できる、という存在のあり方もあるので、その辺は肩の力を抜いて生きることが必要だと思います。

    ↓備忘メモ

    他人とは違い、親との関係は最後まで残る

    今から親との関係を良くすることはできる

    少しづつ変えていけばいい、まずは同じ空間に穏やかな気持ちで一緒にいられるようにする

    何かしなければ、という気持ちが強いと介護はつらくなる。
    ☆ただ横にいるだけで貢献している、安心してもらえる。

    理想の親とのギャップは大きく見えるが、理想はリセットし、現実の親を受け入れる

    強行手段は時にはプライドを傷つけることなく、目に見えないサインに答える行動となる

    お願いするしかない、お願いとは断る余地があるもの

    ライフスタイル、といえば変えようと思えば変えれると考えられる

    若い頃から何かを達成して初めて自分の価値を認められると思って生きてきた人は、老いや病気で自分の価値を認めづらくなる

  • <目次>
    第一章 高齢の親とどんな関係を築くか 
    第二章 忘れるのではなく、過去が変わる
    第三章「今ここ」から親との関係を新しく始める
    第四章 老いた親が教えてくれる人生の意味
    第五章 病気になっている状態は「低レベル」ではない 
    第六章 生きていることが無条件で肯定される社会へ

    罪悪感が介護をつらいものにする

    本)「老いる準備」上野千鶴子

    意地介護~介護は自分がkするしかないと思っていて一人で抱え込む

    P1他人との関係とは異なり、実の親との関係は最後まで残る
    意地にならず、人に助けを求めることを恐れない
    介護は家庭関係に影響を及ぼすが、関係をわすくするわけではない

    やりたいこととやれることのギャップが劣等感になる
    本)「認知症とは何か」小澤勲

    脳は身体であり、あくまでも心の道具
    生産性で人間の価値を見ない
    人が人であることに注目
    衰えてもなお、他者に役立っていると思えるような援助をする
    人は誰でも意味づけした世界に生きている

    P106人が「人格」であるためには、生物学的にヒトであることに加えて、自己意識があるという条件が必要だとされる

    「なぜ」ではなく「どうするか」を考える

    「じっとそばにいること」の持つ力
    本)「噛み切れない想い」鷲田清一
    われわれの社会が、何をするわけではないが、じっとそばにいるということの持つ力を評価することを忘れている~

    助けてほしいというサインを見逃さない

    心にゆとりをもち、親を責めない

    真剣になっても深刻にならない

    介護と育児の違い
    介護の出口は死~待っているのは死になってしまう
    本)「無名」沢木耕太郎

    親の言動を減点法で見ない

    援助をしても自立してない、とはいえない
    本)「わたしの介護ノート1」田辺聖子


    正しいという争いを起こさない関係
    離れるときはただ、離れる~理由はいらない

    老いを肯定的にみる

    変わらないことを喜ぶ

    今ここに一緒にいることを実感する

    くりかえす話を楽しむ
    もうろくをとおして
    心にとどまるものを
    信頼する
    もうろくは濾過機
    本)「もうろく帖」鶴見俊輔 いつも新しい思想家

    思い出させるのではなく、今からやり直す、新しく始める

    相手の論理でこの世界を見直してみる

    私的時間軸と共通の時間軸
    本)「私とマリオ・ジャコメッリ」辺見庸

    試すような質問をしない

    ありがとうを期待しない

    存在のレベルで親を受け入れ、勇気づける

    親は生きてるだけで家族に貢献している
    貢献感を持てるということの意味

    人は誰か他の人の力で幸福にしてもらうことはできない

    これはclaim(要求)であって、complain(不平)ではない

    病者や高齢者は人生の真理のより近くにいる


    まわりからの適切な援助があれば、人は変わることができる

    ありのままの相手をみることが「尊敬」である

  • p62

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著者プロフィール

1956年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門はギリシア哲学、アドラー心理学。著書に『アドラーを読む』『アドラーに学ぶ』(ともにアルテ)、訳書にアルフレッド・アドラーの『人生の意味の心理学』『個人心理学講義』『生きる意味を求めて』『人間知の心理学』『性格の心理学」「子どもの教育』『子どものライフスタイル』『個人心理学の技術Ⅰ・Ⅱ』(以上アルテ)エドワード・ホフマンの『アドラーの生涯』(金子書房)などがある。

「2023年 『教育困難な子どもたち〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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