新装版「分かりやすい表現」の技術 意図を正しく伝えるための16のルール

著者 :
  • 文響社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866511849

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計65万部の名著がリニューアル!

マニュアルはなぜ分かりにくいのか?
右か左か迷わせる交通標識。庶民には理解不能な法律条文。
初心者にはチンプンカンプンのマニュアル。
何が言いたいのか分からない上司の話……。
世の中にあふれる「分かりにくい表現」の犯人をつきとめ、すっと分かってもらえる「情報発信のルール」を考える!

感想・レビュー・書評

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  • 1.著者;藤沢晃治氏は、メーカーでソフトウェア・エンジニアとして勤務。分かりやすい伝え方・見せ方・書き方を指導するコミュニケーション研究家です。著作の他に企業向研修の講師としても活躍しています。社会人になってから、英検一級・工業英検一級・TOEIC900点等を独学で取得するという、大変な努力家です。
    2.本書;第1章「分かりにくい表現」がいっぱい!~第4章「分かりやすい表現」のルールブック、で構成されています。世の中に氾濫している「分かりにくい表現」=道路標識・取扱説明書等の具体例を上げて、分かりにくい理由と改善例を示しています。本書自体が、図解を多用した、分かりやすい内容になっています。三部作シリーズ【①「分かりやすい表現」の技術 ②「分かりやすい説明」の技術 ③「分かりやすい文章」の技術)】の売上は60万部を突破したそうです。
    3.個別感想(参考になった書中記述⇒3点);
    (1)全章から、「読者が理解し易いように、図解を多用している」
    ●感想⇒私は、上司に企画書を提出した時に、常々言われました。「読んですぐ理解出来ない内容は、マンガを書け(図解せよ)!」です。確かに、提案した事を図解出来るというのは、自分が分かっている事だと思います。図解にもコツがあるので、関係書籍を多々読みました。
    (2)第3章から「事前に主題を受けてに説明し、鳥瞰図を与える事は特に重要です。いきなり詳細な話に入られると受け手は当惑してしまいます」
    ●感想⇒ノンフィクション本は、”はじめに(趣旨と概要)”と”目次”があり、そこで全体を示します。私も、全体⇒個別という流れが良いと考えます。さらには、内容を層別し、表題をつけるのが良いでしょう。相手の立場に立って、表現するという事でしょうか。
    (3)第4章から、「分かりやすい表現の16のルールとチェックポイント例⇒具体的な情報を示せ、情報に優先順位・・・等」
    ●感想⇒本書の16ルールは、すべて役立ちます。しかし、人間の頭に入るレベルで言えば、やや多過ぎます。16ルールメモを作成して活用するにしても、私は、せいぜい5点程度の絞込みが必要と思います。
    4.まとめ;私は、会社で品質管理を学びました。5W1H、層別、QCストーリー、重点志向・・・等です。本書の内容は、品質管理の考え方に相通じる点が多くあります。品質管理は主にモノづくりの現場で活用される思想です。著者が、コミュニケーションの活性化を狙って、新たな視点から、本書の提案をした点が素晴らしいと思います。学者ではなく、実務家でこその内容です。人間関係の、基盤は、コミュニケーションです。識者の中には、「どんな人にも一読を勧めたい」と言っている位、好著です。

  • ちまたにあふれる文章、ポスター、交通標識などでも分かりにくい煩雑なものは多い。

    どうしたら、分かりやすい文章表現ができるかを説明した本。

    分かるというのは分けること。
    情報が整理されていないと分かりにくい。
    情報を抽象化するのも分かりやすさのテクニック。

    誰向けのメッセージのものか、読み手がどういう状態で何を望んでいるのかを考えて、準備をしているのか。

    ●「分かりにくい表現」の主犯たち
    犯人1  親切心の欠如
    犯人2  「受け手」のプロフィールの未定義
    犯人3  受け手の熱意の読み違い
    犯人4  大前提の説明もれ
    犯人5  ガイドの欠如
    犯人6  複数解釈ができてしまう
    犯人7  情報のサイズ違反
    犯人8  欲張り
    犯人9  具体性に欠ける
    犯人10 重みづけの欠如
    犯人11 共通項でくくらない
    犯人12 相互関係を明示しない
    犯人13 視覚特性の無視
    犯人14 自然な発想に逆らう
    犯人15 受信順序を明治しない
    犯人16 直訳

    ●「分かりやすい表現」のルールブック
    ルール1  おもてなしの心を持て。
    ルール2  「受け手」のプロフィールを設定せよ。
    ルール3  「受け手」の熱意を見極めよ。
    ルール4  大前提の説明を忘れるな。
    ルール5  まず全体地図を与え、その後、適宜、現在地を確認させよ。
    ルール6  複数解釈を許すな。
    ルール7  情報サイズ制限を守れ。
    ルール8  欲張るな。場合によっては詳細を捨てよ。
    ルール9  具体的な情報を示せ。
    ルール10  情報に優先順位をつけよ。
    ルール11  情報を共通項でくくれ。
    ルール12  項目の相互関係を明示せよ。
    ルール13  視覚特性(見やすさ)を重視せよ。
    ルール14  自然発想に逆らうな。
    ルール15  情報の受信順序を明示せよ。
    ルール16  翻訳はことばではなく意味を訳せ。

  • この本の書き方自体がめちゃくちゃ分かりやすくて読みやすかった!巻末のチェックリストは定期的に見返したい…!自分は話したい気持ちが高まりすぎて、よく大前提の説明をそこそこに本題にすぐ入りたがってしまうので、気を付けようと思った

  • 『分かりやすい』とは、すなわち『分けやすい』ということ。

    著者の言うことに共感しかない。
    ホントに世の中は分かりづらいマニュアルや取説だらけ。きちんと読み手にわかってもらう気すらないのでは、と思えるものも少なくない。

    道路標識やお役所からの文書などは、あえてそうする事でそれを解説するような立場の人たちの仕事を無理やりつくっているように思えてならない。もしそうであるのなら、きちんと考えるべき問題が浮き上がってくる。

    個人的に思うのは、『分かりやすくあるべきもの』と『分かりにくくても仕方ないもの』の線引きを、きちんとできていない、もしくはしていないことがおかしなことを招いているのでは?ということ。

    たとえ誰かの仕事をつくるためでも、分かりやすくあるべきものは分かりやすい方がいい。
    すぐに思い付くのは、命に関わる可能性が高いものの使用の取説や解説書である。

    ボクは薬剤師をやっている。薬の飲み方の説明書も本来なら何処までも分かりやすいに越したことはないと思う。だけど、そうはなっていない現実がある。

    もちろん、『分かりやすい』には、誤解を生みやすくなるというデメリットもあるので慎重になる必要はある。それでも、現状、いつでも質問が出来る環境が用意されていない以上は、専門家以外に提供する取説は『分かりやすい』を追求するべきではないだろうか。

    少しでも本書を役に立てて、今より『分かりやすい』説明が出来る人間になれたらと思う。

  • 楽しかった。わかりにくい説明書ばかりで作ってる人はこの本読んで欲しいな…仕事しててもこんな感じの文章はよく見かけるから第三者目線で考えるのは難しいかも。

    私も気をつけよう。

  • シンプルでわかりやすい。
    わかりやすく伝えるためのルールとその具体例がこの本の半分以上を占めている。

    「分かりやすい」の定義(ざっくり)を人間の脳内整理棚にきれいに分けられるか(構造化されて説明されているか)としている。
    これはとても納得感がある。単純暗記よりも、意味や背景、構造を分かったものの方が記憶に残る。

    分かりやすくするためのルールは以下の16個。
    ・おもてなしの心を持て
    ・受け手のプロフィールを設定せよ
    ・受け手の熱意を見極めよ
    ・大前提の説明を忘れるな
    ・全体地図を与え、その後、適宜現在地を確認させよ
    ・複数解釈を許すな
    ・情報のサイズ制限を守れ
    ・欲張るな、場合によっては詳細を捨てよ
    ・具体的な情報を示せ
    ・情報に優先順位をつけよ
    ・情報を共通項でくくれ
    ・相互の関係科目を明示せよ
    ・視覚特性(見やすさ)を重視せよ
    ・自然発想に逆らうな
    ・情報の受信順序を明示せよ
    ・翻訳は言葉ではなく意味を訳せ

    この本に書かれているルールを網羅すればかなり分かりやすい説明ができたり、資料が作れると思う。
    伝え方の本を数冊読んだが、受け手を意識して作ることは重要だと感じた。
    また、複数解釈ができる表現はついやってしまうことがあるので気をつけようと思った。
    欲張りすぎて資料が盛りだくさんになることもよくあるので気をつけたい。

    突き詰めていくと、伝えることはコミュニケーションなので、結局は受け手ファーストで考えることが一番大切なんだなぁと思った。

  • レイアウトによって見やすくなる実例をたくさん紹介している。ためになる。

  • 1999年に出た本が、改訂されて2020年に出ているわけだから、一定の評価を得た本なんだろうな。
    自分の今や仕事を照らし合わせてみれば、この本に書いてあることが全部使えるわけではないのだけれど、というか、使う機会がないのだけれど、一部はすぐに使える。また、自分の仕事の日常を振り返ってみれば、この本でやってはいけないとされている事例にいくつも当てはまるので、改善例を参考に、少しでも直せていければ良いなと思う。
    直接的には、なかなかうまくこちらの意図を伝えられなかった案件が最近あって、なんとか無事終わったのだが、、やっぱりもっとなんとかしたかったなという思いがあって、以前に買って積んだままにしていたこの本を開いたのだが、やる前に読んでおけば良かったなと。買った時も必要だと思って買ったのだから、可能な限り、そのタイミングで読むべきだな、今更だけど。

  • わかりやすいプレゼンを学ぶために選んだ一冊。

    伝える側には「わかりやすく表現する義務がある」

    16のルール
    1.おもてなしの心をもて
    2.受け手のプロフィールを設定せよ
    3.受けての熱意を見極めよ
    4.大前提の説明を忘れるな
    5.まず全体地図を与え、その後、適時、現在地を確認させよ
    6.複数解釈を許すな
    7.情報のサイズ制限を守れ
    8.欲張るな。場合によっては詳細を捨てよ。
    9.具体的な情報を示せ
    10.情報に優先順位をつけよ
    11.情報を共通項でくくれ
    12.項目の相互関係を明示せよ
    13.見やすさを重視せよ
    14.自然発想発想に逆らうな
    15.情報の受信順序を明示せよ
    16.翻訳は言葉でなく意味を訳せ

    このチェックを忘れるな!

  • もちろんこれが重要だとは理解しているが、果たして実行出来ているかは難しい。
    答え合わせがあるわけでなく、
    相手は黙って離れていく。

    表現の達人になれる。

    相手のことを考える。
    大前提から考える

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著者プロフィール

藤沢 晃治(ふじさわ・こうじ)

慶應義塾大学卒業。管理工学を専攻し、卒論では、AI(人工知能)をテーマとしてチェスを指すプログラムを作成。大手メーカーでも専攻を活かして、ソフトウェア・エンジニアとして勤務。『「分かりやすい説明」の技術』、『「分かりやすい文章」の技術』、『「分かりやすい表現」の技術』の3部作のベストセラーなど、講談社・ブルーバックスの著作がシリーズ合計65万部を超える。2005年に退職後、数多くの企業向けの研修で活躍中。「分かりやすく伝える技術」をテーマに、日本テレビ系の教育バラエティ番組『世界一受けたい授業』にも講師として出演。TOEIC900点、英検1級、工業英検1級、通訳ガイド資格(英語)なども持つ。
その他に『日本人が「英語をモノにする」一番確実な勉強法』(三笠書房>)、『新装版「分かりやすい表現」の技術』(文響社)、『心を動かすプレゼンの技術』(角川書店)、『「判断力」を強くする』(講談社)など著書多数。

「2020年 『頭のいい段取り すぐできるコツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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